2015/03/24

リノベーションその④ リノベのパートナーを決める。

リノベーション物件を決めたら、
次はパートナー探し。
リノベーションの具体案を示してもらい、
監理施工を指揮する会社や建築家を探します。
実はここがリノベの山場のひとつ。
都内だけでざっと見まわしてもリノベーションのプロは星の数ほどいて
途方に暮れてしまいますが、
私は最終的に古くからの友人の建築家
「タナベアツシデザインオフィス」の田邉君にお願いしました。

彼は日本の建築事務所に所属した後イタリアに留学し、
南部プーリア州の漆喰や石などを中心とした自然素材の建築を学んでいます。
帰国後は個人宅を中心に新築やリノベーションをいくつも手掛け、予算感覚もシビア。
庭つきのゴージャスな大邸宅から、
シングル女性が住む小ぶり物件まで請け負う幅も広く、
細かい相談にも応じてくれます。
ご本人いわく町医者的な存在でありたい、と。
実際、私も些細なことまで相談しましたが、
とても頼りがいのある住まいのお医者さんでした。

また、彼は料理が大好き。
キッチンの使い勝手や動線のあれこれなどを、身を持ってよく分かっています。
だからキッチンの細かい要望に対しても答えが明快。
さらに、自宅を自らリノベーションしているという経験も心強い。

でも、いきなり旧知の彼にポンと依頼したわけではありません。
まずはリノベーションや建築の専門雑誌、
インターネット上にあるリノベーションのサイトなどで施工例を見ながら
お願してみたい会社・建築家にも
同時に図面でのアイデア提案を依頼しました。

うち1社は、
店舗内装や個人宅などを手掛ける建築事務所でした。
以前から彼らが手がけた空間の雰囲気が好きで気になっていたのです。
実際にコンタクトを取って担当者にお会いすると、
対応も丁寧で提案の発想もすごく自由。
ただ、デザイン料と工期がどうにも折り合わず断念しました。
私の場合、それまで住んでいたマンションの賃貸契約の更新時期を鑑みて、
年末までに引っ越し完了が必須だったのです。
4カ月ではプランニングから施工完了までは間に合わないとのことでした。

ほかには、
自宅のある下町エリアを拠点にしている評判の良いリノベーション会社、
神奈川県の施工例が面白いリノベーション会社、
口コミでおすすめされた個人の建築家
大手不動産会社のリノベ部門(物件を購入したときに真っ先にプランを提案された縁で)
の4社にも提案をいただきました。

自宅近くの会社に打診したのは、
リノベーション専門誌の編集者をしている友人からの心得で
★相手ができるだけ打ち合わせしやすい距離に居る方が安心
と聞いたから。
自宅物件に近い人に依頼すると、
施工中にまめに進捗状況を確認してもらえて
なにかと安心なのだと。
その通り、近場に相談相手がいると、
現地調査も打ち合わせもタイムラグがほとんどなくどんどん進みます。
楽しい図面提案もいただいて、
さらにスタッフのやる気がこちらにもひしひしと伝わってきて心を動かされたのですが、
田邉君のプランはよりイメージしやすく、
造作家具などの細かい提案もオリジナルのものでした。
なにより好みにより近く、
可動性のあるプランだったのです。

でも、とっても熱いハートを持つ下町の会社のみなさんは、
一緒にリノベーションをしてみたいと思わせてくれる方々でした。

こうした他の候補と同時に、
田邉君にも現地調査をしてもらって図面のラフアイデアをもらい、
最終的に正式に依頼したのは約1ヶ月半後のこと。
私は引っ越し条件があって大至急で進めましたが、
リノベのパートナーを決めるのには、
もっと時間をかける人も多いそう。

さらにこれらの会社以外にも
電話やメールでやりとりをしていたところがいくつかありましたが、
なんとなく慌ただしい感じだったり、
うまくコンタクトできなかったりということも。
それらは縁がなかったのだと考えて、その時点で依頼をストップしました。

個人の建築家から大手不動産会社のリノベーション部門まで、
さまざまな方々と打ち合わせを重ねて感じたのは、
ひと口にリノベーションと言っても
家づくりへの考え方はさまざまだということ。
そして、工期と費用という現実をベースに、
どこまで希望に添ったものを作れるかは、
着工までも着工後も、
重ねる打ち合わせ次第なのかも。

★リノベの心得 その3
打ち合わせの先に、家がある!

いきなり素敵な相手に、
突然素晴らしい図面を出してもらえるわけじゃない。
リノベも仕事も人間関係も、
打ち合わせって大事。

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