2016/09/23

週刊文春カラーグラビア「世界の米料理」

好きな連載は町山智浩さんの「言霊USA」
最新号の週刊文春でお仕事しました。
昔、出版社の社員編集者だったころ、ランチのお友は必ずと言っていいほど週刊文春でした。
そういえば、週刊誌の仕事はこれが初めて。

担当したのは、カラーグラビアのページ。
ちょっとマニアックな世界の米料理をご紹介するべく、都内のレストランを訪ね、取材・執筆しました。

味付けも盛り付けも個性的で、もちろん美味しいところを探しまわり、今回はインド、カメルーン、ポルトガル、マレーシア、パレスチナ、ペルーの6か国6軒の6皿を掲載。
とても賑やかな誌面ができました。

取材前の下調べやリサーチをしながら、米食文化って思っているよりずっと世界の広範囲に広まっている、ということがわかり、驚きました。

主食は米か小麦か。そういうことで言えば実は広範囲で当たり前なんですが、米食文化は私たち日本人のアイデンティティーだと感じているためか、ほかの国にもたくさんの米食文化があることを知れば知るほど、なんだか嬉しく思っている自分がいました。




ご飯ものって、テンション一気に上がります


今回は、みんなが知っているようなチャーハンやビビンバ、パエリヤやリゾットなどはあえて外し、へえーと読む人が思えるようなマニアックなものばかりで構成しています。


美味しい新米が登場するこの季節にご紹介した、少し目先の変わった各国のお米料理。気になるものがあったら、ぜひお店に行って、食べてみてください!



2016/09/15

dancyu10月号「ヴィーニョヴェルデの学校」

表紙は、福尾美雪さん撮影の「肉山のローストビーフ丼」。
ファビュラス&ディヴァイン!
9月も半ば、朝晩はすっかり秋の気配。
もういいよー、とやや辟易していた真夏の暑さや太陽の眩しさも、
いざ去ってしまうとやはり寂しい。
ノースリーブもそろそろしまって徐々に衣替え。
子供時代から大人時代へ、みたいな寂寥感。

でも、秋は食べ物が美味しい季節だから、
気を取り直して行くぜ!大人時代はお酒がじっくり美味しく飲めるぞ、私!

さて、久しぶりに直近のお仕事の話です。

(お仕事ネタって、載せようと思っている間に雑誌の販売が終わっていたりして、なかなかブログにうまく載せられなくて……。というマメに更新していないことへの言い訳を聞いていただいたところで、本題へ。)


最新のdancyu10月号にて、
「ヴィーニョヴェルデの学校」企画が
掲載されております。









基本から、やさしく分かりやすく解説しました

ポルトガルの緑のワイン・ヴィーニョヴェルデを、もっとたくさんの方に知って欲しい。
そんな以前からの思いが、このたびdancyuでの記事掲載になりました。
ワインの専門誌や業界紙とは違うアプローチで、ごく普通に食を楽しむ読者に向けて、ヴィーニョヴェルデの魅力を知って頂きたかったのです。

マニアックで販売数もまだまだ少ないヴィーニョヴェルデですが、こんなに和食と相性が良くて日本人にマッチするワイン、知らずにいるなんてもったいことこの上なし!






和食とのマッチングだけで、見開き2ページいけます

この特集記事は、
今年6月後半に訪ねた、ポルトガル・ヴィーニョヴェルデ協会主催のスタディツアーでの取材内容を中心に、今までの自身のヴィーニョヴェルデ経験も盛り込んでまとめました。

ポルトガル語で緑のワインと訳せるけれど、緑色のワインじゃないのよ、とか、白だけじゃなくて、ロゼや赤もあるのよ(細かく言えばエシュプマンテなどもありますが)、とか、和食と合わせるならこんな風に、というご紹介などなど。

今回は4ページの中にギュギュっとまとめましたが、お伝えしたい魅力はまだまだまだまだあることを改めて実感。

ヴィーニョヴェルデをはじめ、ポルトガルのワインの魅力やワインを巡る旅について、
いずれぜひ書籍にまとめたいと思っております。
ワインを巡るポルトガルの旅の取材、来年も機会を作って行けたら。そんな野望を抱きつつ、今年はこのぐらいにしておいてやるぜ!(誰への台詞?)



プロの発想を素人が自宅で実践できる。
なんてやさしい企画!
ちなみに小岩のお店でも美味しいステーキ、食べられます

ちなみに、第一特集のときめきの肉企画でも、
お仕事しております。

小岩「ビリエット」松島シェフに教わる「赤身ステーキをしっとり&ふるふるにする方法」。
細かくがっつり教わりました。

おうちで赤身ステーキって、なかなか上手に焼けないという声、ほんとに多いんです。なぜなら、脂が少ない分、焼き加減が繊細なので素人にはかなり難しい。硬くなっちゃったり、しっとり感がなくなったり。

でも、松島シェフの提唱するアンチエイジングビーフメソッドをマスターすれば、ごく普通の赤身肉を、ごく普通のフライパンで、素人でもものすごくジューシーに焼くことができちゃいます。

コツは焼き方じゃなくて、肉の保存の仕方。全然難しくない!小学生でもできます。ほんとに。
そして、この方法なら自宅で焼くのはもちろん、BBQなどのアウトドアでも相当重宝します。なにしろ、冷蔵保存すればするほど美味しく焼けるんです。私は今週末のBBQで2回目のアンチエイジングビーフ作りにトライします。





ほかにも、焼肉の名店や羊の読み応えのある企画がいっぱい。
最新のdancyu10月号、これは永久保存版ですよ!

2016/09/06

9月3日の出張「ポルトガル食堂」in旗の台サカナエア

旅慣れた方々が集まったテーブルでは、
いろいろな国への旅話が飛び交っていました
私も交じってお話を伺いたかった!
9月3日土曜日、残暑が厳しい夕方より、旗の台サカナエアにて出張「ポルトガル食堂」を開催しました。

参加いただいた16名の方々は、都内近郊や長野など、様々なところから集まってくださいました。


会場のスペースの関係で今回残念ながら参加いただけなかったみなさまには、次回以降のご案内も必ず差し上げます。


中には、拙著を片手に親子でポルトガルを旅されたという、とても素敵な方々もお見えになり、私の方が、幸せな気持ちにさせていただきました。

毎回、ただただ感謝しかありません。




パンにもほんのりにんにくの風味をきかせています



9月に入り、すっかり夏も終盤、とはいえ、この日の昼間は30℃を超す暑さ。冷たくてシュワシュワのヴィーニョヴェルデを楽しむには、まさに最高の環境です。


最初のスープは冷たいガスパショから。暑い日ににぴったりの、白ワインビネガーのきいた食べる野菜サラダのようなスープです。カリッと焼いたパンと、コリアンダーをモリっと乗せ、よく混ぜてワシワシいただくのがおすすめの食べ方。















ワインの友セット



次は前菜3品。
奥はいわしと玉ねぎのマリネカナッペ、手前はにんじんとオレンジのクミンサラダに、右が牛肉コロッケのクロケッテシュ。

いわしのカナッペ、自宅でもよくつまみで作るのですが、本当にヴィーニョヴェルデによく合います。特に白と。イタリアンパセリをたっぷり降ると、ワインとますます相性が良くなります。

おつまみの薬味的存在は、ワインの青い香りの部分ををよく拾ってくれるんだと思います。決して見た目だけの存在ではないのです。

にんじんサラダは炒ったクミンシードの香りと味がオレンジやにんじんの甘さといいコンビネーション。個人的には、ロゼのヴィーニョヴェルデと合わせたくなります。











あつあつ揚げたて




牛肉コロッケはもちろん揚げたてを。
暑い日の揚げ物、厨房では結構汗だくになります。実際、着替えを用意すべきだったかも、と揚げながら思いました。今度から、そうします。

このコロッケ、牛肉に豚の腸詰、ベシャメルソースとレモン汁が入り、独特の味わいです。でも、家庭でコロッケの種と別にベシャメルを作るのは大変。できればフライパン1つの中で解決したい。というわけで、拙著の中のレシピでは、もっとシンプルな方法をご紹介しています。

ちなみにこれ、娘の大好物。大量に種を仕込むときは夕食のおかず分も忘れずに用意します。今回は娘のスポーツ合宿が当日朝からあったので、お弁当にも加えました。
揚げる直前の状態で冷凍しても大丈夫です。
冷めてもおいしいから、お弁当にも向いてます。









手羽先は手づかみで!



肉料理は、唐辛子やワインビネガーを使ったピリピリソースで半日マリネした鶏の手羽先を。オーブンでこんがり焼いてそのまま手づかみで召し上がっていただきました。

ちなみに自宅で焼くときは、オーブンよりもガスコンロのグリルを推奨。ガスの火力の方が、鶏の皮はパリッと焼けます。



















干しだらの塩気が、日本酒のひやおろしと合うという声あり



シメのごはんものは、干しだら工場の友人アントニーから分けてもらった、干しだらの浮袋入り、白いフェイジョアーダ。添えたご飯は日本の米と押し麦を半々で炊き、黒オリーブと青唐辛子をチラシてあります。
ご飯のアレンジは私の思いつき。フェイジョアーダの優しい味には、ちょっとアクセントが欲しい。そこで、オリーブの塩気と青唐辛子の青い風味、シャープな辛さを加えました。

ちょっとアレンジし過ぎかなと気になっていたのは、この日お客様の中にブラジル出身の方がいらしたから。ブラジルはポルトガル語を話す国で食文化も共通項が多く、フェイジョアーダは日本のカレーみたいな身近な存在。





その方から、おかわりくださいと言っていただけて、素直に大喜びした私でした。
このような料理会でも自宅の食事でも、おかわりないの?と聞かれることほどストレートな褒め言葉はないと思います。おかわり?あるある!あとちょっとね。
ほんと、楽しいやり取りです。




甘いものは別腹ですから

お楽しみのデザートは、サカナエアの店主・田村さん特製バニラジェラートに、ブラックチェリーをポルトガルのさくらんぼりキュール・ジンジーニャで煮たものをソースごとオン。まわりにクランブルを散らし、ミントをのせて。


ジェラートの上にチェリーをのせると、たちまち滑り落ちそうになる。分かっちゃいるけど、できればのっけてお出ししたい。でも難しい!実際、お客様のテーブル到着直前にストンと滑り落ちることもしばしば。苦笑しながらお出しするばかりでした。


見た目はそれとして、ジンジーニャのソースはバニラジェラートととてもよく合い、ミントもいいアクセントに。

ジンジーニャは、チョコカップに入れて飲むこともあるので、次回はビターチョコをくだいたものを少し散らしてもいいかも。
次回チャレンジしてみよう。





ヴィーニョヴェルデの赤は、
アフロスのヴィニャオンが人気でした

ワインは、定番のヴィーニョ・ヴェルデ白、赤のヴィーニョ・ヴェルデ、モダンなオーガニックの造り手の白、ロゼワインなど全9種類をお出ししました。


初めてヴィーニョヴェルデを飲まれる方も多かったのですが、ひと口飲んで、シュワシュワ感や爽やかさ、広がる香りや酸のきいた味わいなどを気に入ってくださり、やっぱり日本人の口に合うワインなんだと思いました。










ところで、改めて考えてみました。
私はどうしてこのようなイベントを開くのか。
準備も大変、当日もてんてこ舞いなのに。
ライターであり編集者なのに。
それはやはり、自分が書籍や雑誌でご紹介している料理やワインを、実際に食べたり飲んだりされる方の声が聞きたいのです。味わっている表情をちらっとでも伺いたいからです。
そしてまた、自分の本を読んでくださった方の感想が直に伺えたりするのも、このような場だからです。
自分の仕事がどんな風に皆さまと関わっているかを感じたい。
仕事が独りよがりになっていないだろうか、受け止める人はどう感じているのだろうか。
そんなことが見えにくい仕事だからこそ、このようなイベントを、不慣れながら続けているのです。このような場でこそ、気が付くことがたくさんあるのです。

手際が悪い場面など多々あるかもしれませんが、今後とも、なにとぞ大目に見ていただけましたら嬉しい限りです。笑ってばかりで真剣に見えにくい私ですが、結構精一杯、あたふたと頑張っております!

さて、次回のイベントは、いつにしよう。
10月は8日土曜日に通常の自宅教室を予定しております。
ご予約はこちらからどうぞ。

改めてご参加いただきましたみなさま、サカナエア店主の田村さん、どうもありがとうございました!