2015/03/31

3月28日の「ポルトガル食堂」

本日のメニュー
今年の桜はちょっと早め?

隅田川沿いの桜も次々と咲き出し、
春の陽気が気持ち良い週末。
我が家で月に数回開店する「ポルトガル食堂」でも
話に大輪の花が咲きました。


今回のゲストは、
ワインが大好きな方ばかり。
ポルトガル料理にワインは欠かせない存在なので、
私も嬉しくなります。
基本の2本以外にも、
万が一足りなくなったらと
予備をいろいろ揃えました。


飲む人の特徴その1
料理はおかずとしてではなく、
おつまみとして見る。




ラベルのデザインはモダンです
飲む人の特徴その2
料理をしている途中の素材でも、
「それに塩振ってすぐ食べたい」など、
おつまみ探しに余念がない。

飲む人の特徴その3
開いているグラスを見つけると、
すぐに足す。

以上、今回のゲストのみなさんに共通していた、
非常に理解しやすい行動パターンでした。
私もまったく一緒ですねえ。

テーブルについたらまずは飲もう!ということで、
最初にヴィーニョ・ヴェルデで乾杯。
今日のワインは「アフロス」(美の女神・アフロディーテから)
のローレイロという、
ポルトガルの地ブドウ・ローレイロ100%のワイン。
香りの良く、爽やかで、コクもあり。
オーガニックな製法のワインです。





あつあつでも、冷めてからでも
 ひと皿目は、
パンとアスパラガスを一緒に炒める
ポルトガルの家庭料理「ミーガシュ」。

にんにくやビネガーが味の核になっていて、
これは仕上げに卵でとじるレシピ。

ミーガシュは、残ったパンが素材の主役。
ボウルで和えるだけの軽いサラダ風から
オリーブオイルたっぷりで炒めるもの、
豚の脂ですっかりペースト状になるまで炒め練るものと、
バリエーションが豊富です。
いずれも、豆や肉、野菜などいろんな食材と組み合わせます。

古い時代は、パンが余っても冷凍などできなかったわけで、
残ったパンは悲しいかな日に日に固くなっていく。
これをどうおいしく食べるかは
パンが主食文化圏の国々では
きっと死活問題だったんだと思います。
だからポルトガルには、
ミーガシュ以外にもパンを使うスープやデザートなど、
パンレシピは豊富です。




ポルトガル料理を知るのに
おすすめのひと皿
メインは「豚とあさりのアレンテージョ風」。
ポルトガル料理が初めてという方が多いときは、
必ずお出しする料理です。

パプリカで下味を付けた豚とあさりを炒め、
揚げたじゃがいもを絡めます。
本当は、熱いうちに刻んだコリアンダーをたっぷり和えるのですが、
今回はコリアンダーが苦手なお客様がいらしたので
別添えにしました。
追いがつおならぬ、
追いコリアンダー、です。

そういえばこのコリアンダー、
なんと呼んでいますか?
タイ語のパクチー?
中国語の香菜(シャンツアイ)?






同じハーブですが、
国によって呼び方が違いますよね。
ちなみに日本での和名はコエンドロ。
鎖国い以前にポルトガル人が伝えたため、
ポルトガル発音の「コエントロ」が残ったもの。
こんなところでもポルトガルとの古からの縁を感じます。



少量でも、甘さに満足
デザートは
天国のクリームという意味の
「ナタ・デ・セウ」

黄色い部分は、
ポルトガルのお菓子によく使われる卵黄のクリーム、
白い部分はあれとあれをミックスした
ふんわりしたクリームです。
間に挟んでいるのは
砕いたマリービスケット。

スプーンですくって3つを一緒に口に入れます。
このハーモニーがたまりません!

ポルトガルのスイーツには、
マリービスケットを使うものが
結構多くて、
ケーキのように仕立てるものもあります。
どうしてなのか。
ポルトガルのお菓子職人さんなどに何度か聞きましたが、
結局誰もよくわからない。
分かる人がいたら、教えて欲しいです。


1日中ポカポカ陽気だったこの日はお花見日和でもあり、
参加された方々は隅田川の桜を堪能して、
その後ビアホールで二次会を開いたとか!

天気が良くて桜がきれいなら、
そりゃ飲みますよねー。
私も追っかければ良かったなあ。
次回の二次会は参加します!

2015/03/30

リノベーション その⑥ 部屋の印象を決める床と壁

どんな部屋に住みたいか。
どんな部屋が心地良いか。

そもそも、自分にとっての心地良さって何?
広さ?
温かさ?
明るさ?
自然素材?
便利さ?
シャープさ?
カッコよさ?
カラフル?
ナチュラル?
モノトーン?
モダン?
シック?
ヴィンテージ感?
こなれ感?
?????

リノベーションでも新築でも、
自分の好みの空間を作るには、
まずはどんな感じにしたいのかというイメージが欲しい。
でもこれって意外と曖昧。
自分の嫌いなものははっきりあっても
好きなものってたったひとつじゃないから、
一定の方向性を決めるまでは
あれこれ迷いがち。

そんなとき、参考程度でいいので
自分好みの空間のイメージを具体的なビジュアルで掴んでおくと、
リノベーションに関する選択と決断が、
スムーズになると思います。

たとえば
映画のシーンで見た家、
写真集で見た部屋、
以前訪ねたホテルの空間、
おしゃれな友人の部屋、
気になるカフェの設え、
旅先で入ったレストランの雰囲気、
美術館や博物館、
ライフスタイルショップなど、
思いがけず自分のアンテナにひっかかった空間ってありますよね。


私の場合は、

写真はMIMOCAカフェHPより
香川県の丸亀市にある
「丸亀市猪熊弦一郎美術館」のカフェ
「カフェレストMIMOCA」がそうでした。
覗いた瞬間に、
この空間に住みたい!と
思いました。

スペースを囲う大きな窓からは光が入り、

白い壁と天井、木の壁面
床は一面スカイブルーの絨毯。
その上で、プリントされた猪熊さんのイラストが遊んでいます。
壁には猪熊作品がさりげなく飾られています。
そこここにおかれた家具類は、
サイトの紹介によると

店内のインテリアはイサムノグチ、剣持勇ら猪熊弦一郎にゆかりのある作家、

あるいはアルヴァ・アールトやハンス・J・ウェグナーや猪熊と同時代に活躍した
デザイナーがデザインした家具を中心に構成されています。

とのこと。

無垢の素材のものや有機的な形のソファなどが点在し、
やさしい雰囲気と遊び心が感じられる
穏やかな空気が流れる空間でした。

印象をひとことで言うと、
温かみのある箱のような場所。
光と、やわらかい質感の床と、心地良い白さに、軽やかな遊び心。
そっくりそのままを部屋に投影するわけではないけれど、
雰囲気は意識したい。

そこからまず、床と壁を考えました。
部屋の面積で最も広い部分ですから、
ここが決まると部屋全体の雰囲気も決まってくる。
床はやわらかさが出る絨毯に、
壁は、白さが気持ち良い漆喰や珪藻土を考えました。



縦の目が奥行きを強調

床の絨毯は、
最初はサイザル麻を考えていました。
素足で歩いて気持ちの良い素材もいいなと。
でも、現物を見ると色が濃かったり、
思っていたより素材がハード。
リビングでは寝っ転がる可能性もあるので、
そんなとき、ひじや足に跡がついたら痛いなあ。
サイザルウールという混紡のものもありますが、
広い面積で敷くならもう少し浅い明るい色がいい。

そんなわけでサイザル麻ではなく、
アイボリーに近い色の、
縦の織目に焦げ茶が入った
毛足がやや長いウールの絨毯を選びました。





織目が比較的はっきりしているので、
広いスペースに縦を生かして敷くと
まっすぐなラインができ、広さを感じるだろう、という計算。
実際に敷いてみると、
この織目の縦線効果は予想以上のものがありました。



次に壁です。
田邉君の家づくりの真骨頂でもある漆喰の壁。
次々と素材の知識とアイデアが出てきます。
知らないことを知るって、すごく楽しい。
雑誌やウェブで珪藻土ばかりを意識していましたが、
聞いてみると、北海道の帆立て貝の貝殻を砕いて、
漆喰にしているものがある。
調湿、防臭など空調機能も優れていて、
何より壁に柔らかさがあります。



ほたての貝殻の白壁は空気がクリアに感じます。
においがこもらず、絵も映えます!
そして原材料が、北海道の帆立て貝の貝殻。
エコですねえ。
実際、漆喰の商品名が「エコドマスウォール」の「ほたて白壁
せっかく壁に塗るなら、
エコで体にやさしい健康的なものがいい。
そして、原材料が何者かが
はっきり分かると気持ちがいい。

塗り方も、ラフな感じからつるっとしたスコッタ仕上げまでありましたが、
ところどころ陰影が楽しめる
ラフな感じでお願いしました。



床と壁は一番投資したい部分だったので
田邉君に頑張ってもらい、
彼がよく知る腕の良い左官職人さんや材料屋さんとのお付き合いのおかげで
なんとか予算内で進めることができました。



グレーの部屋は、ぐっと落ち着きます

ちなみに、離れた寝室の床は濃紺の絨毯。

ここの壁も最初はホタテ漆喰を考えていたのですが、
濃紺の絨毯と浅いグレーの壁紙にして、
落ち着きを出すことにしました。



★リノベの心得 その5
作りたい部屋の雰囲気をつかんだら、
床や壁からベースの雰囲気を作る

小さいサンプルで大きな面積を想像するのは
なかなか難しいですが、
施工例や建築家・デザイナーの意見を参考に、
想像あるのみ!

2015/03/27

リノベーションその⑤ 間取り決定まで

家の間取りは元々2LDK。
和室、リビング、ダイニング、クローズのキッチン、寝室、バスエリア。
廊下が水回りとリビングダイニングのゾーンを仕切る感じで、
間取り的には少し閉じた印象がありました。
ひと昔前の日本の家によくある、
個別の部屋をできるだけたくさん作って、
プライベートを守り部屋数を生むことが大事だった流れが感じられます。

せっかくリビングが東南角で明るい陽射しがたっぷり入るのだから、

できればこの陽射しをキッチンやダイニングでも共有したい。
ということで、
基本的な部屋の構造は変えずにできるだけ壁を取り払い、
表層的なリノベーションを中心に考えました。
構造を変えないことは、
大きなコスト削減にもなります。

具体的に考えた間取りの大きな変更は次の3つ

・和室は仕様を洋にして子供のスペースに
・キッチンの壁は取り払ってダイニングとつなげオープンに
・寝室とダイニングの動線を作るため、新たに壁に扉をつける

早速図面完成に向けて、

田邉君と本格的な打ち合わせ開始です。

田邉君の最初のプランはとても大胆でした。

リビングに続く和室は壁も全てとっぱらってリビングとつなげ、
全体的に広い空間にする。
必要なときに、天井から吊り下げたクロスなどで
壁のように仕切るというもの。
これ、彼の家でも実際に取り入れているアイデア。
とても可動性のある自由な間取りです。
うちはリビングと隣室の3面が窓なので、
クロスなどの仕切りを取り払えば明るい大空間になります。
その解放感たるや……
やってみたい!

でも。

冷静になって考えてみると、
子供が大きくなっていけば、
やっぱりリビングとの壁が欲しくなるんだろうなあと。
もしかしたら、数年で壁を作るってことになるかも。
それなら、最初から壁をつくった方がいいのか。
でも、壁があるとキッチンには陽射しが行き届かないし、それは惜しい。
光は部屋のあちこちで感じたい。

この壁問題は結局最後の最後まで

悩むポイントになりました。
ガラスブロックの壁にして光を入れるとか、
上部は抜けのある壁にするとか、
いろいろとアイデアは思いつくものの、
これだという決定打にはならない。
ここは妥協してはいけない壁だったので、
打ち合わせを重ねて粘りました。
何度も何度もやりとりし、
田邉君、何度も図面を引いてくれました。



つい、覗きこみたくなる

結局1ヵ月近く経って最後の最後、

もう図面を決定して着工しないと、
年内に引っ越しできないというリミットぎりぎりで
田邉君が新しいアイデアを出してくれました。
格子状の抜けのある、
現在の壁のしつらえです。
格子の下にはキッチンパントリー。
扉の幅を合わせて調子を整えました。
飾り棚にもなります。

キッチンと隣接する向こう側の洋室は
いずれ独立した子供部屋にする前提。
格子の抜けの部分は、
娘が具体的に壁を望んだら、
布でもスクリーンでもガラスでも
適した仕切り方を考える。


ちびっ子が部屋で遊ぶ様子もここから見える

図面を睨んでいた2人で、
これだ!とようやく出口を見つけたときは、
粘って良かったとほっとしました。

結果的に、
間取り全体で一番悩んだ壁のあしらいが
部屋にリズムを生むポイントにもなりました。
ようやく、正式な図面に間取りを落とし込める。

ほっとしたけど、
やることはまだまだあります。
選択&決断の嵐はむしろこれから。
でも、とりあえず良かった!





★リノベの心得 その4
ギリギリまで、粘るべし

こんなに悩んだら建築家に悪いなあとか、
もう難しいからいっか、迷うの面倒だし、などと妥協すると、
住み始めてから後悔します。
自分が納得できるまで、
考えて考えて考えて打ち合わせる。
いい案が出るまで粘るべきです。
なぜならこれは、
自分自身が人生の一部を過ごす大切な空間になるのだから。

…仕事と一緒!

2015/03/26

dancyu4月号 パスタララララン♪

dancyu4月号巻頭の特集
春はパスタ!
「シンプル・イズ・パスタ」で、
シンプルだけどプロの技が光る、
繰り返し食べたくなるパスタのレシピを
取材しました。

広尾・インカント小池教之シェフの

「白いアマトリチャーナ」。
トマトを使わないので白です。
これ、取材翌日から
我が家のレギュラーメニューに決定。
だって、すぐできて、すごくおいしい。
チーズはブロックで買っておけば
いつでも作れる。
パンチェッタがないときは、
豚バラブロックにたっぷり塩をふった塩豚
(冷蔵保存できます)を
太めの拍子木切りにして代用中。
パスタは断然太めが合うので、
目下太めで手頃なパスタを探しています。

この間、

美味しいものに詳しいカメラマンさんが
インスタグラムに
オーマイの極太パスタをアップしてたけど
(パッケージがいい感じ!)
気になります。
見つけたら買おう。
うちの近所のサントクには並んでないけど、
どこにあるんだろう。

表参道バンブーの松橋ひらくシェフの

「梅干しとバニラのトマトパスタ」。
先日友人が集まったので早速作って、
何が入っているか当ててもらいました。
バニラなしの梅コンフィチュールだけだったけど、
見事正解者1名!
ほんのり梅の塩が味を締めるので、
酒呑みにとても受けました。

お腹が空いてて、
じっくり料理する余裕がないとき。
しかもワイン飲みたい!ってとき。
パスタさえあれば、すぐできるし、ワインも楽しい。
どちらの要望にも応えてくれるから
本当にありがたい。

でも、お腹が空いているときのパスタって、

ひと皿で満足したいから余計な野菜とか入れちゃって、
これなにパスタ!?
みたいになりがちなんですよね。

脱、ちゃんぽんパスタ!
春はシンプルパスタ!

シンプルな具だと、

パスタのおいしさが引き立ちます。
ワインもよりおいしく感じます!

それからこの号には
パスタをおいしくするコツがてんこ盛りの
見開きページがあります。
私もちょっとだけ、
普段しているコツをお伝えしています。
どれも目からうろこのアイデアなのですが、
読んでいてなるほど!と思ったのは、
パスタをオイルと和える前、
ひと呼吸置くとなじみがいい、というもの。
亀戸「メゼババ」高山シェフのアドバイスです。

確かにひと呼吸置くと、
ソースのからみが断然よくなりました。
お試しあれ!




2015/03/25

天国のクリーム

「ポルトガル食堂」では、
オリジナルはすごく甘い!
食事の最後に
ポルトガルのデザートをお出ししています。

デザートは、

作る側としてはできるだけ簡単に作りたい。
食べる側とすればたっぷりは必要ない。
そしてできれば、
香りでも見た目でも味の組み合わせでもいいので、
印象に残るものがいい。

なんというか、
なごみのためのひとさじなんですよね。
甘いものがあまり好きではない人にも、
喜んでもらいたいし。
かく言う私も、
実は甘いものよりしょっぱいものが好き。
でも、人が集まったときにデザートがあると、
やっぱり楽しい時間が生まれると思います。

最近のデザートは「ナタ・デ・セウ」

訳すと天国のクリーム。
はじめてポルトガルのレストランで食べたとき、
卵黄クリームのコクと白くて軽いクリームの組み合わせや、
素朴な味わいに衝撃を受けて(大袈裟だけど、本当にそう)
思わずお店の人に作り方を聞きました。

簡単でシンプルな味、

しかも名前がいい。
天国のクリーム、だなんて!
それは食べてみたくなります。

ちなみに、もしもポルトガルで食べることがあったら
気をつけてください。
ものすごーーーく甘いです。
上に乗る卵クリームが甘いんですよね。
かわいいビジュアルですが、
パンチを食らったかのような衝撃甘さだったりします!

うちでお出しするものは、
自分がちょうどいいと思えるぐらいまで
この甘さを極力控えています。
でも、ポルトガルのお菓子職人さんが食べたら、
きっと甘さが足りない!
ってことになるんだろうなあ。
甘さを守るのも、
ポルトガル菓子の伝統でもあると言っていたから……。

隠れて、甘さ控え目!

2015/03/24

リノベーションその④ リノベのパートナーを決める。

リノベーション物件を決めたら、
次はパートナー探し。
リノベーションの具体案を示してもらい、
監理施工を指揮する会社や建築家を探します。
実はここがリノベの山場のひとつ。
都内だけでざっと見まわしてもリノベーションのプロは星の数ほどいて
途方に暮れてしまいますが、
私は最終的に古くからの友人の建築家
「タナベアツシデザインオフィス」の田邉君にお願いしました。

彼は日本の建築事務所に所属した後イタリアに留学し、
南部プーリア州の漆喰や石などを中心とした自然素材の建築を学んでいます。
帰国後は個人宅を中心に新築やリノベーションをいくつも手掛け、予算感覚もシビア。
庭つきのゴージャスな大邸宅から、
シングル女性が住む小ぶり物件まで請け負う幅も広く、
細かい相談にも応じてくれます。
ご本人いわく町医者的な存在でありたい、と。
実際、私も些細なことまで相談しましたが、
とても頼りがいのある住まいのお医者さんでした。

また、彼は料理が大好き。
キッチンの使い勝手や動線のあれこれなどを、身を持ってよく分かっています。
だからキッチンの細かい要望に対しても答えが明快。
さらに、自宅を自らリノベーションしているという経験も心強い。

でも、いきなり旧知の彼にポンと依頼したわけではありません。
まずはリノベーションや建築の専門雑誌、
インターネット上にあるリノベーションのサイトなどで施工例を見ながら
お願してみたい会社・建築家にも
同時に図面でのアイデア提案を依頼しました。

うち1社は、
店舗内装や個人宅などを手掛ける建築事務所でした。
以前から彼らが手がけた空間の雰囲気が好きで気になっていたのです。
実際にコンタクトを取って担当者にお会いすると、
対応も丁寧で提案の発想もすごく自由。
ただ、デザイン料と工期がどうにも折り合わず断念しました。
私の場合、それまで住んでいたマンションの賃貸契約の更新時期を鑑みて、
年末までに引っ越し完了が必須だったのです。
4カ月ではプランニングから施工完了までは間に合わないとのことでした。

ほかには、
自宅のある下町エリアを拠点にしている評判の良いリノベーション会社、
神奈川県の施工例が面白いリノベーション会社、
口コミでおすすめされた個人の建築家
大手不動産会社のリノベ部門(物件を購入したときに真っ先にプランを提案された縁で)
の4社にも提案をいただきました。

自宅近くの会社に打診したのは、
リノベーション専門誌の編集者をしている友人からの心得で
★相手ができるだけ打ち合わせしやすい距離に居る方が安心
と聞いたから。
自宅物件に近い人に依頼すると、
施工中にまめに進捗状況を確認してもらえて
なにかと安心なのだと。
その通り、近場に相談相手がいると、
現地調査も打ち合わせもタイムラグがほとんどなくどんどん進みます。
楽しい図面提案もいただいて、
さらにスタッフのやる気がこちらにもひしひしと伝わってきて心を動かされたのですが、
田邉君のプランはよりイメージしやすく、
造作家具などの細かい提案もオリジナルのものでした。
なにより好みにより近く、
可動性のあるプランだったのです。

でも、とっても熱いハートを持つ下町の会社のみなさんは、
一緒にリノベーションをしてみたいと思わせてくれる方々でした。

こうした他の候補と同時に、
田邉君にも現地調査をしてもらって図面のラフアイデアをもらい、
最終的に正式に依頼したのは約1ヶ月半後のこと。
私は引っ越し条件があって大至急で進めましたが、
リノベのパートナーを決めるのには、
もっと時間をかける人も多いそう。

さらにこれらの会社以外にも
電話やメールでやりとりをしていたところがいくつかありましたが、
なんとなく慌ただしい感じだったり、
うまくコンタクトできなかったりということも。
それらは縁がなかったのだと考えて、その時点で依頼をストップしました。

個人の建築家から大手不動産会社のリノベーション部門まで、
さまざまな方々と打ち合わせを重ねて感じたのは、
ひと口にリノベーションと言っても
家づくりへの考え方はさまざまだということ。
そして、工期と費用という現実をベースに、
どこまで希望に添ったものを作れるかは、
着工までも着工後も、
重ねる打ち合わせ次第なのかも。

★リノベの心得 その3
打ち合わせの先に、家がある!

いきなり素敵な相手に、
突然素晴らしい図面を出してもらえるわけじゃない。
リノベも仕事も人間関係も、
打ち合わせって大事。

2015/03/09

2月21日の「ポルトガル食堂」

年末の引っ越し&リノベーション後、
長方形のテーブル、実は人生で初めて
ダイニングがやっと落ち着いたので
しばらくお休みにしていた
「ポルトガル食堂」を再開しました。

引っ越し後のダイニングのスペースは
以前よりも光が入る明るい部屋。

続くリビングスペースは
ソファやテーブルがまだ決まらないので
(いつになったら出会えるやら……)
抜け感、というか、
ほんとにドーンと抜けた空間が続いています。
コーナーにテレビがポン、
アイアンのハンギングがポンと。

ダイニングテーブルは、
丸型から長方形のものに変えました。
目黒で出会った
デンマークのボーエ・モーエンセンの
ヴィンテージ。
日本に来る前まで、
40年以上デンマークのレストランで
使われていたものだそう。
そんな楽しいバックストーリーを聞いてしまったら、買わないわけにはいかないです。


このテーブルが活躍していたレストランは、
一体どんな感じだったのかなあ。
気楽な食堂風?
おしゃれカフェ?
クロス厚めのおすましレストラン系?
そんな想像ができるのは、
ヴィンテージ家具ならでは。
出会えてよかった。



右の書籍の表紙と同じお皿に盛って


新刊の表紙
今回いらしたお客様は、1月の自著の出版記念パーティに来て下さった方々でしたので、
メインの料理は
本の表紙と全く同じお皿にしてみました。
料理は「豚とあさりのアレンテージョ風」。
ほかには、
オリーブのピリピリマリネと、
にんじんのポルトガルサラダ。






シュワッと爽やか!


ワインは、
すっきりと爽やかな北部のヴィーニョヴェルデ
ヴィア ラティーナ VIA LATINA」を。

デザートはポルトガルプリン。
ちょっとスパイスをきかせた素朴なプリンに、
マスカルポーネチーズを合わせるのが好評です。

今回のお客様も
食の情報に詳しい方ばかり。
みなさん初対面でしたが、あっという間に打ち解けられ、
普段から仕事で忙しい方が多かったためか、
便利な白だしなどの調味料に
話題が集中しました。

疲れて帰ってきた時や、
家族が連れてきた夜の急なお客などにおつまみを
出すときは、
あったら便利な調味料や
切ってすぐ出せる食材などは欠かせません。

焼き豚と砂抜きあさりは
冷凍庫の常備品という方もいて、
みんな焼き豚の銘柄をすかさずメモメモ。
いつか、同じお店で鉢合わせしたりして!
Mさん、私も買ってみまーす。

次回3月の「ポルトガル食堂」はおかげさまで満席です。
4月18日(土)12:00~の回にはまだお席があります。

ご興味のある方、
お問い合わせは
こちらまでお気軽にどうぞ!