2016/05/16

育児の季節~4年前のブログから

4年前、娘が3歳の保育園児だったころに書いて
アップし忘れていたブログを見つけました。

当時は寝かしつけながら寝落ちする毎日で、

早朝4時ごろから原稿を書くのが普通になっていました。
当然辛いです。

そして頑張りまくっていたある朝、
ちょうど娘の芋堀り遠足の当日、
お弁当を作りながらめまいで立てなくなり
世界がぐるぐる廻ってまっすぐ立てない状況が続き、2日間寝込みました。
ストレスがリミットを超えると、私の場合メニエールの症状が出て三半規管が壊れます。
それをすっかり忘れていました。

あれから4年経ちましたが、

日本の社会は少しは子育てしやすくなっているのだろうか。
そうは思えません。

少し前に総理大臣にも影響を及ぼした
保育園落ちた、日本死ね!のブログの内容は、
もし7年前に私が保育園に落ちていたら、
全く同じことを考えただろうと思う内容でした。
100%共感。
ああいう怒りがもうずいぶん前から見えないところで毎年噴出していたけれど、
役人や政治家が数字だけで社会を俯瞰するだけでは、現状を知る由もない。
だから働く母親をやっている人からすると、
今更ともいえるような遅いタイミングで、初めて明るみに出たのでしょう。
ぶつけようのない激しい怒りという、途轍もなく大きな力が働いて。
ようやく。

育児と介護の現場をもっと真剣に考えないと、
日本社会はこの先怒りで大爆発してしまうのではないかと思います。
活躍をうたう前に、
普通に生きるために必要なことは何か、
もっと普通の暮らしを掘り下げて政策を考えて欲しい。


今辛い思いをしている働くママに、
エールとともにアップします。


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2012年8月wrote


「人生を80年とすると、尚子の人生は半分も経っていません。

時間に例えるとまだ午前11時ぐらいです」

人生を24時間の時計にたとえ、
当時30代後半でマラソン選手の現役引退を宣言した
高橋尚子選手に、
尚子さんのお父さんはこんな言葉を贈りました。
これを聞いたとき、私も同じような年齢だったので、
とても印象に残っています。

いままさに人生の真昼あたりにいる私は、

同時に子育て真っ最中。
これから人生の夕方頃まで、
子育てと仕事を並行していくイメージです。
きれいな夕日が見える時間まで、
時間の使い方とにらめっこしていくわけですが、
これってつまり今まで以上に、
周りの人達にご協力いただきながら働くわけでもあります。

フリーランスの私の仕事スタイルは、
基本的に9時オープンの18時半クローズ。
自宅のPCをオープンすれば、自分の事務所もオープン、という感じです。

でも18時半以降もやり取りが必要なときが多々あります。
そんなときは、緊急でない限り、娘を寝かしつける22時以降に
電話やメールのやりとりを再開します。
このとき、寝かしつけた自分が
うっかりそのまま眠ってしまわないように注意しないといけないのですが、
絶対寝ちゃだめなときほど、
ハッと落ちていることがある。
昔は朝寝坊して「しまった!」でしたが、
今は夜早寝して「しまった!」というわけです。


小さい子供がいると、
自分が自由に働ける時間はどうしても限られます。
というより、無になります。
取材や撮影で外にいる時間が長いと、
仕事の原稿を書く時間がほとんど取れない日もある。
そんなときはつい「前は良かったなあ」と思ってしまったり。
だって、帰宅後すぐに子どものお迎えに走ることもなく、
夕食の支度や後片付けなどをする必要もナシ。
好きなだけ取材して、
食事の時間も気にすることなく、
好きなだけガンガン書いたり調べたりできたから。

子どもが生まれるまでは、
全部ひとりの時間だったので、
とにかく昼も夜もほとんど仕事に関することに
時間を使ってきました。

食事はほんとにラフで、
夕飯は深夜の飲み屋で打ち合わせと兼ねたり、
あまりにも疲れているときは、
会社の机で、柿の種とお茶だけで済ませたこともありました。
自由。
そして、それが当たり前でした。

仕事の時間の使い方も、

子供を持つ前と後ではかなり違ってきました。
以前は取材から戻る夕方からが正念場。
だから、18時に仕事を切り上げて急いで帰るママ編集の先輩には
「帰るの早っ!」とびっくりしていました。
だってその先輩は、
出産直前まで編集部で私と同様に深夜残業しまくっていたんですから、
ギャップにびっくりです。

でも、実はその先輩は誰よりも早朝から仕事をしていました。

だからしっかりまわっていたし、
その人のページは十分に面白かった。
つまり、仕事をうまく進めるのは、
本人と周囲の対策の立て方次第ということでした。
会社は女性が多い編集部でママ編集者も多く、
他の職場よりは理解があった方だと思います。
それでも、一度家に帰って再び編集部で仕事するなど、
今自分が母親になってから考えると、
先輩、相当頑張っていたんだなあとわかります。

とにかく、仕事と育児の両立は、
会社や家族の協力がなければ、
本人がいくら頑張ったって実現不可能。
無理です。
これはもう、きっぱりと断言できます。
だからまず最低限の基本として保育園は絶対に必要。
人間が水と空気がないと生きていけないように、
未就学児を持つ女性労働者は、保育園がなければ活動できません。
(それなのに、子どもが保育園に入れるかどうかで心底悩むなんて、国の対策があまりにお粗末すぎる)、
会社の理解や家族の家事育児労働の分担も、
なければ母親がいつか過労で倒れるだけです。
周囲に理解のない環境で仕事と育児を両立しようと奮闘するお母さんたちは、
ブラック企業に勤めるのとなんら変わりません。

仕事や育児が忙しかったり大変でも、
やる気はあるし、頑張りたい。
ただし、いつも不安を抱えて仕事や育児はしたくない。
周りの目が温かいか冷たいかで、
その人が抱えるストレスは天地の差になります。
温かいまなざしがあれば、人は結構頑張れるし、
不安も感じない。

子育てしながら働くことに母親が不安を感じない社会に、
日本はもっと変わっていかなければ、
母親も子供もちっとも幸せを実感できない。
父親の労働時間も効率よくして無駄な残業を課さないように、
社会の常識をどんどん変えていかないといけない。

乳幼児がいる家庭では、
父親も早く帰って、家事や子育てを分担するのが当然という空気にならないと、
日本の社会はちっとも成熟しないと思う。
今は母親の犠牲があまりにも多すぎると感じます。
せめて身体や心を壊さないように、
子を持つ働く女性が、仕事と母親業を兼業できる社会を強く求めます。

元気な心と身体で、
キレイな人生の夕日を見たいなあ。
子どもの成長した姿を、
ワインとかゆっくり飲みながら。

子育ての環境が、もっと良くなることを祈りつつ、

今は毎日頑張るのみ。

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