2014/06/27

文庫発売と記念ワインイベント開催のお知らせ。

装画は小池ふみさん。
ポルトガルの魅力が滲み出ています
6年前に出した食旅エッセイ
「ようこそポルトガル食堂へ」に大幅加筆修正をし
文庫版「ようこそポルトガル食堂へ」
7月3日に発売になります。

この文庫には、
2年前に巡ったポルトガル北部の
ヴィーニョ・ヴェルデを巡る珍道中も
新たにたっぷり加えました。
緑のワイン、ヴィーニョ・ヴェルデを
あっちこっちでひたすら飲んでいます。
ワインが飲めない人も、
飲んだ気分になれるかも!?

値段もサイズもより手頃になりましたので、

気になった方は
ぜひ書店の幻冬舎文庫売り場を
ご覧ください。

また、この文庫出版を記念して、
旅で実際に味わったヴィーニョ・ヴェルデ5種類を
みなさんと一緒に味わいながらお話をする
イベントを開催します。

緑のワイン・ヴィーニョヴェルデを味わおう!
「ようこそポルトガル食堂へ(文庫版)」

(幻冬舎文庫)出版記念イベント

【日時】 7月20日(日) 13:00~15:00〈開場 12:45〉
【場所】 COOK COOP BOOKキッチンスタジオ
  東京都千代田区紀尾井町4-5 1階
【料金】 2,500円 
【内容】 ヴィーニョヴェルデの試飲(5種)とおつまみ付トークイベント


定員制ですので、お申し込みはお早めに。
こちらからどうぞ。

日曜の昼下がり、シュワシュワワインをのんびり楽しみましょう!

2014/06/24

6月21日の「ポルトガル食堂」

このボトル、カジュアルのお手本のよう
毎日蒸しますねー。
こうムシムシしていると、
ヴィーニョヴェルデがおいしくって困ります。

先週末の「ポルトガル食堂」の主役ワインも、

しっかり冷えたヴィーニョヴェルデが
大人気でした。

いろんなヴェルデを知っている

ポルトガル通なお客さまが参加されたので、
ちょっと珍しいヴェルデを用意。
クローバーを表す「TREVO」と言う名のワインです。
ラベルも四葉のクローバーのイラストがキャッチーで可愛らしく、
非常にすっきりした味わいの1本。
値段も1000円ちょっととかわいい!
スクリューキャップだから
アウトドアにも良いですね。
このワインは播磨屋で購入可能です。




パプリカと一緒に黒オリーブもマリネ。
唐辛子の輪切りを加えてピリッとさせても

料理は

前菜がパプリカのマリネ

パプリカを焼き網でこんがり焼き、

皮をむいてオリーブオイルと塩で
マリネしてあとは冷蔵庫で冷やすだけ。
ワインビネガーを隠し味にきかせたり、
すりおろしたにんにくを加えても。
とにかく簡単です。








めざせ真っ黒焦げ


ちなみに、パプリカをどのくらい

焼くかというと……
右の写真に写っている、
まん中の真っ黒が目標です。

このくらいこんがり焼けば、

冷水につけて皮をやさしく引っ張るだけで
気持ち良いぐらいツルンとむけます。
じっくり焼いている間に、
中の果肉も蒸されてトロンと甘くなっています。

初夏から初秋にかけて、

海沿いのポルトガルのレストランでは、
炭火のコンロの上に鰯や鯵などと一緒に
大量のパプリカが真っ黒に焼かれていて、
皮をむいて塩をしただけのものが
焼き魚と一緒に出されたりしています。

じっくり焼くコツは、余計にいじくらないこと。

ほおっておけば勝手に焼けてくれます。



たこといもは、相性がいいんです
メインは
ポルヴォ・ア・ラガレイロ(たことげんこつじゃがいものオーブン焼き)
下にセロリなどの香味野菜をしいて
たことじゃがもをオーブンなどで焼きます。

これもほぼ焼くだけ。

簡単です。
簡単でおいしい、最高です。
コツはcakesの連載内でご紹介中です。
ご興味のある方は
ご覧ください。



さらにおいしいトマトがあったので、

香菜と合わせてごく簡単なサラダ(写真はありません)も御用意。
冷凍しておいたトマトを使うので、
蒸し暑い今の季節にピッタリです。





神戸「Village」の
野獣系シャルキュトリ―、おみごと!

デザートはポルトガルプリン。

スパイスをほんのりきかせた味は、
大人受けがいいんです。

さらにこの日は、

お客さまのお土産で驚きの逸品がありました。

なんと、 熊のサラミです。


くまですよ、くま!

ガオーの熊。

熊ってどんな味がするの?

ものすごく気になります。

薄く切って、赤ワインと一緒に。


……。


んっ、いけます!

ワインが進みます。

獣臭さ?ノー。

でも、タフな味と食感。
クセになるのはクセのある肉だから?

ちなみに、隣は鹿と鶏でした。

どれもスモーク具合が素晴らしくて
ワインが進み過ぎて困っちゃうぐらい。
Aさん、ありがとう!


熊サラミ、ありですね。

どこかで見つけたら、迷わずトライ!

ちなみに次回の「ポルトガル食堂」ですが、

7月は満席ですので8月の募集となります。
いずれかの土曜昼からを予定しておりますので、
興味のある方はこちらまでお問い合わせください。

さ、今晩はどのヴィーニョヴェルデを飲もうかなあ。

2014/06/16

7月の「ポルトガル食堂」満席となりました。

夏は毎日ヴィーニョ・ヴェルデ
毎月1~2回ペースで開催しております
「ポルトガル食堂」ですが、
おかげさまで7月26日(土)の回は満席となりました。
ありがとうございました。

スペースの関係上5名様までとなっており、
ご要望にお応えしきれなかったみなさん、すみません。

7月20日日曜日には、
都内で文庫の発売記念と絡めたミニワインイベントも
予定しております。
詳細が決まり次第ブログにアップいたします。

とりいそぎご連絡でした。

2014/06/13

大人と「孤独」

少し前の新聞で、
読者の投稿記事に目がとまりました。

学生の就職相談にのっているというその投稿者は、
ある日就活中の学生と面談をしていて、
「大人になるってどういうことですか」と戸惑いがちに質問されたそう。

学生は、
彼(または彼女)が通う大学のキャリアカウンセラーに
「もっと大人になりなさい」ときつく言われて
大学の窓口に行けなくなった。
だから投稿者は、
カウンセラーは学生を傷つけないように指導すべきでは、
と書いていました。


カウンセラー云々についてよりも、
私はこの投稿者が
「大人になるっていうことは」どんなことなのか、
なんと学生に説明したんだろうと、
そこばかりが気になりました。

「大人になるってどういうことですか」
こんな大きな疑問、
大人にだってよくわからないというのが、
実際のところのような気もします。

でもひとつ思うのは、
大人になるっていうことは、
もしかしたら「孤独」とうまく向き合うことなのかもしれない。


「孤独」について考えはじめたのは、
高校生の頃でした。

都内の高校に通っていた私は、
ときどき仕事帰りの母と待ち合わせて甘味屋さんに行き、
一緒に電車で帰ることがありました。

その電車の中でいろんな話をしたのですが、
あるとき
「人はみんな孤独なのよ」と母に言われたことがありました。
当時部活のジャズダンスが人生の8割を占めていて、
踊るか、友達と喋るかばかりの毎日だった私には、
「孤独」ということがよく理解できていませんでした。
だから「だって、みんな友達とか家族とかいるでしょ」と答えました。
すると母は「それでも、人は孤独なのよ」と言いました。

確かそのあとは、
「でもお母さん、今は私と一緒じゃん」とか、
これまた能天気な言葉を続けた気がします。

でも、そのとき母の口から出た「人はみんな孤独」という言葉は、
その後ずーっと私の頭の片隅に残り、
いつも反芻するテーマのようになりました。

やがてカトリック系の大学に入り、
神父の教授による「死の授業」という哲学の講義が始まって、
確かその最初の授業で、
家族について書きなさいと言われたのです。

浪人して19歳になり少しだけ大人になっていた私は、
「家族は欠かせない存在だが、結局人間は所詮ひとりで生きるものだ」と書いて、
意見を交換した隣の席の友人にドン引きされた記憶があります。

このとき私は、
どうして人は所詮ひとりで生きるものだと書いたのか、
どこでそういう考えになったのか、
よく覚えていません。
でも、それから今までずっと、
その考えは変わりません。

ただ、所詮ひとりで生きなければいけない人間だからこそ、
誰かの力が必要だし、
誰かに支えてもらったり、
誰かを支えなければ、
生きることを全うするのは難しい。
それは大学を卒業して、
社会人になり、
仕事をしていくうちに強烈に学んだことでした。

ひとりひとりの中にある「孤独」をしっかり意識しているからこそ、
人は人に頼り、頼られ、それを感謝や満足に変えて
気持ちのキャッチボールをするものなんだと。
そのキャッチボールが多ければ多いほど、
「孤独」は怖いものではなくなっていくんだと。

さらに、仕事ばっかりの社会人生活が続いた先に子供を産んだら、
今度は「孤独」にはまた違った種類のものがあることを
子育てしながら知ることになりました。

子育てをしながら感じた「孤独」は、
仕事中心の社会人の頃より、もっと動物的な感覚としての「孤独」です。
まるで自分が、
賑やかな草原の群れから遠く離れて、
水のある小さな岸辺でひとりぼっちで子を育てる
弱い生き物、みたいに感じたのです。
物理的に社会と隔絶されることで、
肌で感じる強烈な「孤独」です。

だからこそ、積極的に地域や社会と関わって生きようとするようになるし、
また、自分が社会全体に支えられて生きているということも、
身を持って実感するようになりました。


さて。
「大人になるってどういうこと?」
とこの先子供に聞かれたら、
私はなんて答えよう。

「孤独」とうまく付き合えるようになること。
そんな風に答えたいけれど、
でもこれって、
たとえば能天気な高校生時代の私にはさっぱり???な答え。
やっぱりこの質問、大き過ぎて答えるのが難しい。

でも、
いろんな「孤独」を知った先にこそ、
大人になるということへの答えが自分で見つけられるんだろうと、
今の私はそんな風に思っています。

それにしても、
この新聞の投稿者は
学生になんと答えてあげたのか。
新聞を閉じてもなお、
しばらく気になって仕方がなかったのでした。

大体、カウンセラーという人も、
何を意味して「もっと大人になりなさい」と言ったんだろうか。

と、もやもやと気になる箇所が多い投稿記事でした。

2014/06/10

6月7日の「ポルトガル食堂」

ピーマンの下味をつけた豚肉と
貝のだしの組み合わせは
まさしくポルトガルの味
梅雨入りして間もない東京は、
まだ雨に慣れていない感じ。

たっぷり振ってるなあ、
と思ったらさっと晴れて、
本格的な雨の匂いが立ちこめるには
もう少しかかりそう。
道端の鮮やかな紫陽花は、
もっと雨が欲しいと
雨待ち顔のようにも見えます。

そんな梅雨入り後の週末の土曜日、
自宅で「ポルトガル食堂」を開催しました。
お集まりいただいたみなさま、
雨の中ありがとうございました。

今回のメニューは
「たこのサラダ」
「豚とあさりのアレンテージョ風」
とオーソドックスかつ、
とてもポルトガルらしいメニュー。

アレンテジャーナはあさりではなく
はまぐりを使ってみました。
代々木八幡「クリスチアノ」の佐藤シェフが
はまぐりいいですよ、と言っていたのを思い出して。
確かに、食べごたえもあっていいだしが出るのです。

今回はフライパンで作って、
そのままテーブルに、ドン。
香菜をたっぷり振って。
香菜はシャンツアイ、コリアンダー、パクチーと使う国によって呼び方いろいろですが、
もしかして日本では、パクチーが一番伝わりやすい!?
タイ料理でよく使うからでしょうか。


今回は南蛮文化と日本の食文化の関係について、
熱く語ってしまいました。
ワインが入ると喋りすぎちゃうなあ
ワインは、
1本目のヴィーニョヴェルデ(緑のワイン)が
猫の絵でおなじみの「ガタオ」。
久しぶりに飲みましたが、
スッキリ爽やかで
やっぱり定番の安定感あり。

2本目の赤は、
アレンテージョの華やかな香りが楽しい
「air 2012」

このワイン、ラベルの蝶に工夫が。
羽根を起こすと立体的になるんです。
この「air」はヴィーニョヴェルデもあり。
私の夏の新定番です。

豚とあさりのアレンテジャーナに
アレンテージョのワインは、
同郷ゆえよく合いました。

デザートはポルトガルプリン。
秘密のアレをきかせています。




今回のゲストの方々も
面白いネタをたくさんお持ちで、
旅の気分を味わえました。

2人の方がトルコのヨーグルトドリンク「アイラン」を
海外のおいしかった飲み物として話したり。
「アイラン」飲んでみなきゃ。
トルコ料理食べに行こう。

それから、お酒が大好きな妊婦さんも参加。
とはいえお酒を勧めるわけにはいかないので、
エルダーフラワーの炭酸割りで、
気分だけヴィーニョヴェルデ体験していただきました。


7月の料理教室は26日(土)
お昼頃スタートを予定しております。
料理2品、デザート、コーヒー、
グラスワインつきで
5000円です。

ご興味のある方はこちらまでどうぞ
(人数が定員に達した場合はご了承ください)。



2014/06/02

ポルトガルの夏コラム

冊子の扉のクールで鮮やかな写真が、
これからはじまる梅雨のモヤモヤを
吹き飛ばしてくれそうです
アフタヌーンティー・リビングが
全国の店舗で配布している
「spice of a day」という
美しい小冊子があります。
暮らしのヒントがたくさん詰まっていて、
読みごたえのある濃い内容。


6月号のVol.2は
Summer in Azulという特集。

Azulはポルトガル語の青。
地中海性気候特有の眩しい夏の光に映えるような、
独特の覚めたニュアンスを持つ色とも言えます。

特集では、
ポルトガルにちなんだビジュアルなどを散りばめた
夏を楽しむための10のトピックが
紹介されているのですが、
その中でポルトガルの夏のパーティについて
小さなコラムを書かせていただきました
(ページ右下辺りにちょこんとあります)。

お店で見かけたら、
ぜひお手にとってご覧ください。

ちなみに、最近ではカジュアルな集まりを
ギャザリングとも呼ぶんですね。
知らなかった!

集まって食べる、愉しむ、そんな雰囲気を表現したキーワードのようです。
ホームパーティよりもっと気軽。
そうか、飲み会もギャザリングに言いかえると
軽やかに聞こえるのね。

うちでギャザリングする?
するする!