2012/06/21

納豆に大葉


仕事帰りの遅い時間、
近所のスーパーに寄って晩のおかずの買い物。


夜のスーパーは、客のピークを終えてなんともゆったりした雰囲気。
このゆったりした中をうろうろするうちに
さっきまでの緊張感や焦り、煮詰まった頭の中が
ほぐれていきます。


脳味噌が、ゆるくほぐれていく感じです。




並んでいる肉や魚などを見ては
「このタコ、カルパッチョにしてあのワインと合わせよう」
「やっぱりこっちの砂肝を揚げて塩して、まずはビールかな」


酒のつまみ兼おかずの献立をあれこれ考えながら買い物するのが、
何よりの至福モーメントだった数年前。




ああ…懐かしい。
ああ…あの頃は自分中心に献立が立てられる良い時間だったなあ。
ああ…もう戻れないんだろうか…。


そう、戻れません。
あなたは戻れないんです。
もう戻れないのは、誰より自分が一番良く分かっています。


おチビが生まれてからは、
そんなのんびりした至福の買い物タイム、とんと味わってません。


母ちゃん、んなひまはないのです。




朝から仕事でフルに動き、終わったら大至急保育園へ。
夕方過ぎてもまだまだ元気いっぱいのおチビを迎えに行き、
おチビに振り回されつつ帰宅。
ここですでにヘトヘトの状態。


で、最後の力を振り絞って用意する遅めの晩ごはん。
自分だけのつまみなんて作る余力、
これっぽっちもありません。
あるわきゃない。


余力がないだけじゃなくて、
子どもと共通のおかずを作るわけだから、
ほろ苦さや辛さ、酸っぱさなどは基本的にNG。
つまり、つまみ的なメニューは却下です。


にんにくやしょうがなどの香味野菜類もまだまだ難しい様子。
最近はそれでもこっそり少量を加えて料理するんですが、
「これ、辛いよ」としょうがのみじん切りやにんにくのかけらを目ざとく見つけ、
さっと手でつまんで私の方にかざし、
きっぱりと拒否。


NOと言えるその性格はきっと親譲りだろうから仕方ないのですが…。


ま、おチビはまだまだ舌が敏感、ということでもあります。


実際、幼児の舌には体によくない食材を拒否するセンサーがあり、
それに当たると強く反応するようにできていて、
辛い、苦い、酸っぱいの味は、食材が不穏な状態だと認識するそうです。
腐ってるとか、傷んでるとか、そのへんとイコールと捉えるらしい。


だから、料理に入れた生の長ねぎの辛みやみょうがのクセ、
炒めもののしょうが、にんにくなどを口にするとすかさず皿のはじに寄せ、
決定的にイヤなときは、手でつまんで私に直接渡そうとします


そんな、よくわかったよ、嫌いだってことは…。
はっきりした性格だなあ…。




考えてみればまあ、男の人の食の好みに限りなく近いわけですが、
晩酌が欠かせない私には、
やはりアクセントのある料理が作れない状況はなかなか厳しい。
結果、シンプルな味つけの料理に黒七味や粉山椒、
ユズコショウ系の練り調味料、ホットソース類などをふりかけるというパターンが増えました。
唐辛子の輪切りや糸唐辛子なども便利で、
炒めものの仕上げに自分だけふりかけたりします。
本当は唐辛子を最初から油に入れて炒めたくてウズウズするのですが、
家庭内平和のためには止むをえません。


それはそれで、いろんな調味料を知るいい機会なのですが、
冷蔵庫のサイドポケットがそろそろパンパンかも。


早く大人の味覚になって欲しいなあという切なる思いから
今朝も納豆に大葉をちょっと刻んで混ぜて出したら、
「私大葉大好きになった!」と大葉をつまんで皿の端に寄せた娘。


食べてないよね、
残してるよね、
好きならしないよね、
じゃ、それってどういう意味なの??


朝からこんな小さいことが気になる母ちゃんでした。
次はキムチ刻んでみようかなー。




2 件のコメント:

  1. あー、そういえば犬もそういうもの食べない。うまくできた野生のしくみなんですね。大人になるとそういう感覚を失って、舌に刺激をもたらすマゾヒスティックな味わいに喜びを感じるようになるのは、なぜかしら…。しかも生き物のなかでもやはり人間だけですね。刺激物を好むのって。

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    1. 生きることに不必要なコトに楽しみを見出すのって、人間だけなのかな。
      他の動物よりも、生きる時間も長いしね。
      でもまてよ、じゃ、カメは何考えて長い時を過ごすんだろう…。

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