2015/10/29

親子の旅in小浜島


沖縄の八重山諸島のひとつ、小浜島へ行きました。
仕事だけど、書くほうじゃない。撮るほうでもない。
親子で撮ってもらう仕事。
こんなご褒美、人生初です。
取材じゃない仕事で、しかも親子で行けるなんて。
なかなかない機会なので、
ふたつ返事でお受けしました。

さらに考えてみたら、
私と娘の2人だけで友人親戚のいない先へ旅するのも初めて。
娘は初めての沖縄に、ずっと前から楽しみで興奮が止まりません。
エキサイティングな様子の娘を横目に、さて、どんなことになるやら。

旅の準備は隙間時間に少しずつ進めました。
自分ひとりの取材旅なら、
デニム+トップスの着回しなど小さいパッケージで行くのが常ですが、
今回は撮影に使える服も用意してといつもより準備が必要。
子供が寝た後、ささっと見繕います。
なにしろ、こっちは秋だけどあっちはまだまだ夏モード。
夏服を引っ張り出して詰め込みます。
一番迷うのは行きと帰りの服。
こっちは寒いけどあっちは暑い。
結局、ロングスカートにカットソー+カーディガンで、ローファーに素足で行きました。
飛行機や車など座ることが多い行き帰りは、
デニムだとお尻が疲れる。
スカートやショートパンツのほうが快適です。


石垣島に着くと、肌に感じる空気はまだまだ熱を持った夏のそれ。でも、風が吹くと心地よい。
10月は旅に適した気候です。

石垣からさらに船で小浜島へ。
空港から港まではタクシーで移動。
運転手さんの英語が流暢で話が弾み、
ほかに中国語も自分で勉強していると聞いて
ほったらかしにしている
語学勉強不足の自意識がチクチクします。
父ほども年が離れた方と、
語学の勉強方法について話ながら
母ちゃんはちょっと反省モード。
(でもこの手の反省ってあきれるぐらいそのとき限り。だから上達しないんだよ!)で、
ふと横を見ると娘はウトウト。
移動続きだからか、
めったにしないお昼寝をしてました。
昼寝している娘の顔をじっと見るのは本当に久しぶり。
近くにいるけど、娘の顔をじっと見ることが少ないんだなあ、私。
そう思いながら船に乗り、小浜島へ。


滞在したホテルは本当に快適でした。
子供と楽しめるように、
様々なアクティビティがあります。
着いたら早速、夕方の小浜島の自然を楽しめるコースに参加しました。
カートに乗ってナビゲーターの案内を聞きながら、孔雀が走る様子を見たり、
八重山オオコウモリが羽を広げて飛ぶ様子を見たり。琉球アサギマダラという蝶の美しさに喜んだり。娘以上に私が大興奮です。

ガジュマルの木も生えています。
モシャモシャです。
根っこだか枝だか幹だかわからない。
自然に入り組んだ様子が、
家のようにも見える。
ここで記念撮影しないわけにはいきません。





翌日から、撮影開始。
刻々と変わる空模様に合わせて、
いろんなところで写真を撮りました。

やっぱり一番印象的だったのは浜辺です。
海や空の色は
青や緑のグラデーションを帯びて美しく、
貝殻交じりの砂浜が足に心地よく、
吹き抜ける風が爽やかなことこの上なし。

東京を離れて自然に癒してもらうには、
絶好の場所です。
あとはジンライムでもあればいうことなし。
ライムのかわりにシークワーサーでもいい。
ジンよりウォッカかな。
ワインじゃない気がします。
ビールは普通過ぎるし。
なんでもいいから飲みたかった、
ということです。
音楽はなんだろう。
やっぱりパットメセニーかなあ。






最終日の午後に自由時間ができたので
娘と二人、小浜島をドライブに出かけました。

自転車で、と思ったのですが、
電気自動車が乗れるというのでそっちに変更。
運転は数年ぶりです。
ほとんど信号のない小浜島。
制限速度40キロの小浜島。
久しぶりの運転にぴったりじゃないですか!

もともと運転は大好きだったので、
電気自動車も興味津々。
エンジンかけても静かだし、
走り出しも静か。
車に乗ってる実感を、
いかに耳で感じていたかがよくわかりました。





海への抜けの抜群な景色を楽しみながら、
港へ。
港沿いの食堂では、
私がゴーヤチャンプルー、
娘が八重山塩焼きそばを注文。
地元の人と観光客で、
ほどよく混んでます。

出来立てをハイ。
これがおいしくないわけ、ないじゃないですか!
娘の食べる勢いがものすごくて、
しかもおいしいを連発するので、
八重山塩焼きそばに
ちょっとジェラシー感じちゃいました。
変な母ちゃん。

すると、その変な視線を察知したのか、
「お母さんの料理もおいしいよ」と
ふと言われて苦笑いしてしまいました。
こんな気遣いをするぐらい、
心もどんどん成長してるんだなあ。
塩焼きそばにがっついている娘を見ながら、
なぜかしんみり。
でも、娘をじーっと見ていたら、あれ、箸の持ち方がいまいちだなあ。
気になります。
即、指導です。
ただし、いつものあわただしい食卓で言うのとは
心の様子が違います。私も優しく指摘できる。
普段の食卓でも、もっと優しく言えるようにしたいなあ。



島は数時間で1周できるほどの大きさだけれど、
景色は本当に様々。
山の上の見晴台からは、
近くの八重山諸島を見ることもできたり。

ここは、植物の生命力が桁違いです。
緑は濃く、
海は澄み、
日差しは強い。
自然の逞しさがそこここにある、
魅力的な島でした。

また訪れたいなあ。
次は、ビーチで飲みたいなあ。



2015/10/16

11月の「ポルトガル食堂」募集開始いたします。

おしゃれなお客様にいただいた、秋の花束を飾って
10月も半ば。
さっき気が付きました。

仕事でノートにメモするときは
必ず日付を書くのですが、
完全に記号化していて実感ゼロ。
改めてはっとしました。
10月、毎日が早すぎる!
この先師走まで、怖いなー。
 
毎日が駆け抜けていく感じ。
日暮れの時間もぐんぐん早くなって、
あっという間に夜が来る!

夜が来たら、もうワイン開けるしかない。
だから秋冬は酒量が増える気がする。

そうか?
夏は夏で飲んでるじんじゃないかな、私。
変わらないんじゃないかな。

どうでもいいことを考えちゃいました。
夜が長いせいかな。

さて、11月の「ポルトガル食堂」の
参加者を募集開始いたします。

11月は7日(土)と28日(土)を予定。
どちらも12時~15時の予定です。

ご興味ある方はこちらまでどうぞ!
お米の料理、温かい料理を中心に予定しております。

2015/10/01

9月19日の「ポルトガル食堂」はワインが進みました。

9月後半、いよいよ残暑ともお別れ!

さ、今日から10月。
残暑気分はすっかり消えて、
季節はきっぱりと秋。

玄関に出しっぱなしだったサンダルも、
そろそろしまわないと。

と、秋の話をするその前に、
少し時間が経ってしまいましたが
9月19日の「ポルトガル食堂」の様子を
ご紹介します。

いつも楽しい方が集まってくださり、
旅の話や料理の話などで
私が一番楽しませていただいているのですが、
19日は特にワインが大好きな方、
ワインに強い方が多かった!

ワインが好きな私としましては、
こんなに楽しいことはありません。
だって、皆さんのペースに合わせて、
私もどんどん飲めますから!




お酒のある食卓って、ほんとに楽しい!
ヴィーニョ・ヴェルデからポートワインまで、
料理の合間に次々注いで、
たっぷり楽しんでいただきました。

普段はなかなかデザートのポートワインまで
たどり着かないのですが、
この日はデザート前にデザートワインの方が
4名。
ニーポートの赤のほかに、
カーザ・ダ・サンタ・エウフェミアの
白ポートの古酒も開けました。
現地で買って大事に寝かせていたワイン、
ワインが好きな方に飲んでいただけて、
幸せだったに違いありません。
 
この会で改めて感じたことが一つ。
お酒が進むと、
無性におつまみを作りたくなってしまう。
ポルトガル料理の教室と名乗っているのに、
冷蔵庫のあれでなんか作ろうかな、と、
いつもの自宅での飲み会ノリに
危うくなってしまいそうでした。



次回は10月10日(土)12時~と、
16日(金)12時~を予定しております。
気になる方はこちらまでお気軽にご連絡ください。

ご参加お待ちしております!




2015/09/09

イラストレータ・小池ふみさんの個展 at神宮前HBギャラリー

先週末、
イラストレーターの小池ふみさんが神宮前のHBギャラリーで個展を開くと聞き、
娘といそいそと出かけました。

わくわくし過ぎて、
冷蔵庫に冷やしておいたプレゼントのワイン(もちろんヴィーニョヴェルデ)を
まんまと忘れてしまいました……。

イラスト、イラストを引き延ばしたプリントワーク(ディティールに思わぬ効果が!)、
木を切って塗った立体作品など、自由で楽しい

小池ふみさんとの出会いは、
昨年、自著の文庫の表紙を描いていただいたのがきっかけ。
それ以来、すっかり彼女の作品のファンです。


我が家のダイニングには、
彼女の描いてくれた
ポルトガルのスープ「カルドヴェルデ」と、
チーズ「ケージョフレスコ」の
2枚の絵を飾ってあります。
どちらも文庫の表紙の候補で、
最終的にケージョフレスコに決まりました。

このイラストは、
私のエッセイを読んでから、
小池さんが印象に残った食べ物を
イラストに起こしてくれたのです。

2枚を見たとき、
絵はときとして、
写真よりずっと饒舌になるんだと感じました。






見る人の心を和ませる、独特のタッチもとても魅力的。
今回の個展でも、作品の一つ一つを思わずじっくり眺めてしまう吸引力がありました。
コーヒー、犬、セーター、男の人や女の人の後ろ姿、
どんなものも彼女の手にかかると、個々に存在感を放ちます。

単色を表す際に、重ねる色や筆使い、
ディティールの見つめ方がなんとも言えないのです。
これって描く人の優しさ? 好奇心?
何がこういう作品を生むんだろう。

作品にはどれも、どこかしら温かい印象があります。
でも、決してそれだけじゃない。
描かれた対象そのものの個性がぐっと引き出されている。
それが効果を生んで、
ときとして、モノなのにまるでキャラクターのように見えてくることもあります。

そのものの一番の魅力をそっとすくいとって、
大事に、丁寧に描きこんでいく。
でも、ときどきスコーンとラフな部分もある。
すべてをきっちり描き過ぎないから、穏やかな印象になる。
自然とそこには、心地よさが潜むのでしょう。
あるいは楽しさ、美味しさなども。

置いてあった小池さんの作品集の中に、
その場には飾られていない黄色いセーターの絵を見つけました。
網目のふっくら感、そして何より上品で温かな黄色が、本当に着てみたくなる!
この原画、見てみたい!
ふみさんに原画はもうないのかと伺いました。
あったらもちろん、家に連れて帰りたい!
でも、既にスペインの個展で売れてしまったとのこと。

これから生まれる作品、とっても楽しみにしています!

2015/09/07

9月5日の「ポルトガル食堂」は、よく飲んでよく笑いました。

国産レモンは宮崎産を使いました
9月5日の「ポルトガル食堂」は、
まだ夏の暑さの名残りを感じる日の
お昼から開催しました。
お越しいただいたみなさま、
ありがとうございました。

最初にお出ししたのは、
ポートワインの白をトニックで割り、
たっぷりのミントとレモン果汁を加えた
爽やかなポートニック。
蒸し暑い日だったので、
みなさんゴクゴクと爽快な飲みっぷり!
飲みっぷりがいいって、
見ていて気持ちいいものです。

そう、今回のお客様は
偶然ですが見事にみーんな飲む人!
つられて私も、
どんどん飲みながら料理を作っておりました。




輸入元は、オーガニックワインに強い
岸本(ワインポルトガル館


ポートニックに続いては、
しっかり冷えた
ヴィーニョヴェルデの白を。

今回は大阪の岸本が輸入している、
モウラスのエア(写真右)。
オーガニックな造り手のもの。
すっきりとした味わいですが、
香りは華やかさがありコクもある。

そして、
このワインは味わいもさることながら、
ラベルが洒落ていて好きなんです。
蝶のモチーフの部分に注目。









蝶のデザインもかっこいいんです

なんと、蝶の羽が
立体的に浮かぶ仕掛けです。
もう少し寄ってみると、ほら。

この遊び心!
遊び心大好き。
ボトルに蝶が止まっているように見えたり、
あるいは、
蝶がボトルから飛び立とうとしているようにも見えたり。

嗜好品であるワインに
ちょっとした造り手のユーモアが加わると、
魅力的この上ない。
休日のひとときが、
このボトル1本で
ぐっと盛りあがります。
もちろん会話も弾みます。

ユーモアってやっぱり大事。


シュワシュワの微発泡ワインは、
軽い前菜にぴったり。
イワシと紫たまねぎのマリネを、
浅草「マニュファクチュア」の
雑穀カンパーニュのスライスにのせました。
写真、ありません。
教室を開いている間は
料理とサービスで手いっぱいで
いつも写真が撮れません。


小さいからパクパクつまめる。まさにおつまみ!

ヴィーニョヴェルデが1本空かないうちに、

ポルトガルから輸入した
バカリャウ(干しだら)を使った
コロッケを揚げました。

じゃがいも、バカリャウ、卵、
たまねぎ、イタリアンパセリ。
材料は以上。
今回はバカリャウの塩気が強かったので、
調味もほとんどなし。
衣もつけません。
それだけに、
揚げる前のたねの粘度が肝心です。

たらとじゃがいもって、
本当に相性がいいなあと思える。
素朴なコロッケです。
私は後ほど冷めたものを
ワインといただきましたが、
冷めてもいけるのがこのコロッケのいいところ。
ポルトガルではむしろ、
冷めてからサーブされることが多いです。


豚バラの代わりに、腸詰でもOK。
肉と貝の組み合わせが、旨みに厚みをもたせてくれます
メインはあさりと豚バラごはん。

ポルトガルの南部では定番の
あさりと肉類の組み合わせ。
カルネ・ド・ポルコ・ア・アレンテジャーナ(豚とあさりのアレンテージョ風)などはもちろん、
南部の鍋料理・カタプラーナでも
よく見かけます。
トマトベースのあさりと豚の鍋は
締めのごはんをプラスすることもあり、
それを再現しました。
ごはんにはトマト、あさり、豚肉の旨みが
入って、それはジューシーです。

ポルトガルで使われる米は長粒米なので
米を加えてもさらっとした仕上がりになるのですが、
日本の米で作ると米自体の水分が多いので
スープの多いごはんはもったりになりがち。
なので、2~3割程度押し麦を加えます。
そうすれば、パラッと食べやすくなります。

デザートは天国のクリーム。
いやーそれにしても、
本当によく笑った会でした。
ゲストのみなさま、
あらためて、
楽しい時間をありがとうございました!

10月は、
10日(土)と16日(金)の予定です。
どちらもお昼の12時ごろから。
ご興味のある方はこちらまでどうぞ。