2018/06/26

6月23日のポルトガル食堂

気が付くと5年目を迎えていた「ポルトガル食堂」、
これまで都内のあちこちで開催してきました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございます。
私の本を読んで来て下さる方、
インターネットでポルトガル料理を検索しているうちにたどり着いたという方、
友達に連れられてきたという方など、
年齢や男女はもちろん、きっかけも動機も様々な方々がいらっしゃるので、
私も毎回どんな雰囲気になるのかが楽しみです。
決して洗練されてはいない、
でも食べやすくてワインに合う、誰でも作りやすい家庭の味を、
私なりにいつも考えております。
まだまだ至らない部分も多いとは思いますが、
今後とも、どうぞよろしくお願いします。

そんな中、先日開催した6月23日の会はとりわけ印象に残る会になりました。
参加された男性のお一人が、この会を父の日のプレゼントとして受け取り、
家族から招待されていたのです。
そういう場に選んでいただけたことをメールで知った時点でも、
涙腺うるるで嬉しかったのですが、その男性がまたとても紳士な方でした。

その方から旅の話をうかがったときのこと。
バスを乗り継いでポルトガルをあちこち訪ねられ、ナザレの海岸で、
地元の年配の女性達が集っている様子が印象的だったと話されていました。
未亡人の方は黒いスカートを、
そうでない方は7枚重ねのスカートをはくのが、その土地の慣習です。
干物を売ったり、市場仕事をしたり、
午後は集まって休憩したりしている様子が、本当に愛らしかったと。
いや、本当はもっと詳細に様子を話してくださったのですが、
その女性たちを優しく見つめる眼差しを、言葉の端々から感じられたのです。
とても繊細であると同時に、
じっくりとものを見られる洞察力の鋭さのようなものも感じて、
私は心の中で、この方はどんなお仕事をされていたのかなと、とても興味が沸きました。

会も盛り上がり、同席された皆さんがとても仲良くなられ、
誰からともなく最後に記念写真を撮りましょうということになりました。
その男性がコンパクトカメラを出され、
離れた場所でタイマー設定に悪戦苦闘していた時のこと。
設定を終えてみんなが並ぶ場所についたときに、
「僕、ああいう設定とか本当に弱いんですよ、新聞社のカメラマンだったのにね、お恥ずかしい」
といった瞬間にシャッターが下りて、衝撃の一瞬が撮れました。
私の驚きっぷりがしっかり残されています。
これもある意味、プロの技ですね。



本気で驚いています

この会を開いていつも思うのは、食事を楽しむ場というのは、
主役は料理でもワインでもなく、間違いなく人であるということ。
大事なのは、そこでどんな会話が広がるかです。
何食べたっけ、忘れちゃったけど楽しかったね、また集まりたいね。
そう思ってもらえるのが、一番成功した会のパターンだと思います。
これからも、何を食べたかよく覚えていないけど、楽しかったなと思っていただける、
そんな「ポルトガル食堂」を目指して続けて参ります。

次回は8月25日(土)開催の予定です。
ワインを色々と楽しんでいただくタスキーニャスタイルです。
ご参加希望の方は、こちらまでどうぞ。

尚、7月18日(水)に六本木ミッドタウンで開催予定の「あなたと旅するポルトガル」は、おかげさまで満席・キャンセル待ちとなっております。
こちらに参加できなかった方、ぜひシュワシュワと微発泡のヴィーニョヴェルデやおつまみを楽しみに、8月25日のタスキーニャスタイルにご参加ください。

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