2016/12/15

ベビーリーフとハーブを楽しむ「お日様リーフラボ」サイト

ベビーリーフとハーブのレシピもたくさん!
50種以上のベビーリーフとハーブを育てている、千葉県野田市にある「お日様リーフ」のカタログやウェブサイト「お日様リーフラボ」をお手伝いさせていただいております。

野菜好きにはたまらない、自分自身も大変勉強になる機会です。

この仕事に関わるまでは、ベビーリーフといえば、数種類の小さい葉のミックスパックのイメージ。サラダやメインの付け合わせで使う野菜、ぐらいに思っておりました。



陽の光が降り注ぐ午前中が収穫タイム

しかし、しかし。

「お日様リーフ」に使われるベビーリーフの野菜の種類は、それはたくさん、ハーブも合わせると、なんと50種近く。野菜が育てられている現場は、それは楽しいし、美しいのです。

ベビーリーフは野菜の幼葉ですから、味や香り、栄養分まで、小さい葉にぎっしり詰っている。濃縮されている感じです。色も、成長した葉よりやや強い印象。



様々な味や香り、苦みに甘みがミックスされています


実際につまんでかじってみると、食感はもちろん、苦みの強弱、旨味の濃淡、香りの立ち方がそれぞれ微妙に違って、自分の舌のテストをしているかのようです。

それに、今まで知らなかった野菜が本当にたくさん。
たとえば、ビート(食用ビーツ)の幼葉デトロイトや、スーパーフードとしても有名なアマランサスなど、色も美しく、栄養素もたっぷり。






料理のヒントを加えたカタログも作成。
写真は福尾美雪さん、料理はshigekoさん、
スタイリングは中田裕子さん

育成は、太陽光を100%使用する水耕栽培で、化学薬品や農薬は可能な限り使用しないため、幼葉につきやすい虫の除去は手や箸でつまむなど、本当に細かい作業がされています。水は地下40mからくみ上げた利根川水系の豊かな水を使用。

育苗、選定、収穫、箱詰めまで、すべて人の手で丁寧に行い、自分の家族に食べて欲しいと思う野菜を、お客様にお届けするというのがモットー。

新鮮さにも非常にこだわり、朝積みの野菜は7℃に設定された保冷庫で出荷直前まで冷やされ、葉の日持ちや鮮度ができるだけ長持ちするよう考えられています。










カタログには、どんな野菜の幼葉かという説明も


もともとこの「お日様リーフ」は、レストランやホテルなど、プロの現場で料理に使っていただくために生まれたものです。実際、現在も9割以上がプロのお客様です。

しかし、もっと一般の方々にも、ベビーリーフの面白さを知って頂けたらという思いから、このサイトが立ち上がりました。ですから、サイトの内容は野菜の説明はもちろんですが、ベビーリーフやハーブを使った家庭でできる料理の提案もたくさんあります。今後は、毎月新しいベビーリーフレシピをご紹介予定です。

現在、ウェブサイトから個人での購入も可能です。
また、都内に限らず地方の方でも可能な限りご注文を受け付けているそうですので、ご興味のある方はメールならこちらまで、または04‐7197‐3610までお問い合わせください。

ちなみに、ベビーリーフは10種ほどのミックスが人気ですが、葉のサイズがベビーだけでなく、ミニ、マイクロの3種類あり、さらにミックスの味わいも、洋風、和風、さらにピリ辛、ぜいたく25、スパイシー、プレミアムなど、葉の個性を生かしたオリジナルミックスがいろいろとあります。
詳しい紹介は、お日様リーフラボのサイト内をご覧ください。


真鯛の昆布〆の上に、和風ミニミックスをたっぷりと

ちなみに私のお気に入りは和風のミニミックス。
赤紫蘇や青紫蘇など、和ハーブたっぷりで、これだけでも贅沢なサラダになるのですが、サンドイッチはもちろん、刺身に盛ったり、納豆と混ぜ合わせたり、シンプルなパスタにバサッと加えたりして楽しんでいます。

個人で購入する場合、送料がかかりますので、ご近所や職場のお友達とまとめて購入するなどがおすすめです。

これからお客様が増える季節、おいしくて美しいベビーリーフのミックスは、かなりお役立ちですよ。



2016/12/13

初めてのヴィーニョヴェルデセミナーin「ポルトガル食堂」

全く知らない人同士でも、3時間後にはめでたくご覧の通りの飲み仲間!
気が付けば12月も半ば、
2016年もあと少し!
毎年毎年、
なんでこんなに速いんだ!

先週12月10日(土)に開催した「ポルトガル食堂」は、ポルトガルヴィーニョヴェルデ協会に協賛をいただき、公式ヴィーニョヴェルデセミナーを組み込んだ初めての形。どうやって楽しみながら知っていただくか、準備しながらあれこれと考えました。


参加いただいたお客様は11名。

スタンディングのタスキーニャ(居酒屋)スタイルなので、賑やかさが丁度良い感じ。


数か月前の自分に助けられた不思議な感覚


配布資料は考えた末、今年10月にdancyuに掲載していただいた「ヴィーニョヴェルデの学校」という特集の、自分自身の原稿にしました。夏のポルトガルでの取材がこうして冬に東京でのセミナーにつながるとは、考えもしなかった展開。面白いものです。

これをもとに、ヴィーニョヴェルデ協会作成の現地写真入りパワポ資料をお見せしながら、まずはヴィーニョヴェルデがどんなものか、産地の紹介、味わいの違いなど、基本的なことを飲みながら知っていただくという流れにしました。





少し前に書いた原稿も、読み返すとあちこち書き直したくなる……


今回初めて協会より公式セミナー講師を託され、実は結構緊張していたのですが、こんな私ですので、いい意味で緊張感は全く感じられなかったなかったよう。

貫禄はいらないけど、落ち着きが欲しいと思う今日この頃です。












みなさんに飲んでいただいたのは5種類それぞれ違った造り手のヴィーニョヴェルデ。お店に行っても、5種類の比較なんて少人数ではなかなかできませんから、この比較だけでも結構楽しい。ほかならぬ私自身が楽しんじゃいました。

たくさんのリストの中から、今回は微発泡の爽やかな白(ぶどうの種類は違うもの)2種、発泡しないアルヴァリーニョ100%の豊潤な白、バランスの良いロゼ、コクがあって滑らかなヴィニャオン100%の赤を選び、ご用意しました。

今回試していただいたヴィーニョヴェルデ5種

中には以前、自分自身が畑を訪ねたものもあり、ボトルを眺めながら生産者との会話などを思い出しました。現地で飲んで以来、久しぶりに東京で飲むヴェルデは、場所も季節も温度も湿度も違うので、また違った印象を受けます。そこがワインの面白いところ。


さらに今回は、真鯛の昆布〆サラダなどもご用意し、あえて和食とのコンビネーションも確認してみました。やはり私たち日本人が家で飲むなら、普段家で作るような和食にも合わせたい。
個人的には、刺身は生のままよりも、昆布〆にして旨味をぎゅっとまとめるとヴィーニョヴェルデとの相性がぐっと良くなると感じています。天草産のレモンの皮を刻んで散らし、赤紫蘇などの和のハーブが入るベビーリーフにほんのりオリーブオイルとレモン汁をまとわせ、合わせました。
ヴィーニョヴェルデの爽やかな酸や柑橘系の香りと相性が良く、個人的には特に発泡しないアルヴァリーニョ100%のワインのミネラル感がぴったり来たと感じました。

ほかにも、今が旬の柿はクミンとレモンの皮の苦みを合わせ、あとは塩のみで軽く和え、サラダに。白もいいけれど、ロゼのはちみつのような余韻と面白いコンビネーションだった気がしました。

参加された方々も口々に味や組み合わせの感想をおっしゃって下さって、とても参考になりました。

さらにワインは、ヴェルデ5種をすべて試飲していただいてから、さらに私がご用意した赤ワイン、マデイラワインへと移っていただき、ほとんどの方に全種類を楽しんでいただきました。


料理は全7品、ワインは全部で8種類。

料理の一部を参加いただいた方々の写真などでご紹介いたします。
開催中は全く写真を撮る余裕がないので、写真をいただけると本当に嬉しいです。
送ってくださった方々、ありがとうございます!


カルドヴェルデ。ヴィーニョヴェルデの産地でもあるミーニョ地方の定番スープ。
じゃがいもと玉ねぎのポタージュに、ケールの千切りをたっぷり入れ、
ショリッソ(腸詰)の薄切りを浮かべてオリーブオイルをひとまわし。
とても素朴な味噌汁的存在です


ザラガトーア。ほぐした鰯と玉ねぎのワインビネガー和え。カナッペに乗せて



手前は富有柿と天草レモンのクミンマリネ、
奥は真鯛の昆布〆と赤紫蘇などの和ハーブサラダ。
ヴィーニョヴェルデとの相性を意識したおつまみ

豚スペアリブと温州みかんのヴィーニャ・ダ・アーリョシュ。
ドウロ地方の赤ワインを使用
グリーンオリーブと玉ねぎのご飯。ポルトガルでは具が入らないご飯もあり
(と言っても玉ねぎやローリエは少し入っていることが多い)、
今回は肉に合わせ、オリーブでアクセントをつけました
このほか、鱈のクリームグラタンをお出ししました。
鱈が旬の季節ですからね。

初のセミナー&タスキーニャ、大変好評でしたし、

何より私も楽しくて勉強になりました。ということで、
1月もワインの内容や料理を変えて開催します。
1月21日(土)13時からの予定。
ご興味のある方はこちらまでご連絡ください。

次はどのワインを選ぼうか、楽しみ!

2016/11/11

dancyu12月号わいわいワイン

ワイン好きのみなさん、
およびお酒好きのみなさん!
毎日機嫌良く飲んでいますか?

最新号のdancyuはワイン特集ですが、もう手に入れましたか?
未だの方は、早く本屋さん行って欲しいです。売り切れちゃいますよ。


秋の夜長に、読み応えのある1冊
ワイン好きには、いえ、お酒好きにはたまらない内容がぎっしり。
目次を覗いてみれば、一目瞭然。

どっから読んでもおいしい!

ワインを楽しめる評判の新店紹介はもちろん、ワイン好きの熱愛&偏愛家飲みワインや、京都でワインを、とか、オレンジワインについてちゃんと図解で教えてくれたりとか、テロワールって何だっけ?インポーターって誰?的なもやもや気味の情報も、ふむふむと知って、ますますワインがたのしくなる、飲みたくなっちゃいます。

さらに、ワインに合う簡単で気の利いたハンサムフレンチつまみに、日本ワインの過去と現在と未来について。「オルトレヴィーノ」のトスカーナの大鍋料理。見ているだけで、おなかがグーグー鳴ります。空腹時は悶えます。
他にも、ジャパニーズフレッシュチーズ(私的には待ってましたの企画でした!)や、街の洋食を愛する人の、愛を感じるエッセイなどなど。
どれも、ワイン片手にじっくり楽しめます。

そして今回私は、この中の熱愛&偏愛家飲みワイン教えますという企画に、お勧めする人として参加させていただきました。



ご一緒したのは、料理家の冷水希三子さん、ワインライターの葉山考太郎さん、銀座「麦酒屋るぷりん」西塚晃久さん、代々木上原「ルキャバレ」ソムリエの坪田泰弘さん、俳優の石田純一さん。

冷水さんは、だしのような旨味を芯に感じる、素材を生かすお料理を作る方。だからワインもそういう旨味が感じられるやさしいワイン推しとお見受けしました。しかもボトルも可愛いものが多くて、女子受けばっちりなワインがたくさん。なんでも、鎌倉のとある酒屋さんが、冷水さんを自分好みのワインに導いてくれるのだそう。プロを味方につけるお手本だと思いました。

葉山さんは、ご本人も相当に面白くってワインへの目線もマニアックな方なので、ワインもしかり。ザッツ葉山ワールド。今回は、日常ヘビロテ、コスパワインに絞ったとおっしゃっていましたが、800円代のメキシコのスパークリングは、笑っちゃうほどです。値段間違ってますよ。これを見つけたときの葉山さんの驚きと喜びの混ざったであろうびっくり顔を、ぜひ見てみたかったと心から思いました。まさに、探せばある!です。あと、1700円のアルザスのゲヴェルツも、二度見してしまう系でした。そして葉山さん、山田詠美が好きだったんですね。それだけで一緒に一晩飲み明かす自信あります!一緒に語り飲みしたいなー。

西塚さんは日本ワイン推し。それも日常に気軽に飲めて食事との相性も取りやすい、まさに食中酒としてキープしておきたいものばかり。鳥取の北条ワインの白は、野性的で骨太でインパクト大。でも何より印象的だったのは、箱入りとか、一升瓶とか、西塚さんの紹介されるワインはボリュームたっぷり。つまり、毎日飲むんだから、パッケージが大きい方がコスパいいし、という、ワインに日常的な愛をしみじみ感じるラインナップだったこと。お店で他のおすすめも日本ワインも飲んでみたいと思いました。

坪田さんは、さすがのソムリエセレクション。ナチュラルワインオンリーで、私はどれも、今を感じるものが多かった。個人的にストライクもあり、中でもローヌのジル・アゾニーのネジュマの白2015は噛みたくなるような旨味でした。後日、御徒町の「羊香味坊」で同じ造り手の赤を見つけて飲みましたが、赤も相当好み。坪田さん、あまたのワインと出会っている中から、自分の好みと普通の人の喜びそうなポイントの重なるところを探し当てるセンスが、さすがは人気店のソムリエさんと、試飲中も静かに感動しておりました。今度お店に伺って、もっといろいろ教えてもらおう。

石田さんは、ワインの好みが本当にはっきりされている印象。赤はエレガントでボディもしっかりした飲みごたえのあるもの、白は上品で味わいがありながら、軽やかなものという感じ。私の勝手な想像ですが、きっと普通の人ではなかなか飲めないようなハイクラスのワインもそれはそれは飲んでこられた結果、自分が本当に好きだと思えるワインに絞ることができていると思うのです。そのワインライフの軌跡を、ドラマにして欲しい。飲めるドラマ、見てみたいです!

私はといいますと、もちろんポルトガルワインオンリー。当然です。飲んでいるということが、初めて人さまの役に立つ(と願う!)場をいただけて嬉しかったです。9本ご紹介した中で、ヴィーニョヴェルデは5本。定番ではなく、ちょっと珍しく、でも馴染みやすいもの、もちろん価格は抑えめ。そして、ポルトガルらしさを感じるものを選んだつもりです。さりげなく地方もばらしました。

ご参考にどうぞ!もちろんすべて購入できます
この中のいくつかは、12月10日(土)開催の「ポルトガル食堂」タスキーニャでご紹介予定です。
ヴィーニョヴェルデのミニセミナーも一緒に行いますので、ご興味のある方はこちらまでそうぞ。

6名でそれぞれの好みのワインを持ち寄り飲みあうという機会は本当に面白く、発見が山ほどありました。dancyu編集部の皆様、改めてありがとうございました。

今回ひとつ、お勧めするワインを選びながら感じたことがあります。
それは、同じ1人の人間でも、体調や心境、シチュエーションで欲しいワインが違ってくるということ。だから、選ぶって本当に難しいです。

来年の私は、どんなワインを選ぶんだろう。

2016/11/07

土屋鞄製造所の「クリスマスブック」

手に取ったときの紙の質感も心地よい、眺めて楽しい素敵な冊子です
11月に入ると、
途端に年末が近く感じます。

あれもしないと、
これもやらなきゃと、
なぜか勝手に焦りを感じ始めてしまうのは、
日本人的な「~ねばならない」思考の典型。

ちょっと冷静に考えると、
我ながら可笑しくなってしまいます。
もっと真っ先に、楽しむ気持ちが出てこなきゃ、
何のために生きてるのか、わからないのに、ね。


だって11月は、食べ物がさらに美味しくなって、
ストールやブーツのお洒落も楽しくなって、
何より、高い空と気持ち良い晴れの陽を楽しめる季節。
こっくりした赤ワインや、豊潤な白ワインも、よりおいしく感じます。
あ、あったかい鍋も旬!


クリスマスシーズンの幸せな空気が、
さりげなく描かれています
さらに12月は、仕事納めばかりがまっている訳ではありません。
クリスマスにまつわるイベントや集まりも楽しい時期。
大切な人に贈るギフトを考える時間も楽しみたい。

そんなクリスマスシーズンの空気を先取りできるカタログ冊子が、
土屋鞄製造所から出ている「クリスマスブック」です。

小池ふみさんの温かみがありセンスあふれるイラストでクリスマスシーズンの景色が描かれ、
大人向けの絵本のような仕上がりになっています。

この冊子、ショップで無料でいただけますし、ウェブでの申し込みでもお手元に届きます。

お部屋に飾りたくなる可愛さです。






タスキーニャ(居酒屋)スタイルでいろいろなポルトガルワインを飲む会に、
遊びに来ていただいたときの写真です。
これは締めのごはん。白いフェジョアーダをかけていただきます


また、冊子の中面にあるforSMILEというコーナーでは、
私の「ポルトガル食堂」でのワンシーンや、ギフトについてのお話などを掲載いただいております。

いつものガハハ笑いの私が、こんな可愛い冊子に載っているのは気恥ずかしい限りですが、
ぜひお手に取って見てください。


そして年内最後、
12月のポルトガル食堂は、
いつもとちょっと趣向を変え、
ヴィーニョヴェルデの試飲会&タスキーニャ、とします。
今回はヴィーニョヴェルデ協会の協賛となり、最初にヴィーニョヴェルデの簡単な説明を聞いていただき(ワインを説明するのは私なので、実質いつもとあまり変わらないかも…)、4~5種のヴェルデをそれぞれご紹介し、試飲いただきます。
そのあとは、いつもどおりに食事とお好きなグラスワインをお楽しみいただきます。
そして今回は、ヴィーニョヴェルデ協会特製のグリーンのノートがお土産です!
お一人でも、お友達と一緒でも大丈夫。気軽にご参加いただけます。

お申し込みはこちらまでどうぞ。

2016/11/02

MilKJAPON WEBで連載 子どもと一緒に食事が楽しめるレストランガイド

MilK JAPON WEBには、
お洒落好きなパパママに響くニュースやコラムがあります
外で食事を楽しむ時間を大事にしていた食いしん坊の大人ほど、いざ子どもが生まれて親になると、子どもと一緒に食事を楽しめる場って、実はなかなか見つけにくいってことをしみじみ感じる。

女性も男性も、ママやパパになったからって急に味覚は変われないし、
たとえば日曜日の夜などは、ときには簡便なフードコートばかりじゃなく、子どもがいても、食事そのものをきちんと楽しめる、ちゃんと料理を味わえる所に行きたいのです。

そんな思いを叶えてくれるキッズフレンドリーな料理店の紹介を、
パリ発キッズ情報誌の日本版「MilK JAPON」WEBにて、
9月より連載しております。

どんなお店が紹介されているのか、気になる方はぜひチェックしてみて下さい。

2016/11/01

天草にて「南蛮菓子セミナー」開催しました

先週、熊本県の天草を訪ねました。
親子イルカの天草エアラインに乗って

地元のお菓子メーカーや旅館、
レストランの料理人などプロの方々と
天草ならではの南蛮菓子を考える
「南蛮菓子セミナー」に
講師としてお招きいただいたからです。

天草を訪ねるのはこれで4度目。
最初は10年前で、個人的に島の歴史に興味があったので、レンタカーで観光気分で回ったのがきっかけでした。
2泊3日の短い旅でしたが、忘れられない景色がたくさんありました。海沿いに干しだこがずらりと並んぶ素朴な風景もありながら、ふとしたところに建つ古い教会の佇まいが、どこか異国情緒を醸し出す、とても印象的な島でした。

それ以降、天草にはご縁があり、取材で何度か訪ねています。
いつ来ても景色が素晴らしいし、食も豊か。そして、お仕事で知り合う方々も、気持ちの良い方ばかりです。何度来ても、心から楽しい。でもいつも仕事でそそくさと帰らざるを得ないので、
いつか夏の天草の海で、思い切り遊んでみたいなあ。




世界初の地図帳「世界の舞台」より。オランダ人オルテリウス刊行
今回セミナーでお話ししたのは、
南蛮文化が栄えたころの天草と南蛮菓子の関係についてや、南蛮菓子の元であるポルトガルの菓子、修道院菓子などについて。

南蛮文化と聞くと、長崎などが真っ先にイメージされがちですが、当時天草は、南蛮文化の重要な拠点になった場所でした。

左の地図は、1595年にイエズス会士のルイス・テイシェイラというポルトガル人が作図した、日本を単独で描いた世界初の日本地図。
カトリック布教活動を進める彼らにとって、きわめて重要な地名として、天草のCutama久玉、Conzura上津浦、Xiqui志岐が示されています。当時天草が、南蛮文化が浸透した特別な場所だと言える、大きな証のひとつです。





天草コレジヨ館に400年以上の時を超えて現存する、
グーテンベルクの印刷機で刷った本。
羊の皮の装丁で、風格あり

そして、なんといっても天草が誇れる歴史的事実は、コレジヨ、つまり、今で言うカトリックの大学があったことです。

日本で唯一、もちろん初のインターナショナルスクールです。もともと大分でスタートしましたが、当時の情勢からひとところにはいられず、南島原を経て天草へ移ってきました。

当時このコレジヨには、59名もの生徒が学んでいたといいます。しかも、生徒の中にはポルトガル人6名、イタリア人も1名いたという記録が残っています。また、ポルトガル、スペイン、イタリアなどユーロッパ各地を訪ね、8年間の長い旅を経て帰国した初代スーパー帰国子女の天正遣欧使節の4人も、帰国後はここ天草のコレジヨに入学し、さらに学びを深めていました。日本語、ポルトガル語、ラテン語が飛び交う環境だったのでしょう。

教育内容もまた大変充実していました。ラテン語、ラテン文学、日本文学、キリスト教、仏教、地理、算数、唱歌、楽器、弁論、説教、さらに実習科目として、油絵、水彩画、銅版画彫刻、印刷術、オルガン製作、時計、天文器具製作。

さらにここでは、天正遣欧使節らが持ち帰ったグーテンベルクの印刷機を用いて、平家物語やイソップ物語などの本を次々と印刷し、それらを教科書としても使っていました。しかもその刷り部数が凄い。当時他のヨーロッパで1冊の本につき、300~500部が平均的だったところを、天草のコレジヨでは1500~3000部も刷って製本していたそうなのです。その熱気たるや。さぞこの場が、熱い想いに満ちていたのではないか。

だって大変ですよ、この世界初の原始的な活版印刷機で、本を1冊作るということは。
まずは内容の吟味や文章を作成するという大仕事がありますし、さらに実務の印刷や製本も大変です。
実際に、当時の印刷機を復元した機械を触ってみましたが、決して軽いもんじゃない。文字を組むのだってひと苦労、もちろんインターナショナルスクールですから、日本語で組んではいません。すべてポルトガル式ローマ字です。ようやく組んだ版にインク(当時は墨に亜麻仁油を混ぜた)を塗るのも、紙を置いて版画のように押し当て、さらに上から圧をかけて時間をかけて印字し、紙を取り出して乾かすのも、手間も時間もかけなければできないことばかり。きっとこの本を作ることに携わった信者たちは、誇らしさのようなものを感じながら、次々と天草本を作っていったのでしょう。

よく、優秀な大学がある土地は学園都市として発展すると言いますが、当時の天草も、地元のカトリック信者の多さも(島民の約8割が信者でした)相まって、不安定で残酷な戦国の世にありながら、日本の中でもかなり独特で、アカデミックな雰囲気が少なからずあったのではないかと、私はつい想像してしまいます。

血で血を洗う戦国時代に、重い年貢を課されていた庶民の生活は、物質的には非常に貧しいものだったと当時を記す文献には記されていますが、信じる何かがあった人びとの心は、殺伐とした世の中にあっても、少なからず豊かだったのではないかと思えてなりません。


ポルトガルの食事会でいただいた、
半生パオン・デ・ロー

南蛮菓子については、カステラ(ポルトガルではパオン・デ・ローと呼ぶ)、ボーロ、金平糖など、日本に残って独自に進化した菓子をはじめ、江戸時代の文献には名前だけ残ったものの、日本には材料がなくて浸透しなかったもので、ポルトガルには今も存在する菓子など、さまざまな例を上げてお話ししました。

16世紀当時、日本で菓子に当たるものは、茶に添えられる点心のようなもので、木の実や味噌をつけた餅などが主だったよう。
饅頭も、当初は野菜などが入っていて、小豆の餡が入るようになったのはもっと先のこと。
砂糖を使った菓子も全く存在しなかったわけではないけれど、それを食べられるのは、ごく一握りの貴族階級や権力を持つ武将など、いわゆる富裕層だけだったのです。

ですから、砂糖や卵を使った夢のように甘くて黄色くて栄養豊富な南蛮菓子は、一般の日本人にとって味覚の衝撃、大事件。まさに、第一次スイーツ革命だったのではと思います。






アヴェイロという町の最中のような菓子、
オーヴォシュ・モレシュ・デ・アヴェイロ

実際、菓子は布教のために使われる側面があった一方で、イエズス会士のルイス・デ・アルメイダなどが指揮した病院で、栄養食として菓子が与えられたという伝えもあります。

また信仰と菓子は、宗教儀式や祝祭の場でも密接な関係を持ち、
切っても切り離せないものです。

例えば、今もポルトガルのアヴェイロという町で愛されている右の写真の修道院菓子は、最中の皮のような部分が聖餅、つまりキリストの身体を表すオシュテアの材料である小麦粉と水で作られています。中は、卵黄とシロップ(砂糖と水を煮詰めたもの)で作った卵クリームが入っています。
ちなみに、この黄色くて非常に甘い卵クリームこそが、
ポルトガルの修道院菓子の基本になるものです。

貝殻や魚の形を模しているのは、この町が昔から漁業で栄えた土地だから。
最中によく似たこの菓子をポルトガルで初めて見たとき、
私はどうしても、和菓子との縁を強く感じざるを得なかったのです。
近くて遠い、南蛮菓子!

と、このような南蛮菓子のお話を、
セミナーではいろいろとさせていただきました。
天草での南蛮菓子プロジェクトは始まったばかり。
これからも、微力ながらお手伝いさせていただきます。

それにしても、セミナーでお話しするのっていつも緊張します。
終わると、反省点ばかり。
天正遣欧少年使節(てんしょうけんおうしょうねんしせつ)がどうしても言えず、
3回以上噛みました。
これから毎日唱えようかな。

改めて、天草宝島観光協会のみなさま、
セミナーにご参加いただいた天草の事業者のみなさま、
素敵な機会をいただき、ありがとうございました!

2016/10/31

天然生活12月号「日々のスープ」

あったかさも、おいしさです
朝晩、寒くなってきました。
いよいよ、コートの登場かな。

天然生活12月号の
「日々のスープ」という特集にて、
ポルトガル食堂のスープをご紹介しています。

簡単でボリュームのあるスープを、ということで、

作ったのは鶏のスープ、カンジャ。
ものすごく簡単なので、
ポルトガル語で
「そんなの簡単、朝飯前だよ!」
という表現にこのスープ名が出てくるぐらい。

ポルトガルでは鶏を1羽使って作るので

かなりコクのあるスープが取れますが、
日本で鶏一羽を買うのはかなり非日常的。
なので、代わりに鶏手羽先で作っています。
骨付きの部位なら、いいスープが取れます。

ボリュームを出すのは鶏ではなくごはん。

出来上がったスープに、
冷やご飯を加えて少し温めます。
ポルトガルでは米の代わりに
小さなパスタを加える家庭も多いです。

日本の米の冷やご飯なら、押し麦を加えて炊くと、

さらさらして食べやすいんです。

飽きない味で、私は大好き。

手羽先を10本ぐらい買ってきて、
大鍋で煮てスープごと小分け冷凍しておくと、
何もないときに神のような存在になります。

ご興味ある方、ぜひ読んでみてください。

2016/10/21

dancyu11月号居酒屋特集

ひと目で居酒屋とわかる写真と気持ちの良いデザイン。
それにしても短冊の赤線、左端に引いてるのって珍しい
すっかり秋ですね。

10月の始めごろから、
マンションの敷地内に咲く金木星は
いい香りをずっと放ってくれていました。

それまでなんとなく引きずっていた夏気分を、
強い甘いあの香りが
一気に秋に変えてくれる。
秋の金木星は、心の季語のよう。

そして金木星の香りが終わると、
そろそろ朝晩の肌寒さが本格的になります。
急に寒くなったりするから、
風邪をひきやすい時期。

と思っていたら、
早速週末に風邪をひきました。
薄着の人、注意です!
私は靴下が嫌いなので、可能な限り裸足で靴を履いているのですが、
もう靴下をはかないといけませんな。

ところで、現在発売中のdancyu11月号にて、
お仕事しております。

新しい東京居酒屋という企画で、
中目黒の「TANASUKE」を取材しました。
若い夫婦が切り盛りしています。
ご主人は洋の料理推しで、若女将の奥様は日本酒推し。
外観も内装も可愛いカフェのような雰囲気ですが、
お酒のラインナップといい、
料理のひねり方といい、
楽しめる要素がたくさんあるお店です。
居酒屋好きな方、お酒好きな方に熱烈おすすめ。

今度伺ったら、鯖の燻製入りポテトサラダと広島の天寶一でスタート、かな。

2016/09/23

週刊文春カラーグラビア「世界の米料理」

好きな連載は町山智浩さんの「言霊USA」
最新号の週刊文春でお仕事しました。
昔、出版社の社員編集者だったころ、ランチのお友は必ずと言っていいほど週刊文春でした。
そういえば、週刊誌の仕事はこれが初めて。

担当したのは、カラーグラビアのページ。
ちょっとマニアックな世界の米料理をご紹介するべく、都内のレストランを訪ね、取材・執筆しました。

味付けも盛り付けも個性的で、もちろん美味しいところを探しまわり、今回はインド、カメルーン、ポルトガル、マレーシア、パレスチナ、ペルーの6か国6軒の6皿を掲載。
とても賑やかな誌面ができました。

取材前の下調べやリサーチをしながら、米食文化って思っているよりずっと世界の広範囲に広まっている、ということがわかり、驚きました。

主食は米か小麦か。そういうことで言えば実は広範囲で当たり前なんですが、米食文化は私たち日本人のアイデンティティーだと感じているためか、ほかの国にもたくさんの米食文化があることを知れば知るほど、なんだか嬉しく思っている自分がいました。




ご飯ものって、テンション一気に上がります


今回は、みんなが知っているようなチャーハンやビビンバ、パエリヤやリゾットなどはあえて外し、へえーと読む人が思えるようなマニアックなものばかりで構成しています。


美味しい新米が登場するこの季節にご紹介した、少し目先の変わった各国のお米料理。気になるものがあったら、ぜひお店に行って、食べてみてください!



2016/09/15

dancyu10月号「ヴィーニョヴェルデの学校」

表紙は、福尾美雪さん撮影の「肉山のローストビーフ丼」。
ファビュラス&ディヴァイン!
9月も半ば、朝晩はすっかり秋の気配。
もういいよー、とやや辟易していた真夏の暑さや太陽の眩しさも、
いざ去ってしまうとやはり寂しい。
ノースリーブもそろそろしまって徐々に衣替え。
子供時代から大人時代へ、みたいな寂寥感。

でも、秋は食べ物が美味しい季節だから、
気を取り直して行くぜ!大人時代はお酒がじっくり美味しく飲めるぞ、私!

さて、久しぶりに直近のお仕事の話です。

(お仕事ネタって、載せようと思っている間に雑誌の販売が終わっていたりして、なかなかブログにうまく載せられなくて……。というマメに更新していないことへの言い訳を聞いていただいたところで、本題へ。)


最新のdancyu10月号にて、
「ヴィーニョヴェルデの学校」企画が
掲載されております。









基本から、やさしく分かりやすく解説しました

ポルトガルの緑のワイン・ヴィーニョヴェルデを、もっとたくさんの方に知って欲しい。
そんな以前からの思いが、このたびdancyuでの記事掲載になりました。
ワインの専門誌や業界紙とは違うアプローチで、ごく普通に食を楽しむ読者に向けて、ヴィーニョヴェルデの魅力を知って頂きたかったのです。

マニアックで販売数もまだまだ少ないヴィーニョヴェルデですが、こんなに和食と相性が良くて日本人にマッチするワイン、知らずにいるなんてもったいことこの上なし!






和食とのマッチングだけで、見開き2ページいけます

この特集記事は、
今年6月後半に訪ねた、ポルトガル・ヴィーニョヴェルデ協会主催のスタディツアーでの取材内容を中心に、今までの自身のヴィーニョヴェルデ経験も盛り込んでまとめました。

ポルトガル語で緑のワインと訳せるけれど、緑色のワインじゃないのよ、とか、白だけじゃなくて、ロゼや赤もあるのよ(細かく言えばエシュプマンテなどもありますが)、とか、和食と合わせるならこんな風に、というご紹介などなど。

今回は4ページの中にギュギュっとまとめましたが、お伝えしたい魅力はまだまだまだまだあることを改めて実感。

ヴィーニョヴェルデをはじめ、ポルトガルのワインの魅力やワインを巡る旅について、
いずれぜひ書籍にまとめたいと思っております。
ワインを巡るポルトガルの旅の取材、来年も機会を作って行けたら。そんな野望を抱きつつ、今年はこのぐらいにしておいてやるぜ!(誰への台詞?)



プロの発想を素人が自宅で実践できる。
なんてやさしい企画!
ちなみに小岩のお店でも美味しいステーキ、食べられます

ちなみに、第一特集のときめきの肉企画でも、
お仕事しております。

小岩「ビリエット」松島シェフに教わる「赤身ステーキをしっとり&ふるふるにする方法」。
細かくがっつり教わりました。

おうちで赤身ステーキって、なかなか上手に焼けないという声、ほんとに多いんです。なぜなら、脂が少ない分、焼き加減が繊細なので素人にはかなり難しい。硬くなっちゃったり、しっとり感がなくなったり。

でも、松島シェフの提唱するアンチエイジングビーフメソッドをマスターすれば、ごく普通の赤身肉を、ごく普通のフライパンで、素人でもものすごくジューシーに焼くことができちゃいます。

コツは焼き方じゃなくて、肉の保存の仕方。全然難しくない!小学生でもできます。ほんとに。
そして、この方法なら自宅で焼くのはもちろん、BBQなどのアウトドアでも相当重宝します。なにしろ、冷蔵保存すればするほど美味しく焼けるんです。私は今週末のBBQで2回目のアンチエイジングビーフ作りにトライします。





ほかにも、焼肉の名店や羊の読み応えのある企画がいっぱい。
最新のdancyu10月号、これは永久保存版ですよ!

2016/09/06

9月3日の出張「ポルトガル食堂」in旗の台サカナエア

旅慣れた方々が集まったテーブルでは、
いろいろな国への旅話が飛び交っていました
私も交じってお話を伺いたかった!
9月3日土曜日、残暑が厳しい夕方より、旗の台サカナエアにて出張「ポルトガル食堂」を開催しました。

参加いただいた16名の方々は、都内近郊や長野など、様々なところから集まってくださいました。


会場のスペースの関係で今回残念ながら参加いただけなかったみなさまには、次回以降のご案内も必ず差し上げます。


中には、拙著を片手に親子でポルトガルを旅されたという、とても素敵な方々もお見えになり、私の方が、幸せな気持ちにさせていただきました。

毎回、ただただ感謝しかありません。




パンにもほんのりにんにくの風味をきかせています



9月に入り、すっかり夏も終盤、とはいえ、この日の昼間は30℃を超す暑さ。冷たくてシュワシュワのヴィーニョヴェルデを楽しむには、まさに最高の環境です。


最初のスープは冷たいガスパショから。暑い日ににぴったりの、白ワインビネガーのきいた食べる野菜サラダのようなスープです。カリッと焼いたパンと、コリアンダーをモリっと乗せ、よく混ぜてワシワシいただくのがおすすめの食べ方。















ワインの友セット



次は前菜3品。
奥はいわしと玉ねぎのマリネカナッペ、手前はにんじんとオレンジのクミンサラダに、右が牛肉コロッケのクロケッテシュ。

いわしのカナッペ、自宅でもよくつまみで作るのですが、本当にヴィーニョヴェルデによく合います。特に白と。イタリアンパセリをたっぷり降ると、ワインとますます相性が良くなります。

おつまみの薬味的存在は、ワインの青い香りの部分ををよく拾ってくれるんだと思います。決して見た目だけの存在ではないのです。

にんじんサラダは炒ったクミンシードの香りと味がオレンジやにんじんの甘さといいコンビネーション。個人的には、ロゼのヴィーニョヴェルデと合わせたくなります。











あつあつ揚げたて




牛肉コロッケはもちろん揚げたてを。
暑い日の揚げ物、厨房では結構汗だくになります。実際、着替えを用意すべきだったかも、と揚げながら思いました。今度から、そうします。

このコロッケ、牛肉に豚の腸詰、ベシャメルソースとレモン汁が入り、独特の味わいです。でも、家庭でコロッケの種と別にベシャメルを作るのは大変。できればフライパン1つの中で解決したい。というわけで、拙著の中のレシピでは、もっとシンプルな方法をご紹介しています。

ちなみにこれ、娘の大好物。大量に種を仕込むときは夕食のおかず分も忘れずに用意します。今回は娘のスポーツ合宿が当日朝からあったので、お弁当にも加えました。
揚げる直前の状態で冷凍しても大丈夫です。
冷めてもおいしいから、お弁当にも向いてます。









手羽先は手づかみで!



肉料理は、唐辛子やワインビネガーを使ったピリピリソースで半日マリネした鶏の手羽先を。オーブンでこんがり焼いてそのまま手づかみで召し上がっていただきました。

ちなみに自宅で焼くときは、オーブンよりもガスコンロのグリルを推奨。ガスの火力の方が、鶏の皮はパリッと焼けます。



















干しだらの塩気が、日本酒のひやおろしと合うという声あり



シメのごはんものは、干しだら工場の友人アントニーから分けてもらった、干しだらの浮袋入り、白いフェイジョアーダ。添えたご飯は日本の米と押し麦を半々で炊き、黒オリーブと青唐辛子をチラシてあります。
ご飯のアレンジは私の思いつき。フェイジョアーダの優しい味には、ちょっとアクセントが欲しい。そこで、オリーブの塩気と青唐辛子の青い風味、シャープな辛さを加えました。

ちょっとアレンジし過ぎかなと気になっていたのは、この日お客様の中にブラジル出身の方がいらしたから。ブラジルはポルトガル語を話す国で食文化も共通項が多く、フェイジョアーダは日本のカレーみたいな身近な存在。





その方から、おかわりくださいと言っていただけて、素直に大喜びした私でした。
このような料理会でも自宅の食事でも、おかわりないの?と聞かれることほどストレートな褒め言葉はないと思います。おかわり?あるある!あとちょっとね。
ほんと、楽しいやり取りです。




甘いものは別腹ですから

お楽しみのデザートは、サカナエアの店主・田村さん特製バニラジェラートに、ブラックチェリーをポルトガルのさくらんぼりキュール・ジンジーニャで煮たものをソースごとオン。まわりにクランブルを散らし、ミントをのせて。


ジェラートの上にチェリーをのせると、たちまち滑り落ちそうになる。分かっちゃいるけど、できればのっけてお出ししたい。でも難しい!実際、お客様のテーブル到着直前にストンと滑り落ちることもしばしば。苦笑しながらお出しするばかりでした。


見た目はそれとして、ジンジーニャのソースはバニラジェラートととてもよく合い、ミントもいいアクセントに。

ジンジーニャは、チョコカップに入れて飲むこともあるので、次回はビターチョコをくだいたものを少し散らしてもいいかも。
次回チャレンジしてみよう。





ヴィーニョヴェルデの赤は、
アフロスのヴィニャオンが人気でした

ワインは、定番のヴィーニョ・ヴェルデ白、赤のヴィーニョ・ヴェルデ、モダンなオーガニックの造り手の白、ロゼワインなど全9種類をお出ししました。


初めてヴィーニョヴェルデを飲まれる方も多かったのですが、ひと口飲んで、シュワシュワ感や爽やかさ、広がる香りや酸のきいた味わいなどを気に入ってくださり、やっぱり日本人の口に合うワインなんだと思いました。










ところで、改めて考えてみました。
私はどうしてこのようなイベントを開くのか。
準備も大変、当日もてんてこ舞いなのに。
ライターであり編集者なのに。
それはやはり、自分が書籍や雑誌でご紹介している料理やワインを、実際に食べたり飲んだりされる方の声が聞きたいのです。味わっている表情をちらっとでも伺いたいからです。
そしてまた、自分の本を読んでくださった方の感想が直に伺えたりするのも、このような場だからです。
自分の仕事がどんな風に皆さまと関わっているかを感じたい。
仕事が独りよがりになっていないだろうか、受け止める人はどう感じているのだろうか。
そんなことが見えにくい仕事だからこそ、このようなイベントを、不慣れながら続けているのです。このような場でこそ、気が付くことがたくさんあるのです。

手際が悪い場面など多々あるかもしれませんが、今後とも、なにとぞ大目に見ていただけましたら嬉しい限りです。笑ってばかりで真剣に見えにくい私ですが、結構精一杯、あたふたと頑張っております!

さて、次回のイベントは、いつにしよう。
10月は8日土曜日に通常の自宅教室を予定しております。
ご予約はこちらからどうぞ。

改めてご参加いただきましたみなさま、サカナエア店主の田村さん、どうもありがとうございました!