2014/04/14

桜の気持ち

散った花も絵になるのが、桜

桜、今年は楽しめましたか?

私は毎朝通る沿道の桜が一番身近な存在。
娘を保育園まで送る道の途中に、
お目当てが数本並んでいます。

春の始まりを感じ始める3月になると、
その桜が満開になるのが毎日待ち遠しくて、
見上げながら通り過ぎるのが日課でした。

4月の始め頃、
今年もその桜が見事に花を咲かせたのを見上げて、
やっぱり美しいなあと思っていたら、
翌日の雨と風で
あっという間に散ってしまいまいました。
あんなに待っていた満開の桜を堪能できたのは、
たったの1日だけ。


雨に濡れて地面に散らばってしまった桜の花を見て
「あーあー、お花散っちゃったね」
とつぶやいた私に、
娘が
「お花が地面に落ちて、水を飲んでるんだよ」
と言ったのでした。

子供は生まれながらの詩人というけれど、
ほんとでした。

桜の気持ちを読む目線や心。
私はもう、持っていないんだなあ。

でも、娘の心の成長を感じさせてくれた桜に
ますます思いを募らせるのでした。

また来年、会いましょう。

2014/04/08

抜いてみよう

会社を作り、
その仕事を続けながら、
3人の子育てもしっかり頑張っている、
おまけにいつ会ってもきれいな女性がいます。
私の古くからの友人です。
いつもパワフルだなあ、
いつもきれいだなあ、
何か秘密のドリンクでも飲んでるのかい?
とか思うぐらい。

その彼女が、この間SNSでこうつぶやいていました。

「春休みで子供が家にいるんだけど、
お昼ご飯を作るパワーが出なくてお弁当を買いに行かせちゃった。
子供たちだけでお弁当屋さんに行かせちゃって、
なんだか罪悪感を感じるなあ。
買い弁で申し訳ないです」

何を言ってるんですか、そこの奥さん!

はい、抜いて抜いて、
力抜いて。
力みっぱなしじゃ、なめらかに回らないよ。

母親業は仕事じゃない。
仕事という枠組みをはるかに超えた、人生の一部。
一度母親になったら、死ぬまで母親です。
24時間365日続く「役割」でもあります。

そんな大役なんだから、
力みっぱなしは疲れちゃう。
女は強いって言うけれど、
そでもないことは女であるあなたが一番よく分かっているはず。

うまい踊り手が、
見せ場ではグッと力入れて魅せるけど、
それ以外は音楽やリズムに身を任せているように

うまい歌い手が、
サビは熱唱してしっかりきかせるけれど、
それ以外のフレーズは心地良く口ずさむように

母親だって、
しっかり子供を受けとめるときは受けとめて、
あとは軽く流していけばいい。
私はそう思うよ、A子。

毎日朝昼晩、
お母さんが頑張って食事を作ることばかりが
子育てを真剣にやってるかどうかとイコールになるとは
とてもとても思えない。
料理以外にも大事なことって山ほどあるんだから、
ちょっと疲れているなら
食事は買い弁でさっと済ませて、
肝心のときに力を発揮できればいいんじゃない?

それに、
疲れて元気のないお母さんの作った料理より、
リラックスしているお母さんと食べる買い弁の方が
ずっとずっとおいしそう。
ずっとずっと楽しそう。

あとね、買い弁って、そんなに悪いもんじゃないよ。
子供にとっちゃ、結構楽しいもの。
だって外で買ってきた食事って、イベントっぽい特別感があるからさ。
子供の頃の私がそうだった。
仕事帰りに時間がなくて、
母が焼き鳥屋さんでおかずを見つくろって帰ってきたときなんて、
ものすごくワクワクしていたし。
「タレ?塩?皮ある?」とか、
包みを開きながら聞いていたし。
母が「ゴメンね、時間がなくって」と言っても、
なんでゴメンなのかピンときていなかったぐらい。
今じゃそう言ったときの母の気持ちは良く分かるけど、
買い弁、買いおかず、子供はかなり喜んでる。

いつもきれいでいたいと心がけている、
そして本当にいつもきれいなあなたは、
いつもちゃんとお母さんの役割をまっとうしなきゃって
思っているんだと思う。

でもね、すでに3人を元気にすくすくと育てているあなたは、
120%役割を果している。
しかもハイクオリティーだよ。
もしも子育てを仕事と呼ぶなら、
あなたの仕事っぷりは素晴らしいです。
傍から見ていて、眩しいぐらい。

十分眩しいあなたは、
買い弁ぐらいでへこんじゃいかんです。

何でもちゃんとしているあなたに、
私はとても偉そうに何かを言うことはできないけど、
ひとこと。

「十分完璧だよ、もっと力抜いて!」

2014/04/05

4月のポルトガル食堂

ワインは春にぴったりの
ヴィーニョヴェルデ。
ソーセージと菜の花ごはんとも相性良し

外は花見で盛り上がる4月5日、
自宅で開催したポルトガル食堂もしっかり盛り上がり、
今回も盛況のうちにお開きとなりました。

初対面の4名様が集まると、
はてさてどんな感じになるのかしらと
私も緊張しながらお待ちしていましたが、
始まってみたら波長の合うこと、お話の盛り上がること。
食べて、話して、食べて、飲んでと
みなさんの旅のお話やおいしいもの情報が
次から次へとテンポよく繰り出され、
お開きが名残惜しいほどに話に花が咲いて
私もとっても充実したひとときを御一緒できました。
それにしても今回のみなさんは海外経験が豊富で、
体験談を聞いているだけでいい旅夢気分。
TVの100倍臨場感があります。
体験談に勝るものなし、ですね。

とくに、自分が知らない国の文化(主に食べ物ですが)は、
聞いていてほんとうにわくわくします。
ラップランドはトナカイの肉が一般的(!)とか、
ブラジルのみなさんの自家製カイピリーニャは
マヨネーズの空瓶(!もちろん洗ってるけど。)で
ガンガンシェイクするとか。

思いもよらない話には、
はー、とか、
へー、とか、
ほおー、とか、
感嘆詞しか出てきません。
楽しい!

おいしい情報だけじゃなくて、
おいしくない食べものの話もまた面白い。
むしろおいしくなかった話の方が盛り上がったり。
世の中おいしいものだけじゃ面白くないですもんね。

ちなみに私のおいしくないもの話、
みなさんが帰られてから思い出してみました。
ありました!
インドネシアでお土産に買ったドリアンのキャラメル。
いろんな人に配りましたが、
包み紙を開けても鼻を近づけるだけで誰も食べてくれない、
もしくは、興味深々で食べた瞬間、
ものすごい形相で瞬時にペッと出されちゃう。
そんな、世にも恐ろしいテイストでした。
商品化する方が間違っている!
でも、商品化してみたくなる気持ちもまた、わかります。
だって面白そうです。

さて、今回はみなさんの御協力で、
料理教室の様子を忘れずに撮れました。
しかし、料理とデザートは気がつくとまたもや撮りそびれ。
いえ正確には、
作っていると、撮っている余裕がなくなってしまうのです。
ですので、以前作ったときの写真でメニューを紹介。

まず、簡単な前菜2品。
オイルサーディンと玉ねぎをワインビネガーとオリーブオイルで和えた前菜
「ザラガトーア」
Zaragatoa

おいしいオイルサーディンさえあれば1分でできます
バゲットのスライスをこんがりと焼き、
表面にガーリックを
ガリガリとこすりつけたところにのせて
いただきます。
イタリアンパセリと黒胡椒はお好みで。


玉ねぎが多めだとシャリシャリ感が出て
さっぱりしたディップになります。





これ、ロゼワインと合います

もうひとつは、旬の春ニンジンを
オレンジジュースとワインビネガーでマリネし、クミンシードをきかせた
にんじんのオレンジサラダ
Salada de cenoura

写真はハムと一緒にバゲットに挟んで
お花見仕様となっています。

今回は雪下にんじんを使用。
このにんじんは、
見つけたらぜひ食べてみて欲しい!
一般的なにんじんとは味がかなり違います。

産地のひとつである新潟県のHPによると
このニンジンの特徴はこんな感じ。


~7月中・下旬に種をまいて、雪が降るまでに大きく育て、
12月から雪の下で越冬させます。
その後、3月末から4月末にかけて
およそ2メートルもの雪を取り除きながら収穫します。
~雪の下で越冬したにんじんは、甘みやうま味を感じる成分である
アスパラギン酸、グリシン、セリンなどのアミノ酸含有量が大きく増加します。
また、豊かな香りの成分のカリオフィレンも増加します。
これらの変化が、雪知多にんじんのおいしさに関わってくると考えられています。
~雪の下は温度が一定(0℃)なため凍らず水分があり乾かないため、
みずみずしく、味はマイルドで甘く香りがよく、歯切れの良い食感が楽しめるのです。~


とのこと。
全くその通り!
雪下にんじんは味も香りも違いがはっきりした、贅沢なにんじんでした。

前菜2品に続き、
メインはこの時季に旬を迎える菜の花を使って
「ソーセージと菜の花ごはん

Arroz com chourico e grelosに。

くたくたの菜の花がいい味出します
この料理、
炒めた香味野菜に米とブイヨンを加え、
ソーセージ、菜の花を加えて煮るという
とっても簡単なものですが、
米とソーセージを加え
最後に菜の花をそのまま
鍋いっぱいに広げる工程はインパクトが
大きかったようで、
みなさん
「えーっそのまま入れちゃっていいの!?」
と驚かれていました。






はい、ばさっと入れちゃっていいんです。
エキスパンダーみたいな腸詰です

塩もせずばさっと入れても菜の花がブイヨンを吸い、
菜の花自体のほろ苦さとうま味もあるので
ちょうどいいんです。

ちなみにこの料理は、
ポルトガルのレストランでいただいた
賄い料理が元。
あちらでは右の写真のような感じでした。
ご覧のとおり、ダイナミックです。
上手く説明できませんが、
とにかく勇気をもらった料理でした。


締めのデザートは、
リスボンの食堂で食べた思い出のプリンを再現。
プリン王国ポルトガルは、どんなお店でも大抵デザートにプリンがありますが、
ある日リスボンの食堂で食べたプリンは
全く期待していなかった(失礼!)だけに、
ひと口食べて「これは自分でも作りたい!」と思ったのでした。
そのあとお店の人に「これ、XXXXが入っているの?」
と聞いたら、お、気が付いたかお前さんと言わんばかりの嬉しそうな顔で
「ふふふ、そりゃ企業秘密だよ」
と言われたのでした。

たとえ秘密にされたって私にはわかる!
その香りの招待は、間違いなくあれです。

その、あれ(スパイス)をきかせたプリンは、
ちょっと大人風味の仕上がり。
私は大好きなんだけど、みなさんはどうかな、
ちょっと個性が強いかなあと思っていたら、
とても喜んでいただけてホッとしました。

デザート写真は撮り忘れましたが、
今回は春なのでいちごのポートワインマリネを添えました。

というわけで、今回も楽しいひとときでした。
いつも教室が終わると、
お客様から元気をいただいています。

5月の開催日も、
早目に決めてこのブログにアップいたします。
しばしお待ちください!