2012/12/19

2013.1.19.sat. 新春★ポルトガルのワインとおつまみの会を開きます

みなさんにお知らせです!


来年2013年1月19日(土)、

新春★ポルトガルワインの会を開きます!


豆からこだわったコーヒーやドリンク類も
種類豊富で迷ってしまうほど。
ワインを飲んだあとは、1階でコーヒー休憩も可能です
会場は、
浅草にほど近くスカイツリーもよく見える、
東京メトロ銀座線田原町駅から
徒歩3分のカフェ
『イリヤプラスカフェ@カスタム倉庫』
雰囲気漂うアンティークな店構えは、
中に入るとさらにかっこいい!
そしてどこかかわいらしさもある、
広々とした心地良い空間です。

こちらは今年10月にオープンしたての、
カフェ好きの間で話題のスペース。
パン好きには有名な、
『パンのペリカン』の裏です
オールアバウトのCafeページには、
カフェの詳しい取材内容が掲載されています)。

店内には、オーナーの今村さん
アメリカ・ポートランドから輸入した、
趣のあるアンティーク家具があちこちに。
このカフェの2階スペースが、
今回の会場になります。


浅草周辺のこのあたりは
人気料理店がひしめく下町エリアですから、
ワイン会のあとは、近所を散歩がてら食事も楽しめますよ。

さて、肝心のイベント内容は以下のとおりです。



ポルトガルのワインはお宝がいっぱい!

「ポルトガルのワインとおつまみ」

国内でも非常に珍しい、
ヴィーニョ・ヴェルデ+moreの試飲会です!

ショワショワと微発泡の爽やかなポルトガルワイン、
ヴィーニョ・ヴェルデを中心に
ポルトガルのおすすめワインを
カジュアルに楽しんでいただく会です。

ヴィーニョはワイン、
ヴェルデは若い・緑という意味のポルトガル語、
アルコール度数が10度前後と低めで
穏やかな味わいは和食にもよく合います。
いま、世界中から注目が集まっているワインです。



日時/2013119日土曜日 15時から19時まで(受け付けは18時まで)
場所/イリヤプラスカフェ@カスタム倉庫 2F
住所/台東区寿4711 東京メトロ銀座線田原町駅より3
03-5830-3863
入場料/ 予約2800円 当日3500
ヴィーニョ・ヴェルデを中心に10種類のポルトガルワインがテイスティングできます。
★簡単なポルトガルのおつまみがつきます。
★別料金で、スペシャルなポルトガルワインの試飲も予定しています。
★ポルトガルワインに詳しいスタッフがおります、気軽にいろいろお尋ねください。

予約はこちらからどうぞ!
ポルトガルのワインとおつまみ事務局
vinho@ymail.plala.or.jp

ちなみに、ヴィーニョヴェルデはこんなワインです。
爽やか、フルーティー、微発泡で
飲み疲れないワインです
・facebookや通常メールを通じて、馬田宛の直接お申し込みでも大丈夫です。
・ワインの準備がございますので、ぜひお早めにご予約ください。  
・予約の際は、参加者全員のお名前をフルネームで頂戴いたします
事前に伺えない場合、当日料金になってしまいますのでご了承ください)。





試飲ワインやおつまみメニューは、
決まり次第このブログでご紹介していきます。
お楽しみに!

   

2012/12/15

発売中「料理男子」の甘いおつまみ!

「料理男子」最新号は、おつまみa GO GO!
どっから見てもおいしそうな、
おつまみだらけの1冊です。

ひとりでも、
みんなでも、
パパッとでも、
じっくりでも、
どんな要望にも応えてますねー、
うーん、使える! 


つまみの表紙がおでん!と一瞬びっくり。
たしかに、日本酒でもビールでもいけるなあ
私はおでんのつゆでうどんを食べるのも好きっ

チヂミとか、
餃子とか、
鍋とか、
そういうちゃんとお腹いっぱい系もあるし、

ぬるだけつまみとか、
パンに寿司ネタっぽい具材をのせる(デンマークの手巻き寿司!) とか、
なにそれ! とびっくりしつつも
おしゃれ感もあって、
作ってみたくなる簡単さもいいなあ。


人が集まる機会が増える年末年始、
この1冊があれば、
ああ、何つくろうかと慌てずにすみそうです。


さて、私が今回担当したのは、
「甘いよ、おつまみ。」
初台『マチルダ』の美人姉さん、
町田さんにメニューを考えていただきました。


赤いイントロ部分にちらちら写っている甘いものも、
実はお酒に合うおつまみ。個人的には、
柿ピーチョコのカフェオレ味に、
COEDOビールの青い「瑠璃」がおすすめコンビ。
それと、メリーチョコレートから発売中の
パチパチキャンディー入りチョコ(これは受ける!)が
おもしろかったなあ。しゃべってないのに口の中で
パチパチうるさいんだもん。ネットで買えます

えーっ、甘いので飲めるぅ?
という顔をしているあなた、
飲めるなんてもんじゃないですよ、
クイクイ、グビグビです。

甘い、を作るのは、お砂糖だけじゃないんですよね。
果物も大活躍。
果物の甘味って塩気や辛みや酸味の中に紛れると、
じわじわその実力を発揮して、
甘みってうまみだ!っていう感覚を思い出させるんです。

この企画を経験後、
フルーツの消費量が増えました。

朝むいて切るだけの食べ方だとそんなに食べられないけれど、
つまみに使うと俄然食べられる!

その代表的なメニューがこれ。


柿っておいしい!とこのサラダで心の底から感じました

柿と生ハムのサラダです。
生ハムのかわりに、こんがり焼いたマイタケを使ってもおいしいと町田さんから聞いて、
マイタケ好きな私、早速作りました。

柿の甘味とマイタケの旨みですでに高度なつまみの味が完成!
さらにルッコラのほろ苦旨みと一緒にすると、
私のデイリーワインである、微発泡のポルトガルワイン・ヴィーニョヴェルデはもちろん、
薄旨系赤ワインにもよーく合います。
味つけは塩とオイル、ビネガー、好みでにんにくやコショウも
(塩とオイル、ビネガーだけでも十分!)
ただ、おいしく作るにはちょっとしたコツが大切なので、
詳しくはぜひ雑誌でチェックしてみてください。


そして、町田さんのお店『マチルダ』で大人気の甘つまみ
ナッツキャラメリゼのレシピもあり。
このほろ苦甘つまみ、
年末年始のパーティでは、間違いなく受けると思います。
それも、デザートタイムではなく、
つまみタイムの間にさりげなく出すのが大事。

カリッと香ばしくホロ苦甘なナッツと、
マスカルポーネのふわっとやさしい甘さ。
気づくとこればっかり食べちゃいそうです。
しかも、つくり方が意外なほどに簡単。


香ばしさと甘さをどうやってつまみに生かすか
パティシエールだった町田さんならではのおつまみです

おまけにこの甘つまみ、
しっかり乾燥させ、さらに乾燥剤を入れた容器で保存すれば、
1週間近くおいしくいただけるそう。
忙し時期には、作りおきできて大活躍です。

この甘つまみの要である
絶妙なほろ苦加減を成功させるには、
ぜひ本でポイントをチェック!
きっとおいしい楽しい時間を演出してくれます。

あー、私もこれつくって飲みたい。
それとも、『マチルダ』に飲みに行っちゃう!?

いやいや、ガマンガマン。
もうちょっと仕事してから!

2012/12/13

ポルトガル取材 ヴィーニョヴェルデ編 その4

10/17の前回からちょっと時間が経ってしまいましたが
ようやく続きが書ける!
ヴィーニョヴェルデをめぐる旅の話しの続きです。


ポルトガル最北の町メルガソでは2軒ワイナリーを訪ねましたが、
2軒目がここREGUENGO DE MERGACO』です。

ワイナリーのメインの建物は16世紀に建てられ、
その後多数の有力者の手に渡ったマナーハウス(荘園の地主が住む家)を
近年宿泊施設に改築したもの。



赤、紫、黄、オレンジなど、季節のカラフルな花がさりげなく、
でもちゃんと計算されて植えられていて、
自然の色のニュアンスに目も気持ちも安らぎます。


この宿になっている建物の裏には、なんとプールが!


山とブドウ畑の緑に囲まれたプール。しかも空気もワインもおいしい!

夏は周囲に広がるブドウ畑をバックにプールで泳いで、
なんだったらプールサイドでヴィーニョヴェルデも飲めるぜぃ、
という素敵な環境でした。

でも10月は泳ぐにはあまりに寒い。今回は眺めるだけに。
きっと夏は気持ちいいんだろうなあ。

卵の色だけでこの黄色です。トウモロコシ粉でも
加えてるのかと思いました

ここの宿の朝ご飯で出てきたボーロ(ケーキ)が忘れられない味でした。
見た目も味も素朴の極み。
ふとしたときにこういう味に会えるからこそ、
私はポルトガルのファンなのかもなあ。

ほんのり甘くて、やさしい卵の風味いっぱい。
しっとりではなく、かむとぼろぼろ崩れるタイプ。
このぼろぼろが、いかにもポルトガルだと思います。

これとはまた違ったポルトガルのお菓子にパオン・デ・ローという焼き菓子があり、
それがカステラの元祖(スペインのビスコチョもですね)と言われていますね。
あ、パオン・デ・ローの話にも、
今度ブログで触れようっと。

宿泊した建物のある敷地内に、
ワインのテイスティングができる建物がありました。
朝ご飯が終わったら、早速ヴィーニョヴェルデを試飲。

おもしろいほどに、色のトーンが変化しています

こちらのワイナリーは
「REGUENGO DE MERGACO」というブランド1種類に絞って
毎年ワインをつくっているそう。
カジュアル版とか、
限定版とか、
そういう種類分けもなくこれ1種! 
んー、気持ちいいほどに潔いですねえ。

部屋の中には、ブドウの皮からつくる蒸留酒、
アグアルデンテ用の古い器具もありました。


ボトルの雰囲気やラベルのデザインもかなりモダン。
私の普段接している
カジュアルなヴィーニョヴェルデの雰囲気とは全く違うので、
ちょっと驚きました。
こんなスタイリッシュなヴェルデも、いいですね。

そしてなにより他のヴィーニョヴェルデと一番違う点、
それは発泡しないということです。

飴色に変化しているヴィーニョヴェルデ!

無発泡のヴィーニョヴェルデは、
いわゆる普通の白ワイン。
これは、アルバリーニョという
このメルガソと近隣のモンサオンという地域で栽培が限定された、
高品質なブドウを使ったもので多くつくられています。

アルバリーニョというブドウについては、
10/17のブログで訪ねた「Quinta de Melgaco」でも書きましたが、
他のブドウのような早飲み向きというよりは、
寝かせて熟成を楽しめるタイプ。
ワインをつくる人の言葉でいえば、
ポテンシャルの高いブドウなのです。
だから、独自の瓶内発酵で微発泡に仕上げるのではなく、
通常のスティルワインのようにマロラクティック発酵を経てさらに寝かせ、
熟成を経たワインの風味や奥深い香りを楽しむというわけ。

それは、飲んでみるとよくわかります。
この3本は2007年、2010年、2011年とつくった年が少しずつ違うのですが、
熟成を重ねると香りにふくよかさが出て、ほんのり香ばしさもある。
すっきり爽やかないわゆるヴィーニョヴェルデにはない、
豊潤さがあります。

まるみのある白ワインを飲みたい時は、
こういう熟成タイプのアルバリーニョもいいなあ。
ちょっとクセのあるブルー系のチーズなんかも、
これなら合いそう。


あ、そもそもヴィーニョヴェルデは、
ヴェルデ(緑)という名前はあるものの、分類上は白も赤もロゼもあるスティルなので
発泡しないからヴェルデじゃないとか、

そういう認識自体がずれているのです
(ワインの師、セニョール・カルロスに言われました)。

が、私にとって、
やっぱりヴィーニョヴェルデは発泡していて欲しい存在なんですね。
というより本音を言えば、
発泡しないヴィーニョヴェルデにはあまり思い入れがない!
おいしいのはよくわかっても、
なんで君は発泡しないの? って、まずつっこみを入れたくなっちゃうんです。

同じような話を、移動中の車の中でカルロスに言ったんですが、
しばらくうーんと唸った後、彼は
「あのさ、なんでサヨーリ(彼が私の名を呼ぶときはそう聞こえるんです)は
そんなに発泡してるワインが好きなの?」
と逆に不思議そうに聞いてきました。

セニョール・カルロスと弟子の私。
これからワイナリーあと3つまわるぞ!
「だからね、発泡してるから好きっていうんじゃなくて、
ヴィーニョヴェルデは微発泡のショワショワじゃないと
物足りないのよねー」と話したんだけど、
カルロスは
「……フーン」って感じ。で、
「でもさ、サヨーリはフランスやイタリアや、他の国の白で好きなものにも発泡が必要なの?」
とまたまた質問されます。

「やや、そんなことないのよ。発泡してない白も大好きだし」
「それならヴィーニョヴェルデだって普通の白ワインなんだから、発泡してなくてもいいんじゃない?」
「ん、えーっとですね、そのつまり……」

この先は、ニュアンスも含めた話をしなきゃならないので、
言葉が詰まってきます。

「ヴィーニョヴェルデが白ってことはわかってるけど、
でも微発泡でショワショワしてないと、ヴェルデって思えないの!」
「ヴェルデも白ワインなのに?」
「そうなんだけど、ヴェルデは私にとっては、白っていうより、ヴェルデなの!
ほら、緑とか若いって意味でしょヴェルデは、それとイメージが近いの」
「OKサヨーリ、それはわかったけど、でもアルバリーニョの白もおいしいから、
ヴェルデとしてちゃんと興味持ってね」

カルロスの、アルバリーニョへの愛やプライドも伝わってきます。
そうだよね、だって普通の白としてなら、
おいしいワインだもん。

でもね、
でもですね、
やっぱりヴィーニョヴェルデは、
ショワショワしてないとイヤなんです。
そう、イヤなの!

あ~、セニョール・カルロス、
この日本人女性の気持ち、わかって欲しいなあ~。

2012/12/11

「dancyu」1月号、リニューアルしましたよ!

読みごたえあります!
もう1週間近く過ぎてしまいましたが、
「dancyu」1月号が発売になりました。

実は「dancyu」,
今月からいろいろとリニューアルされているんです。
長年愛読されてきた方には新鮮かもしれません。

今月号、手に持っていただくとよくわかりますが、
厚みもあって読みごたえもたっぷり。
店選びから家呑みレシピまで、
あなたの年末年始を盛り上げます。


わたしはこの中の
「家呑みアップグレードBOOK」を担当。
いろんな方のおつまみを取材しつつ、
これにはあのワイン、とか
こっちにはあのビールとか、
ずーっとエア呑みが止まりませんでした。





扉に写っているのは、
坂田さんの家呑みで大人気の
スパイシーな春巻き。
ミントと一緒にかじると、
テンションがぐんと上がるおいしさです
家呑みは好きだけど料理はやらないからさ、という人も
きっといるかと思います。
が、これは読んでるだけでも楽しいです
(自画自賛です、ごめんなさい)。

またはこれを渡して、
食べたいものをつくってもらうというスタイルも
ありかもしれません。

肉でボリューミーに呑みたい方は、
銀座「マルディグラ」の和知さんの
肉祭りの家呑みレシピを!
私は和知さんの男のフレンチトーストも大好き。
甘くないんです。完璧なつまみトーストなんです。

発想のおもしろさで味の冒険をしたい方は、
銀座「ロックフィッシュ」の間口さんの
びっくりおつまみフルコースを!
間口さんのシュワシュワ炭酸ラーメン、
締めに最高です。

ボリューム系野菜つまみで飲みたいあなたは、
料理研究家の坂田阿希子さんの
家呑みサラダを!
ニンジンの四川風サラダ、
いろんな飲み物がたっぷり飲めちゃう、
危険なおつまみです。
でも野菜だから、体にも優しいの♡


レシピだけでなく、
家呑みパーティするときの
コツもちゃんと伺っております。
なーるほどね、と
すぐマネできちゃうアイデアも。

今年もあっという間に12月半ば、
まだまだもう二踏ん張りはしないと。

がんばるぞ、おー!

2012/11/21

寒い日のおつまみに「ピポグラタン」

うーっ、寒くなってきましたね。
「冬が来るぞー!」
いよいよ寒さが増してきたと感じると、
思わず言いたくなってしまいます。


それにしても、

夏が来るぞー!ならなんとなくワクワクするけれど、
冬が来るぞー!だと、どうもワクワクしにくい。

空気がきれいになって景色がきれいだとか、

コートやセーターのおしゃれが楽しいとか、
グツグツの鍋がうまいとか、
熱燗キューっとがいけるとか、
プラスの面もあるにはあるけれど、
でもやっぱり、
寒いのはいやだなーという気持ちは隠しきれないのです。

そんなわけで、冷えて疲れて家に帰ったら、

ほっと体があたたまるものが食べたい。


ワインは「カポエイラ」というポルトガルの白。
魚介系の料理によくあいます。
ラベルのガロ(雄鶏)もかわいい。


私が最近よく作るのは、この写真の料理。

「ピポグラタン」です。

元はポルトガルの干しだらを使った料理で、

正式な名前は
「Bacalhau a Ze do Pipo(バカリャウ・ア・ゼ・ド・ピポ)」
訳すと、ゼ・ド・ピポのバカリャウ(干しだら)料理、という感じ。

ゼ・ド・ピポは、かつての有名料理屋の主人のニックネーム。
彼の考えたこのレシピはポルトガル各地で人気を呼び、
全国的な定番料理になったそう。
家庭でもレストランでもよく見かけます。

ちなみに「ピポグラタン」は私が勝手につけた名前です。
ピポって音が、かわいらしい雰囲気。
でも、ゼ・ド・ピポって、実際はどんな顔した人だったんだろうか。
いかついおじさんかな。

以前お邪魔したポルトの家庭でも、
大勢が集まる食事の席に大きな器で登場し、
そのボリュームにたじたじになったことがあります。
ほら、ドーン!




マッシュポテトの海で泳ぐ、バカリャウ(干しだら)。

そんな第一印象でした。

さて、私のレシピは干しだらの代わりに甘塩のたらと、

じゃがいもをメインに非常に簡単につくります。

それから、
このグラタンには大事な大事な隠し味があります。
それは……

詳しいレシピは、
cakesに連載中の「とりあえずビール!」でご紹介します。
明日11/22(木)にアップしますので、
ぜひ覗いてみてくださいね。

つまり、よかったら連載見てくださいねというお招きなのでした。


隠し味、気になります?

みなさんの冷蔵庫にもきっとある、アレですよ、アレ。
ムフフ。

2012/10/29

『トーキョーバルネクスト』片手にバルホッピングを!

カバーに写っているワインは、
リーズリングのスペシャルな自然派です!
このところ年末年始の号の撮影ラッシュです。
フリーランスにとって、
忙しい事は
本当にありがたい。

生きる勇気が湧きます(まじめにね)。

なので、
ポルトガルのワイン取材ダイジェスト、
ちょっとお休み中です。
でも、ちゃんと続きを書きますからね。


さてさて、素敵な本ができましたよ。
『トーキョーバルネクスト』
柴田書店さんからです。
編集者のYさん、お疲れさまでした。
私もこれから熟読します!







東京のバル・バール文化って、
多様化っぷりがおもしろい!

つまみ充実系、ピッツエリアだけどバル的、
腕きき料理人やソムリエの小劇場のような
ドラマのある店、女性目線で居心地バツグンなどなど……。

小ぶりな店が増えているのも特徴ですね。
これからの季節、ワインのつまみもさらにおいしくなりますから、
この本を片手に、あなたのお気に入りを見つけて下さいね!

ちなみに私のお気に入りは……
むフフ。
お店で偶然、お会いするかも!?


2012/10/19

ポルトガル料理のレシピin「cakes」

「チーズパリパリ」
先月から
「とりあえずビール!」という
お酒とおつまみの連載を
させていただいています。

ウェブ上の
https://cakes.mu/
というサイト内で、
毎月第2.第4金曜日に
アップしています。



ヴィーニョヴェルデ
「カザルガルシア・ブランコ」



何を書いているのかというと、
好きなお酒と、それを飲みながらつくれる、
かんたんなおつまみの紹介。

普段飲み、家飲み、ときどき外飲みの内容ですが、
安くておいしくて簡単がモットー。

ポルトガルに入れ込んでいる今は、
アイデアの源はポルトガル料理ばかり。
何を見てもそうなっちゃう。

あれがおいしかったから、
スーパーマーケットで買える食材で
再現しよう。
そんな風に考えて、
簡略レシピを考えています。
結構面白い作業です。




ワインはいまのところヴィーニョヴェルデを中心に
いろいろ紹介中。
やっぱり安くておいしいっていう部分が大事です。
毎日のことですから!



「ピピッシュ」
つまみはビール、ワイン、日本酒など
全方位型を目指しています。


適当につくっても
失敗をしにくいような
シンプルなおつまみレシピなので、
分量も適当でできるものが多いです。


左はポルトガルのモツ煮。
ワインによーく合います。







「砂肝の○○炒め」

左はビールもワインもOKの
炒めるだけのつまみ。

ある調味料を使うと、
けっこう新鮮な味になります。












「さくさく天ぷら」
これも、適当につくって大丈夫な
さくさく天ぷら。

しかも、
揚げ油も大さじ数杯程度でできます。

と、こんな感じのつまみ連載、
もし詳しいレシピが気になりましたら、
ぜひ「cakes」
バダサオリと検索してみてくださいね。

次回10/26(金)にアップする
第4回の連載は初の外飲み編。
安くておいしい、
粋でいなせな飲み屋さんを取材しています。
飲みに行かなくても、
行った気分になってもらえるといいなあと思いつつ
レポートしました。

お楽しみに!

2012/10/17

ポルトガル取材 ヴィーニョヴェルデ編 その3

ギマランイシュの
「ADEGA COOPERATIVA GUIMARAES」
の次に訪ねたのは、
ポルトガル最北、
スペイン国境でもあるミーニョ川沿いの町
メルガソにある
「Quinta de Melgaco」
メルガソブドウ農園、
いや、メルガソワイナリー。

メルガソには夕方頃に着いたのですが、
最北ともなると結構寒い!
10月1日とまだ秋がはじまったばかりなのに、
みんなしっかりした上着を着て作業していました。

このメーカーは周辺約500の農園と契約していて、

今は収穫の最盛期。
夕方になっても手摘みされたブドウが
どんどん運ばれてきます。
だからあたりが暗くなるこの時間でも、
トラックがブドウを次々と運んできていました。




ブドウを手摘みする理由はいくつかあります。
まず手摘みだと、機械に比べて
ブドウそのものにダメージを与えにくいから、
結果的にワインの質が良くなる。
また、このミーニョ地方のブドウ畑は
そもそも規模が小さいものが多く、
機械を導入することが物理的にムリ
という面もあるそう。

例えば左はミーニョ地方のある地域の写真ですが、
ぐるっと見渡せるほどの小さな畑の周囲に
ブドウの木が囲いのように張り巡らされ、
そのまん中では、トウモロコシやジャガイモ、
コーブ・ガレガ(ポルトガルでよく食べる結球しないキャベツの一種)
などの野菜類が植えられています。

ひと昔前まではこういう条件下でのブドウ作りが多かったそうです。
ひとりひとりの畑が小さい中でいかに多くのブドウを植えるかという、
苦肉の策だったそう。
しかし時代は移り変わり、
今はそれぞれがブドウ専門の畑を持つようになった。
でも、手摘みの方法は変わっていないというわけ。

マセレーション24時間後の果汁をちょっと味見。
まだまだブドウジュースの段階です。
このメーカのワインプロデューサー
(ワインの味を決める責任者)は
女性。メルガソだけではなく、
各地で女性プロデューサーに出会いました
ブドウを集めたら
醸造所ではブドウの粒がついている
小さな枝をはずす除梗(じょこう)、
さらにブドウをつぶす破砕(はさい)の作業を経て、
皮と果汁と種の混合物がつくられます。
ここまではなるべく早く、
ブドウを酸化させることなく、
大至急の作業です。
それらを一定時間、良い条件のもとで
混合物を漬け込んだまま寝かせま(マセレーション)。

ポルトガルでは、
私が見たワイナリーはすべてステンレスタンクで
マセレーションを行い、
温度管理も厳密に徹底されていました。
タンク内の温度を計る装置は当然標準装備で、
一か所に計器が集められていて常にチェックが可能。
おいしいワインをつくるには
もはや当たり前の機能です。


マセレーションの間に果汁が発酵すると
その熱で果汁の温度も上がり、
ワインが劣化してしまいます。
だから温度管理は非常に重要なのです。

ワインづくりには、

・ブドウの質
・地質と天候
・醸造中の温度管理

この3つがとても大切だと、
どのワイナリーのワインプロデューサーも口を揃えて話していました。

さて、このメルガソのヴィーニョヴェルデは

何が一番の売りかといいますと、
アルバリーニョというブドウです。

アルバリーニョは、ほかのブドウとちょっと扱われ方が違います。

まず産地が限定されていて、このメルガソと、隣のモンサォンでとれたものだけが
アルバリーニョと認められ、ワインボトルにブランド表記することを許されます。



アルバリーニョ100%のエシュプマンテ
(スパークリングワイン)。
泡とともに、リッチな香りが広がる

どこがそんなに特別なのか。

決定的なのが味です。
このブドウは早飲みタイプのものではなく、
寝かせて熟成を楽しんだりすることのできる、
ワイン業界の人の言葉を借りれば
〝ポテンシャルの高い〟ブドウです。

実際、このブドウでつくったワインは

他のフレッシュなものと比べるとかなり芳醇。
グラスに注ぐとアルコールも強く、
香りに芯の強さのようなものを感じるリッチさがある。
あきらかに他との違いを感じます。

アルバリーニョというブドウは、
ポルトガル北部と隣接するスペインのガリシア地方の
リアス・バイシャス地域でも同じように育てられていて、
やはり市場価値の高いワインを生み出しています。






瓶の中で1年間熟成させた
ヴィーニョヴェルデは品のある香り

一概には言えませんが、
1ユーロを100円に換算して例を上げると、
テーブルワインとしてのヴィーニョヴェルデが
一般に1本だいたい300円前後だとすると、
アルバリーニョ100%のヴィーニョヴェルデは
1000円以上のものもあります。
ちなみにガリシア地方でつくられているアルバリーニョの白は
もっと値の張るものもあります。

話は少し逸れますが、

日本のワインはどうしても他国と比べると
値段が高くなってしまいます。
輸入ものが大多数というのが
その大きな理由でしょう。
輸入だと元々の価格に税金や輸送費その他が
イヤでもドンとプラスされますし、
最初からつくられる量が限られている希少品には
当然さらに付加価値がつく。
仕方がないことなのですが、
私たち日本人はこのせいで
ある程度ワインの値が高いのに慣れてしまっている。
だからヨーロッパなどで500円以下のワインを見ると、
大丈夫なの?とちょっと警戒してしまう人も少ない。

でも物価の安いポルトガルやスペイン、

イタリアなどに行くとつくづく感じます。
ワインが日常の飲み物の国では、
1000円以下のワインのバリエーションはかなり豊富で、
そのあたりがデイリーワインの一般価格。
つまり、その価格帯で味を競っているものが多い。
酒屋さんやスーパーマーケットに行けば一目瞭然です。
だから同じ500円のワインでも、
日本で買うのとブドウ産地の国で買うのとでは
かなり意味も内容も違います。

何が言いたいのかというと、
500円でも本当に安くておいしいワインがごろごろあるヨーロッパは、
実に羨ましいなあ、ということです。


話をアルバリーニョに戻しましょう。


つまりアルバリーニョはポテンシャルの高い、
ビジネスチャンスの広がるブドウなのです。
だからこのメルガソやモンサォンの人々が
アルバリーニョを大切にしている理由もよくわかります。
高品位ワインは、市場価値も高い。
いかにおいしい白ワインに育てるかも、
ワインプロデューサーの腕次第です。

メルガソのアルバリーニョ、
南魚沼のコシヒカリ、
大間のマグロ、
明石のフグ、
京都のタイザガニ
(なぜか魚介類ばっかり浮かんでくる……)

産地がブランドになるには、
やはりおいしいという決定的な理由があるということですね。
当たり前のような話ですが、
これって基本的には、
自然からの贈り物なんですよね。
いただきます、という言葉の意味を
あらためてかみしめたくなりますねえ。




血を使った腸詰は味に深みがあります。
塩気はそれほど感じません
さて、夜はこちらのヴィーニョヴェルデを持参して近所のレストランへ。
北部ミーニョ地方の食卓には
腸詰やハムが欠かせません。
席に着くなり前菜の肉類が
どんどん並べられます。

この黒いのは、豚の血を使った腸詰
「ショリッソ・デ・サング」。
真っ黒なのではじめてみる人は
ちょっと驚くかもしれませんが、
こくのあるしっとりした腸詰です
豚の血の一滴まで残らず料理に使うのは、
ポルトガルのみならず、
ヨーロッパでよく見る調理法です。





マイルドな塩気。上に乗っているのはヤギのチーズ

それから生ハム。
北部のBisaroという豚を使っていて
柔らかく、豚肉のうまみと甘味もしっかり。
なんかしょっぱそう、と思いましたか?
いえいえ、これがほど良い塩加減なんです。
お昼どきなら、
パンにこのハムとチーズだけで
十分に満足できそう。








はじめた食べた、皮なしアリェイラの素揚げ!
もう一度食べたい
そして、今回食べたものの中でも
印象的だったのが、
皮なしアリェイラの素揚げ。
皮なしの素揚げは珍しく、
お店のオリジナルだそうです。

アリェイラとは、豚の腸詰を模した
鶏肉とパンを使った腸詰で、
ポルトガルではかなり一般的な食材です。

この腸詰はストーリーがあります。
かつてキリスト教徒を装って
暮らしていたユダヤ教徒が、
自分達が本来食べられない豚肉の腸詰を
日々食べているように見せかけるために、
鶏肉とパンを使って
このアリェイラをつくったそう。
普通の腸詰のように軒先につるして、
私たちはユダヤ教徒ではない、とさりげなくカモフラージュしたと聞きます。

この店ではそのアリェイラの皮をとり、
オリーブ油で揚げていました。
パンと鶏肉をよく練ってつくったアリェイラの素揚げは、
むっちりとした食感とまわりのサクサクがおもしろいバランスで、
香りがしっかりあるアルバリーニョの白にもよく合いました。



鍋は直径約35センチ、深さ約15センチ。3人前です
そしてこの日のメイン。
肉ばっかりだったので、
どうしても魚と米の料理が食べたくなった
私の願いがかない、
「アローシュ・デ・タンボリゥ」
あんこうのリゾットになりました。

かわいいデザインの
北部らしい赤茶の陶器に入って、
登場です。
フタを開けると……








野菜と魚介の風味いっぱいのアンコウ雑炊。
ヨーロッパのはじっこで、
こんなに日本人好みの料理があるなんて!

はい、どうぞ。

トマトや野菜、魚介のスープがたっぷりです。
アンコウも大ぶりに切られた身が
いくつも入っていて、
下の方にはおいしいスープを吸ったお米が
これまたみっちり入っています。
何合分入っていたんだろう、
ああ、聞けばよかったなあ。







料理を持ってきてくれた店主のサビーノさんが
「好きなだけ食べてね、おかわりもあるよ」とにっこり。
ギマランイシュでおかわりの意味を学んだ私は、
もうおびえることはありません。

でも、やっぱり
「おかわりちょうだい」とは怖くて言えません!

~つづく~