2015/09/09

イラストレータ・小池ふみさんの個展 at神宮前HBギャラリー

先週末、
イラストレーターの小池ふみさんが神宮前のHBギャラリーで個展を開くと聞き、
娘といそいそと出かけました。

わくわくし過ぎて、
冷蔵庫に冷やしておいたプレゼントのワイン(もちろんヴィーニョヴェルデ)を
まんまと忘れてしまいました……。

イラスト、イラストを引き延ばしたプリントワーク(ディティールに思わぬ効果が!)、
木を切って塗った立体作品など、自由で楽しい

小池ふみさんとの出会いは、
昨年、自著の文庫の表紙を描いていただいたのがきっかけ。
それ以来、すっかり彼女の作品のファンです。


我が家のダイニングには、
彼女の描いてくれた
ポルトガルのスープ「カルドヴェルデ」と、
チーズ「ケージョフレスコ」の
2枚の絵を飾ってあります。
どちらも文庫の表紙の候補で、
最終的にケージョフレスコに決まりました。

このイラストは、
私のエッセイを読んでから、
小池さんが印象に残った食べ物を
イラストに起こしてくれたのです。

2枚を見たとき、
絵はときとして、
写真よりずっと饒舌になるんだと感じました。






見る人の心を和ませる、独特のタッチもとても魅力的。
今回の個展でも、作品の一つ一つを思わずじっくり眺めてしまう吸引力がありました。
コーヒー、犬、セーター、男の人や女の人の後ろ姿、
どんなものも彼女の手にかかると、個々に存在感を放ちます。

単色を表す際に、重ねる色や筆使い、
ディティールの見つめ方がなんとも言えないのです。
これって描く人の優しさ? 好奇心?
何がこういう作品を生むんだろう。

作品にはどれも、どこかしら温かい印象があります。
でも、決してそれだけじゃない。
描かれた対象そのものの個性がぐっと引き出されている。
それが効果を生んで、
ときとして、モノなのにまるでキャラクターのように見えてくることもあります。

そのものの一番の魅力をそっとすくいとって、
大事に、丁寧に描きこんでいく。
でも、ときどきスコーンとラフな部分もある。
すべてをきっちり描き過ぎないから、穏やかな印象になる。
自然とそこには、心地よさが潜むのでしょう。
あるいは楽しさ、美味しさなども。

置いてあった小池さんの作品集の中に、
その場には飾られていない黄色いセーターの絵を見つけました。
網目のふっくら感、そして何より上品で温かな黄色が、本当に着てみたくなる!
この原画、見てみたい!
ふみさんに原画はもうないのかと伺いました。
あったらもちろん、家に連れて帰りたい!
でも、既にスペインの個展で売れてしまったとのこと。

これから生まれる作品、とっても楽しみにしています!

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