2016/01/20

GRAYSKY project  山陰地方で注目人物にインタビュー

日本海地域の風土に根差した豊かな暮らしぶりや物づくりの現場を訪ね、
そこから食や手仕事などの文化を学んでいく活動団体
GRAYSKY project
昨年からメンバーとして参加しています。



携わったのは日本海エリアで活躍されている人たちへのインタビュー。

まずは山陰地方からです。

独創的に活動されている注目すべき手工芸品の作家、
キュレーター、ギャラリー店主といった方々に、
ご自身の仕事について、これまでのこと、これからのこと、地域と自分など、
その人ならではの仕事にまつわるストーリーや発想の秘密などを、
地域や地方といった枠組みにとらわれない
根源的な部分から伺いました。

以下、3名のインタビューを読めますので、
ご興味ある方はどうぞ!


島根県

DOOR BOOK STORE 高橋香苗さん

鳥取県

うかぶLLC 三宅航太郎さん

鳥取県

COCORO STORE 田中信宏さん 


どの方も、それぞれにストーリーのある人生の歩み方。

すこしずつ、でも着実にその人ならではの何かがつくられていくいく。
仕事でも、作品でも、人生でも。
みなさんそれぞれに味があっていいんです。

考えてみると、鳥取県、島根県を旅したのはこのインタビューをした昨年秋が初めて。
砂漠に民藝にカレーに古道具に和紙。思わずうなる焼肉屋さんも!
鳥取や島根の旅のことも、
遅ればせながら後ほどアップします。

日本海沿岸地域は古来からの食文化の宝庫。

味噌、醤油などを中心とした発酵食品は、
保存を目的に日本独自に育った調味料。

米どころで日本酒天国。

豊かな海=豊富な海産物。
地域で受け継がれる昔ながらの料理、おやつ、保存食。

日本のルーツを見直すと、

おのずと日本海に目が向くことに、
このプロジェクトに参加して
気が付きました。

2016/01/18

リノベーション⑧ 持ち物リストアップ&イメージを伝える

メジャーでサイズを測りながら、次々と書いていきます
間取りや床の素材など
大きな部分を決めていきながら
並行してやったのが
持ちものリストアップ
自分の持ち物を
ざっと書き出します。

このリストは、

これから造る家具やそのほか既存の収納スペースに、
今持っているものがきちんと収まるか、足りないとすればどのくらいスペースが必要かなどを、
建築家が考える基本情報になります。

リストアップの作業、
大変かと聞かれれば
もちろん手間はかかりますが、
考えてみるとこれまでの引っ越しでも
ざっくり書き出していました。
こういう作業、嫌いじゃない。取り掛かるまでがちょっと面倒ですが。

それからこの作業、収納の目安を図る以外に、
持ち物整理の役目も果たせます。

A4の紙にアイテムをひとつずつ書き出しながら、
大物家具や家電などはサイズも書き出し、このまま使うか処分するかなどを再検討できる。
洋服や靴、小物類も改めて書き出していくうちに、
処分するかどうかを冷静に考えることができます。
本、書類、雑誌、食器や調理器具、ストック食材など、
改めて家の中にあるものを確認できる絶好の機会です。


pinterestで気になったキッチンの雰囲気をピン

こうしてこまごました持ち物のリストアップをしながら、
並行して進めたのが造作家具のイメージ固め。
仕事の空き時間に目ぼしい家具ショップを覗き、
これから職人さんにオーダーする
造作家具のイメージを固めていました。

都内はもちろん、

ちょっと離れた近郊のビンテージ家具ショップなど、
とりあえず自分が気になるお店を訪ねては、
家具をひたすら見る。

それから、

自分の好みの家具のイメージを固めるには、
リアルな店舗の家具チェックだけでなく、
pinterestなども
とても手軽にビジュアルチェックできて
便利なツールです。
アップされているインテリアpicの中から、
気になったものを自分のボードにどんどんピンし、
ときどき見返してみる。
自分の好みの傾向がなんとなくわかります。
apartmenttherapy.comなどの
海外のインテリアサイトも面白いです。
あるいはインテリア雑誌などをめくって、
気になる家があれば、
どうしてその家が気になるのか
自分で考えてみるのもいい。

そうやっていくうちに、

自分が好きな部屋や家具のテイストが、
よりはっきりと視覚化できます。




目黒のショップ「コンプレックス」で気になった家具

私の場合、

オーダー家具は、
キッチン周辺に引き出し付きカウンター、吊戸棚と、
食器その他を収納するパントリー。
ダイニングには、
飾り棚と、仕事道具をしまう
造りつけの収納。

部屋のサイズに合わせていちから作るオーダーメイドなので、素材、色、取っ手などのパーツなど、自分の好きなように造ることが可能です。


ただ、自由度が高い分、

自分が本当に作りたいものがはっきりしていないと
依頼の内容があいまいになりがち。
同じナラの無垢材でも木の色や表情は全く違うし、
仕上げをどうしたいのかなど、
案外細かい部分が
部屋全体の雰囲気を作ったりします。

だからこそ、

自分が作って欲しい家具のイメージを
職人さんと共有できれば、お互いに安心です。


素材のことなど細かいオーダーを言葉で伝えるのはなかなか難しい。

ビジュアル資料の方が、イメージが簡単に伝わります。
私は、訪ねた家具ショップで見た気になる家具の写真や
ピンタレストのpicなどをいくつかプリントアウトし、
職人さんと建築家の田邉君に、これらのサンプルのどういう部分が好きなのか、
それをどんな風に使いたいかなどをじっくり聞いてもらいました。

上記のイメージを混ぜ込みながら、

できたキッチン回りがこれ。
使いやすいサイズを出してもらい、
あとは自分の好みを伝えてお願いしました。
背の吊戸棚は片扉のスライド式で、
抜けと使いやすさを両方得られます。
脇のパントリーは下の部分を抜いて浮いている造りつけにしてもらい、
後からラフィアのふたつきボックスを購入し、
乾物や保存食類を中にストックしています。


全体のバランスを見ながら造作家具を配置できるのが、
建築家によるリノベーションの嬉しいところ
住ながらいろいろ手を加えて、
より使いやすくしています。

今でもときどき

時計の位置を変えたり
植物を吊り下げたりしながら、
小さい模様替えをしています。
家のあちこちに余白があると、
遊びがいあって楽しいんです。

★リノベ心得 その7


好みのイメージを伝えるなら、

写真などの
ビジュアル素材を見せながら、
言葉でさらに希望を伝えよう。

ヘアサロンでなりたい髪型を伝えるのと
同じ。
理想のイメージを伝えるなら、
まずはわかりやすいビジュアルが一番!













2016/01/14

リノベーション⑦ 床材探しツアー

引っ越し当時。リビングはスコーンと抜けた空間

リノベーションと引っ越しが終わってはや1年。


昨年の今頃は引っ越し後の片付け真っ最中で、
開いても開いてもなくならない段ボール箱がようやく完全撤収できて、ほっとしたっけ。

片付いてすぐ、来客があり。
週末はほぼ毎週、娘の保育園の卒園記念DVDを
ママ友達とわが家で編集していました。
世代や仕事分野の違う働く母親が一緒に仕事をする珍しい機会。
みんな仕事が早くて、勘が良くて、手早い!頼もしい!

ママ達と一緒にやってきたちびっこ達は、リビングスペースではしゃいでいました。

何もない空間も、
それはそれでよかった。
そのままソファのない生活が半年以上続きました。


ソファが入ると、逆に空間が広くなったように感じます。
物のサイズ感が、空間の広がりを実感させてくれるのでしょう
昨年秋にちょうど良いソファに出会い、リビングらしい空間に。
このソファ、
継ぎ目がないフラットなクッションだからか寝心地が最高。
写真では紫がかって見えますが、
実際は紺色に白のごま塩柄の生地。
アメリカのアウトドアウェア
「ブラウンズ・ビーチジャケット」の生地を使っています。

もうかれこれリノベから1年経っていますが、

リノベの話はまだ途中。
引っ越し後も、
新たにキッチンや玄関に手を加えたりしています。
やはり、住んでから気が付くことも多いもの。
家は住みながらできていくものだということを実感中です。
そんなことも含め、ぼちぼち続きを書いていきます。




では、話の続きは床材探しから。

フローリングに絨毯、タイルなど。

床の素材を絞りこむ前に、
ざっとどんなものがあるのか候補を見てみたい。
そんな人も多いと思います。
こだわりの強い方ならここは絶対でしょう。

そんなときはできれば、
建築家やリノベ会社の担当者のプロと一緒に
素材の専門店へ現物を見に行くといいと思います。
私は数日ツアーを組んでもらって、
建築家の田邉君と見て回りました。
見た目の良さだけでなく、自分の家で使ったときにどうなるかといったアドバイスが
その場で即座に帰ってきますから、
ちょっとした疑問や悩みもすぐ解決して効率よく吟味できます。

床材、壁材などの素材と一緒に
バス・トイレなどの水回りアイテムもチェック。
バス・トイレはそっくり新しいものを入れ替える予定だったので、
パナソニック、TOTO、LIXILといったメーカーのものを
一緒に見て回りました。

大半の人が初めて訪れるであろう、建材や水回りのショールーム。

広いです。賑やかです。展示物が多いです。情報だらけ。
遊べないディズニーランドみたいです。
ポップコーンの販売はないですが。

あんまりいろいろなものがあるので、いったいどっからどう見ればいいのやら。
ぼんやり歩いているとあちこち興味が飛びますが、
なんとなく回るのは失敗のもと。
時間ばかりかかって疲れるだけです。
これが、プロと一緒だと断然早い。
とくにバストイレなどの器機類は、
予算が決まっていれば選べるものも自然と絞られます。
あとは色やパーツの選択で、悩むべきポイントは大体決まっている。
専門家と一緒なら、こちらからの具体的な質問もコンパクトになるし、
どこを確認するべきかがあらかじめ分かるので合理的。
だから忙しい人は、断然プロと一緒がおすすめ。

バストイレに予算を取って、
オリジナルでバスタブや床や壁を好みに組み合わせたい人なら、
もっとグレードの高い輸入ものを扱うショールームなども見るべき。
実際、予算に余裕のある場合はオリジナルで組んで作る方も多いそう。
我が家の場合、ユニットの内容などはシンプルで実用的であれば良しとしました。
予算があれば遊んでみたいけれど、床と壁にまず投資が基本ルール。
なのでごくごくシンプルなものを選び、半日で決めました。


カラーバリエ。これ、ほんのごく一部
話を床材ツアーに戻して。
この体験はとても面白かった。

私は当初、キッチンやトイレ、

洗面所などの床は
タイルを考えていました。
ポルトガルであちらの家の
キッチンや玄関のタイル使いを見て、
タイルの柄や色のアクセントって
いいなあと思っていたんです。
壁はシンプルにして、
床にパンチがあるって面白いなあと。

でも、田邉君はどうも賛成しかねる様子。

実は彼自身が自分の家のキッチンを
タイルにしたんだけれど、
滑って転ぶことが少なくないらしい。
「グラス割れると面倒だよ」
「冬裸足だと寒いよ」
確かに。
家の中は裸足が多いし、
寒いの苦手だし、
グラスやら皿を落とす可能性を考えると、
小さい子がいる今の我が家のキッチンには
タイルはちょっと向かないかなあ。


毎日気兼ねなく使える場所にしておきたい。

ということで、現実的な塩ビタイルにしました。


サンプルを出してもらい、床に敷いて撮影できる

それにしても、塩ビタイルって名前、

どうもピンとこない。
なんだかテンション下がりますよね。
しかーし。
違うんです。
実際に建材のショールームに行くと、
見事に固定観念が覆されました。
日本人の物づくりの研究熱心さと
商品開発力にはいちいち感動します。
塩ビタイル、質感も色もバリエーションがいろいろあって、とにかく面白い。
知らないって損ですね。
写真のようなトーンを抑えたもの以外にも、
表面がざらついたもの、織が入っているもの、
タイルのようなモチーフのものなど
いろいろあり、しかもお掃除も簡単。
素足で歩いて気持ち良し。
水回りに最適です。

色ものを市松のように組むか、

小さいサイズのものを敷き詰めるかなど
さんざん悩みましたが、
結局シンプルに、
大きめの白を並べることにしました。
でも、ただの白ではなく、
刷毛目のあしらいがさりげなく入っているものです。
だからつるんとフラットにはなりません。

使っている現在はどうかといいますと、

掃除はしやすいし、歩き心地もいいし、
見た目も良し。
塩ビで大正解でした。


最初は楽しいけど、やがてへとへとに
さらに、床材探しは続きます。
次は絨毯。

五反田を経て、
こちらは六本木の絨毯メーカー。
とにかく広いです。

リビング、ダイニング、子供部屋で1種類、

寝室でもう1種類の絨毯にしようと
考えていたので、まずは色で選びます。

ひとつは濃いブルーで、

ひとつはアイボリー。
ブルーは色のトーンを、
アイボリーは明るさと質感を特に吟味。

サンプルの端切れを出してきては、

ひたすら並べて比較し、
持参した漆喰壁の色見本と比べたり。
とにかく気になったら全部トライ。
そして戻す、トライ、戻すの繰り返し。
ウェディングドレスだってこんなに試着しません。
まだ決まらない、まだまだ決まらない。



いくつも見ているうちに、
欲しいものがないんじゃないかと弱気になったり

始めは宝探し気分でワクワクしているんだけど、
あんまりピンとくるものが出てこないと
段々心配になってくる。疲れてく。
自分の欲しい絨毯は、
もしかしたらないんじゃないか。
もう見つからないんじゃないのか。
絨毯やめるべきか。
何が欲しかったんだっけ?

いえいえ、そんなときこそ粘るべきです。

粘るが勝ちです。
ないと思っているのは
疲れて見たくなくなっているだけ。
ここからが踏ん張りどころです。
余計なことは考えず、
とにかく探す。
ちょっと休憩を入れてお茶でも飲んで、
再び絨毯の森へ。

そうやって探しに探して

気になるものが出てきたら、
持ってきた壁サンプルと垂直に並べて
イメージを広げます。

これがどーんと広がるとどんな空間になるだろう。

明るすぎないか、家具との相性はどうか。

そして、最後は決断です。

一人暮らしの小さなスペースとは違って、
リビングやダイニングはそれなりの広さがあるから悩ましいのですが、
そんなときこそ直感を大事に。
床と壁が決まれば、
部屋の雰囲気はかなりできてきます。
最初に作りたいと思った雰囲気を思い浮かべて、
いざ絨毯大量購入!

★リノベ心得 その6

見つからないときも決められないときも、
あきらめないで粘るが勝ち

疲れるけど、よーく考えて、想像して、粘ってあきらめない!

建材探しって、なんかの試合みたいです。

2016/01/13

お正月と日本酒

明けましておめでとうございます。
檜の酒器は、気分が変わって友人に好評でした

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

年末年始は旅に出て飲み、
お正月も、そのあとすぐの連休も、
自宅でいろんな方とよく飲みました。

人が集まるこの時期は、
普段飲まないお酒を楽しめるのがいいですね。
自分の知らないおいしいお酒を知る、
絶好の機会です。

日本酒とワインがどちらもテーブルに並ぶというのも、日本ならでは。
でも、今年はワインより日本酒を飲む機会が多かったなあ。

お正月に飲んだ日本酒で
特に印象に残ったのは、
北海道・増毛の「国稀」大吟醸
山形「住吉」特別純米 極辛口

どちらも自分の父、親友のお父さんが
開けてくれたのですが、
日本酒好きな人の、
その人のおすすめを一緒に飲むときってホントに楽しい。
なにしろ「うまいから飲め飲め」ってニコニコ勧めてもらえるんです。
お酒の味の良さはもちろんですが、
その人のそのお酒への愛情や特別な想いや笑顔のおまけが山盛りなんだから、
おいしさも倍増ってわけです。

それにしても60代、70代のお酒が好きな人たちにとっては、
やっぱり日本酒が基本なんですね。
なにしろ学生時代から日本酒で育っているわけで、
昔馴染みの日本酒、お気に入りの日本酒、思い出の日本酒がちゃんとある。
酒の製造工程の話を聞くのも楽しいのですが、
お酒はやっぱり、個人的なバックヒストリーがいいですね。

洋酒の方が幅を利かせている現代ですが、
日本酒の良さも、もっと世代を超えてみんなで分かち合えると楽しそう。

私は日本酒が好きですが、
いつも種類の多さに面くらいます。
お店に行くと、選ぶ前に目が泳いでしまう。

だから、まずは自分の周りの人が勧めてくれるものを片っ端から飲んで、
自分の好きな味を見つけたい。
お酒が好きな人にお酌して、お酌されて。