2015/12/24

dancyu1月号 いい店ってなんだ?

現在発売中のdancyu1月号は
ウキッと、潔い表紙!
創刊25周年記念特別号。
25年間で実に300冊。
本当におめでとうございます。
ということは、もう300回も、果てしない校了の夜を超えてきたんですね。
関わってきた(関わっている)多くの編集者の皆さんに、心を込めて「お疲れ様です」を伝えたいと思います。

雑誌というものが昔ほど読まれなくなって、どの編集部も必死で踏ん張っているこの時代に、
元気のある雑誌が健在なのはなんと嬉しいことよ。

本や雑誌が好きで、
本や雑誌を作りたくて出版社に就職した私としては、
昔から愛着のある雑誌が元気で周年記念を迎えているということは、自分のことのように嬉しい気持ちになります。
まるで遠くに住む甥っ子や姪っ子が立派に成長して世間で活躍しているのをTVや雑誌で知るかのような、
勝手に誇らしさをかみしめるような感情が沸いてくるのです。
私は昔からキミをよく知ってるよ!
おむつだって変えてあげたんだからさ、という感じ。
そんなちょっと片思いのような、一人よがった気持ちが沸いてきます。


今回はその嬉しい記念号に、
「dancyu」に縁のある書き手52人の一人として、
「いい店とは何か」についてお店を1軒だけ選んで文を書きました。

お店を1軒だけ挙げるということも、
いい店とは何かを簡潔に書くのも、
普段はなかなかしないことです。
とても難しいですから。
結果的に、非常に思い入れの強い仕事となりました。

たくさんの書き手の方々のエッセイは
それぞれ非常に読みごたえがありました。
個人的には姫野カオルコさんのエッセイにグイグイ引き込まれました。

もっともっと、読ませる文を書けるようになりたい。

どんな文なのか、誰がどんなお店を選んで何を書いたかの詳しい内容は、
ぜひ書店でお手に取って読んでいただければ嬉しいです。
(さらには購入いただければとっても嬉しいです!)

年末年始はPCやスマホから少し距離を置き、
紙に刷られた雑誌や書籍をじっくり読むというのも
楽しい過ごし方です。
私も年末年始にじっくり読みたい本が待っています。

その前に、もうひと仕事!

2015/12/01

dancyu12月号「あしたのワイン」

ワインは味わいや香りもさることながら、
自然な色合いも詩的で魅力的
現在絶賛発売中のdancyu12月号
「あしたのワイン」でお仕事しました。
次号がもうすぐ発売になるけれど、
まだ書店に並んでいるかな。
並んでいたら、ぜひお手に取ってみてください。

日本でつくられているワインについて、
いま飲みたいワイン、
ワインを楽しめるお店の紹介、
自然派ワイン、
泡もの、
スーパーでのワインの選び方
などなど、
切り口もいろいろ。
読ませ方もさまざま。

ワイン好きならどのトピックもきっと、
面白いなあと思える内容です。

私など、郵便受けで雑誌の入った袋を見るなり
びりっと封を破ってページを開いたら
そのまま記事から目が離せなくなり、
牛歩の状態で読んでいたら、
エレベーターホールで中から出て来た人と
思わずぶつかりそうになってしまいました。
ごめんなさい、ぶつかりそうになった方。
人迷惑な歩きスマホ、ならぬ歩き読みです。
立ち読みの方が集中してしまうという
悪い癖なんですよね。



ワイと果実に溺れる~。気持ちいい~

この号の私の担当は
「果実に溺れる」。
素材の持ち味を生かしながら
スタイリングも美しい料理を作る、冷水希三子さんの果実を使ったおつまみに、
満月ワインバーの仕掛人でもある鎌倉「天蓋 耝餐(そさん)」石井英史さんが
よく合う自然派ワインをセレクト。

このペアリングは、止まらないループとなりました。
つまり、つまんで飲んでまたつまむの流れがクセになりそうな面白さでなかなか抜け出せずに、
撮影後もずーっと飲んでつまんでペアリングを語り合って、
撮影終了後も現場が
果実&ワインのレストランと化したのでした。

鎌倉での撮影だから帰りはプチトリップ。
でも、このペアリングを反芻しながらの帰路は
ご機嫌かつ幸せな気持ちなのでした。

ちなみに、個人的に一番気になった記事は、
富山の「セイズ ファーム」というワイナリー。
2008年からぶどう栽培をスタートして、
2011年から自社畑産ぶどう100%の
ワイン造りが始まったそう。
しかも、スペインやポルトガルの海沿い地域で昔から栽培されている
アルバリーニョにもトライしているそう。
氷見の魚とワインのペアリングが楽しめる場所。




この本を作るお手伝いをしながら、
私もいろいろと刺激を受けました
アルバリーニョと聞くと、
私は新潟の「カーブドッチ」を
パッと思い起こします。
もうかれこれ7年前になりますが、
取材をしていた当時、
すでにこの新潟のワイナリーでは
アルバリーニョに目をつけていて、
隣の「フェルミエ」さんと一緒に
栽培を始めていました。

「カーブドッチ」というワイナリーは
非常に面白い存在です。
1992年に設立されたこのワイナリーは、
新潟のなにもない砂丘の荒れ地を開墾し、
100%自家栽培ぶどうを自家醸造し、
そのワインをワイナリーを訪ねた人たちが
その場で気持ちよく楽しめるという仕組みを成功させた、
ヨーロッパ型ワイナリーの先駆者的存在です。
訪ねたことのない方は、
ぜひ一度訪ねて欲しい。
季節ごとに花が咲く美しい庭は日々手入れされ、
ワイナリーに点在するレストランやパン屋、
ドイツ式のシャルキュトリー、ジェラート屋と、
どれもこだわりの味を楽しませてくれます。
かつてこの地が
何もない荒れ地だったと言われても、
訪ねた人はきっと、
誰も信じることができないに違いありません。
早々と、ぶどうの苗木のオーナー制度を始めたのもここ。
遠方からのお客のニーズに応えて
居心地の良い温泉つきの宿泊施設も作っていて、
なんとAVEDAのスパ体験もできます。
ワインを軸に、人が楽しい時間を過ごせるようにと
徹底して考えられた場所です。

当時ワイナリーの社長だった落希一郎さん
(今は北海道で新たなワイナリーに取り組まれているそう)が
ゼロからワイナリーをつくったその軌跡は

「僕がワイナリーをつくった理由」(ダイヤモンド社)
http://www.amazon.co.jp/dp/4478004234/?tag=yahhyd-22&hvadid=67653137435&hvdev=c&ref=pd_sl_57b14pj9j3_b

という書籍に
詳しくあります。

この本作りのお手伝いをした経験は、
私自身、ワイン作りの基本的なことを知るきかっけにもなりましたが、
それ以上に、ダイナミックな生き方を実践している
落さんや副社長(当時)の掛川さんに、
生き生きした大人の生き方を、目の前で見せていただいたわけで、
インタビューをさせていただきながら、
まぶしいくらいパッションを感じたのでした。
何もないところから次々と何かを生み出し、
それらを大きく成長させる現場には、
先を憂う前にまず歩き出すことを実践する人の逞しさが溢れていました。

ワインでも、料理でも、書くことでも、なんでも、
どこかで自分なりに楽しみながら、
少しずつこつこつと続けていくことで、
いつか振り返ったときに
それらがいい形になっていたら。

そんな風にこれからの人生を生きていきたいなあと、
思うきっかけになった本作りでもありました。
憂いより一歩前に。
人生はやっぱり、旅なんですよね。

2015/10/29

親子の旅in小浜島


沖縄の八重山諸島のひとつ、小浜島へ行きました。
仕事だけど、書くほうじゃない。撮るほうでもない。
親子で撮ってもらう仕事。
こんなご褒美、人生初です。
取材じゃない仕事で、しかも親子で行けるなんて。
なかなかない機会なので、
ふたつ返事でお受けしました。

さらに考えてみたら、
私と娘の2人だけで友人親戚のいない先へ旅するのも初めて。
娘は初めての沖縄に、ずっと前から楽しみで興奮が止まりません。
エキサイティングな様子の娘を横目に、さて、どんなことになるやら。

旅の準備は隙間時間に少しずつ進めました。
自分ひとりの取材旅なら、
デニム+トップスの着回しなど小さいパッケージで行くのが常ですが、
今回は撮影に使える服も用意してといつもより準備が必要。
子供が寝た後、ささっと見繕います。
なにしろ、こっちは秋だけどあっちはまだまだ夏モード。
夏服を引っ張り出して詰め込みます。
一番迷うのは行きと帰りの服。
こっちは寒いけどあっちは暑い。
結局、ロングスカートにカットソー+カーディガンで、ローファーに素足で行きました。
飛行機や車など座ることが多い行き帰りは、
デニムだとお尻が疲れる。
スカートやショートパンツのほうが快適です。


石垣島に着くと、肌に感じる空気はまだまだ熱を持った夏のそれ。でも、風が吹くと心地よい。
10月は旅に適した気候です。

石垣からさらに船で小浜島へ。
空港から港まではタクシーで移動。
運転手さんの英語が流暢で話が弾み、
ほかに中国語も自分で勉強していると聞いて
ほったらかしにしている
語学勉強不足の自意識がチクチクします。
父ほども年が離れた方と、
語学の勉強方法について話ながら
母ちゃんはちょっと反省モード。
(でもこの手の反省ってあきれるぐらいそのとき限り。だから上達しないんだよ!)で、
ふと横を見ると娘はウトウト。
移動続きだからか、
めったにしないお昼寝をしてました。
昼寝している娘の顔をじっと見るのは本当に久しぶり。
近くにいるけど、娘の顔をじっと見ることが少ないんだなあ、私。
そう思いながら船に乗り、小浜島へ。


滞在したホテルは本当に快適でした。
子供と楽しめるように、
様々なアクティビティがあります。
着いたら早速、夕方の小浜島の自然を楽しめるコースに参加しました。
カートに乗ってナビゲーターの案内を聞きながら、孔雀が走る様子を見たり、
八重山オオコウモリが羽を広げて飛ぶ様子を見たり。琉球アサギマダラという蝶の美しさに喜んだり。娘以上に私が大興奮です。

ガジュマルの木も生えています。
モシャモシャです。
根っこだか枝だか幹だかわからない。
自然に入り組んだ様子が、
家のようにも見える。
ここで記念撮影しないわけにはいきません。





翌日から、撮影開始。
刻々と変わる空模様に合わせて、
いろんなところで写真を撮りました。

やっぱり一番印象的だったのは浜辺です。
海や空の色は
青や緑のグラデーションを帯びて美しく、
貝殻交じりの砂浜が足に心地よく、
吹き抜ける風が爽やかなことこの上なし。

東京を離れて自然に癒してもらうには、
絶好の場所です。
あとはジンライムでもあればいうことなし。
ライムのかわりにシークワーサーでもいい。
ジンよりウォッカかな。
ワインじゃない気がします。
ビールは普通過ぎるし。
なんでもいいから飲みたかった、
ということです。
音楽はなんだろう。
やっぱりパットメセニーかなあ。






最終日の午後に自由時間ができたので
娘と二人、小浜島をドライブに出かけました。

自転車で、と思ったのですが、
電気自動車が乗れるというのでそっちに変更。
運転は数年ぶりです。
ほとんど信号のない小浜島。
制限速度40キロの小浜島。
久しぶりの運転にぴったりじゃないですか!

もともと運転は大好きだったので、
電気自動車も興味津々。
エンジンかけても静かだし、
走り出しも静か。
車に乗ってる実感を、
いかに耳で感じていたかがよくわかりました。





海への抜けの抜群な景色を楽しみながら、
港へ。
港沿いの食堂では、
私がゴーヤチャンプルー、
娘が八重山塩焼きそばを注文。
地元の人と観光客で、
ほどよく混んでます。

出来立てをハイ。
これがおいしくないわけ、ないじゃないですか!
娘の食べる勢いがものすごくて、
しかもおいしいを連発するので、
八重山塩焼きそばに
ちょっとジェラシー感じちゃいました。
変な母ちゃん。

すると、その変な視線を察知したのか、
「お母さんの料理もおいしいよ」と
ふと言われて苦笑いしてしまいました。
こんな気遣いをするぐらい、
心もどんどん成長してるんだなあ。
塩焼きそばにがっついている娘を見ながら、
なぜかしんみり。
でも、娘をじーっと見ていたら、あれ、箸の持ち方がいまいちだなあ。
気になります。
即、指導です。
ただし、いつものあわただしい食卓で言うのとは
心の様子が違います。私も優しく指摘できる。
普段の食卓でも、もっと優しく言えるようにしたいなあ。



島は数時間で1周できるほどの大きさだけれど、
景色は本当に様々。
山の上の見晴台からは、
近くの八重山諸島を見ることもできたり。

ここは、植物の生命力が桁違いです。
緑は濃く、
海は澄み、
日差しは強い。
自然の逞しさがそこここにある、
魅力的な島でした。

また訪れたいなあ。
次は、ビーチで飲みたいなあ。



2015/10/16

11月の「ポルトガル食堂」募集開始いたします。

おしゃれなお客様にいただいた、秋の花束を飾って
10月も半ば。
さっき気が付きました。

仕事でノートにメモするときは
必ず日付を書くのですが、
完全に記号化していて実感ゼロ。
改めてはっとしました。
10月、毎日が早すぎる!
この先師走まで、怖いなー。
 
毎日が駆け抜けていく感じ。
日暮れの時間もぐんぐん早くなって、
あっという間に夜が来る!

夜が来たら、もうワイン開けるしかない。
だから秋冬は酒量が増える気がする。

そうか?
夏は夏で飲んでるじんじゃないかな、私。
変わらないんじゃないかな。

どうでもいいことを考えちゃいました。
夜が長いせいかな。

さて、11月の「ポルトガル食堂」の
参加者を募集開始いたします。

11月は7日(土)と28日(土)を予定。
どちらも12時~15時の予定です。

ご興味ある方はこちらまでどうぞ!
お米の料理、温かい料理を中心に予定しております。

2015/10/01

9月19日の「ポルトガル食堂」はワインが進みました。

9月後半、いよいよ残暑ともお別れ!

さ、今日から10月。
残暑気分はすっかり消えて、
季節はきっぱりと秋。

玄関に出しっぱなしだったサンダルも、
そろそろしまわないと。

と、秋の話をするその前に、
少し時間が経ってしまいましたが
9月19日の「ポルトガル食堂」の様子を
ご紹介します。

いつも楽しい方が集まってくださり、
旅の話や料理の話などで
私が一番楽しませていただいているのですが、
19日は特にワインが大好きな方、
ワインに強い方が多かった!

ワインが好きな私としましては、
こんなに楽しいことはありません。
だって、皆さんのペースに合わせて、
私もどんどん飲めますから!




お酒のある食卓って、ほんとに楽しい!
ヴィーニョ・ヴェルデからポートワインまで、
料理の合間に次々注いで、
たっぷり楽しんでいただきました。

普段はなかなかデザートのポートワインまで
たどり着かないのですが、
この日はデザート前にデザートワインの方が
4名。
ニーポートの赤のほかに、
カーザ・ダ・サンタ・エウフェミアの
白ポートの古酒も開けました。
現地で買って大事に寝かせていたワイン、
ワインが好きな方に飲んでいただけて、
幸せだったに違いありません。
 
この会で改めて感じたことが一つ。
お酒が進むと、
無性におつまみを作りたくなってしまう。
ポルトガル料理の教室と名乗っているのに、
冷蔵庫のあれでなんか作ろうかな、と、
いつもの自宅での飲み会ノリに
危うくなってしまいそうでした。



次回は10月10日(土)12時~と、
16日(金)12時~を予定しております。
気になる方はこちらまでお気軽にご連絡ください。

ご参加お待ちしております!




2015/09/09

イラストレータ・小池ふみさんの個展 at神宮前HBギャラリー

先週末、
イラストレーターの小池ふみさんが神宮前のHBギャラリーで個展を開くと聞き、
娘といそいそと出かけました。

わくわくし過ぎて、
冷蔵庫に冷やしておいたプレゼントのワイン(もちろんヴィーニョヴェルデ)を
まんまと忘れてしまいました……。

イラスト、イラストを引き延ばしたプリントワーク(ディティールに思わぬ効果が!)、
木を切って塗った立体作品など、自由で楽しい

小池ふみさんとの出会いは、
昨年、自著の文庫の表紙を描いていただいたのがきっかけ。
それ以来、すっかり彼女の作品のファンです。


我が家のダイニングには、
彼女の描いてくれた
ポルトガルのスープ「カルドヴェルデ」と、
チーズ「ケージョフレスコ」の
2枚の絵を飾ってあります。
どちらも文庫の表紙の候補で、
最終的にケージョフレスコに決まりました。

このイラストは、
私のエッセイを読んでから、
小池さんが印象に残った食べ物を
イラストに起こしてくれたのです。

2枚を見たとき、
絵はときとして、
写真よりずっと饒舌になるんだと感じました。






見る人の心を和ませる、独特のタッチもとても魅力的。
今回の個展でも、作品の一つ一つを思わずじっくり眺めてしまう吸引力がありました。
コーヒー、犬、セーター、男の人や女の人の後ろ姿、
どんなものも彼女の手にかかると、個々に存在感を放ちます。

単色を表す際に、重ねる色や筆使い、
ディティールの見つめ方がなんとも言えないのです。
これって描く人の優しさ? 好奇心?
何がこういう作品を生むんだろう。

作品にはどれも、どこかしら温かい印象があります。
でも、決してそれだけじゃない。
描かれた対象そのものの個性がぐっと引き出されている。
それが効果を生んで、
ときとして、モノなのにまるでキャラクターのように見えてくることもあります。

そのものの一番の魅力をそっとすくいとって、
大事に、丁寧に描きこんでいく。
でも、ときどきスコーンとラフな部分もある。
すべてをきっちり描き過ぎないから、穏やかな印象になる。
自然とそこには、心地よさが潜むのでしょう。
あるいは楽しさ、美味しさなども。

置いてあった小池さんの作品集の中に、
その場には飾られていない黄色いセーターの絵を見つけました。
網目のふっくら感、そして何より上品で温かな黄色が、本当に着てみたくなる!
この原画、見てみたい!
ふみさんに原画はもうないのかと伺いました。
あったらもちろん、家に連れて帰りたい!
でも、既にスペインの個展で売れてしまったとのこと。

これから生まれる作品、とっても楽しみにしています!

2015/09/07

9月5日の「ポルトガル食堂」は、よく飲んでよく笑いました。

国産レモンは宮崎産を使いました
9月5日の「ポルトガル食堂」は、
まだ夏の暑さの名残りを感じる日の
お昼から開催しました。
お越しいただいたみなさま、
ありがとうございました。

最初にお出ししたのは、
ポートワインの白をトニックで割り、
たっぷりのミントとレモン果汁を加えた
爽やかなポートニック。
蒸し暑い日だったので、
みなさんゴクゴクと爽快な飲みっぷり!
飲みっぷりがいいって、
見ていて気持ちいいものです。

そう、今回のお客様は
偶然ですが見事にみーんな飲む人!
つられて私も、
どんどん飲みながら料理を作っておりました。




輸入元は、オーガニックワインに強い
岸本(ワインポルトガル館


ポートニックに続いては、
しっかり冷えた
ヴィーニョヴェルデの白を。

今回は大阪の岸本が輸入している、
モウラスのエア(写真右)。
オーガニックな造り手のもの。
すっきりとした味わいですが、
香りは華やかさがありコクもある。

そして、
このワインは味わいもさることながら、
ラベルが洒落ていて好きなんです。
蝶のモチーフの部分に注目。









蝶のデザインもかっこいいんです

なんと、蝶の羽が
立体的に浮かぶ仕掛けです。
もう少し寄ってみると、ほら。

この遊び心!
遊び心大好き。
ボトルに蝶が止まっているように見えたり、
あるいは、
蝶がボトルから飛び立とうとしているようにも見えたり。

嗜好品であるワインに
ちょっとした造り手のユーモアが加わると、
魅力的この上ない。
休日のひとときが、
このボトル1本で
ぐっと盛りあがります。
もちろん会話も弾みます。

ユーモアってやっぱり大事。


シュワシュワの微発泡ワインは、
軽い前菜にぴったり。
イワシと紫たまねぎのマリネを、
浅草「マニュファクチュア」の
雑穀カンパーニュのスライスにのせました。
写真、ありません。
教室を開いている間は
料理とサービスで手いっぱいで
いつも写真が撮れません。


小さいからパクパクつまめる。まさにおつまみ!

ヴィーニョヴェルデが1本空かないうちに、

ポルトガルから輸入した
バカリャウ(干しだら)を使った
コロッケを揚げました。

じゃがいも、バカリャウ、卵、
たまねぎ、イタリアンパセリ。
材料は以上。
今回はバカリャウの塩気が強かったので、
調味もほとんどなし。
衣もつけません。
それだけに、
揚げる前のたねの粘度が肝心です。

たらとじゃがいもって、
本当に相性がいいなあと思える。
素朴なコロッケです。
私は後ほど冷めたものを
ワインといただきましたが、
冷めてもいけるのがこのコロッケのいいところ。
ポルトガルではむしろ、
冷めてからサーブされることが多いです。


豚バラの代わりに、腸詰でもOK。
肉と貝の組み合わせが、旨みに厚みをもたせてくれます
メインはあさりと豚バラごはん。

ポルトガルの南部では定番の
あさりと肉類の組み合わせ。
カルネ・ド・ポルコ・ア・アレンテジャーナ(豚とあさりのアレンテージョ風)などはもちろん、
南部の鍋料理・カタプラーナでも
よく見かけます。
トマトベースのあさりと豚の鍋は
締めのごはんをプラスすることもあり、
それを再現しました。
ごはんにはトマト、あさり、豚肉の旨みが
入って、それはジューシーです。

ポルトガルで使われる米は長粒米なので
米を加えてもさらっとした仕上がりになるのですが、
日本の米で作ると米自体の水分が多いので
スープの多いごはんはもったりになりがち。
なので、2~3割程度押し麦を加えます。
そうすれば、パラッと食べやすくなります。

デザートは天国のクリーム。
いやーそれにしても、
本当によく笑った会でした。
ゲストのみなさま、
あらためて、
楽しい時間をありがとうございました!

10月は、
10日(土)と16日(金)の予定です。
どちらもお昼の12時ごろから。
ご興味のある方はこちらまでどうぞ。

2015/09/04

10月の「ポルトガル食堂」募集

あっというまに9月。
アレンテージョの組み合わせ、
豚とあさりごはん。トマト風味です
まだ蝉は鳴き終わっていないというのに、
もう暦の上では秋です。

ああ、8月の旅のこともアップしてない!
夏の間にやろうと思っていたこと、
あれもこれもできていない!
それなのに9月。

夏が終わる寂しさと同じかそれ以上に、
9月の頭は毎年、
気持ちが焦ってしまいます。
宿題の自由研究が終わらないまま、
新学期に焦って登校していた頃から数えたら、
もう30年以上、
9月の頭は焦ってる。

まだ暑いときも多いのに、
もう夏って言えないなんて。
今年もあと4カ月だなんて。
9月の前半って、なんだか毎年焦ります。

と、9月の焦りを書きたいのではないのではなく、
私がお知らせしたいのは
10月の「ポルトガル食堂」の予定です。

9月の「ポルトガル食堂」は、
おかげさまで5日、19日ともに満席となっております。

そこで10月の日程も決めました。
10日(土)12時10分~
16日(金)12時10分~

16日は久しぶりに平日です。
週末の予定がいつも合わない方など、
いかがですか?

お申し込みはこちらまでどうぞ。

そろそろ新米の季節ですね。
やっぱりたこごはん?
鶏ごはん?
きのこごはん?
たらとえびごはん?

2015/08/04

お弁当と女性

小学1年生の娘にとっては、
納豆巻きが基本の我が家のお弁当。
この日は試しに梅かっぱ巻きを1個加えましたが、
帰宅した娘は「納豆巻きだけにして!」
待ちに待った夏休み。

小学1年生の娘を持つ母親にとっては、
ついに来たかの夏休み。
毎朝のお弁当づくりの大変さを
先輩ママ達に聞いていたから。

夏休みは子どもが毎日学童に通うので、
7月後半から8月いっぱいは
自動的に毎朝お弁当作りが待っています。


すでに2週間過ぎましたが、
お弁当作りはスポーツっぽい。
時間配分と計算された動きで、
朝ごはんと同時に用意しなきゃいけない。
子どもの支度もまだまだ手伝いが必要だったり。

私はお弁当作りがかなり好きな方だから
いいけれど、料理が苦手、
あるいは料理にそれほど興味がない人には、
この仕事は相当重荷だろうと思います。







料理=女性の古い考え方を、
教育レベルで変えないと、
この手の問題は解決しないと思う
そんな中、昨日の朝日新聞に
面白い記事がありました。
タイトルは「キャラ弁から考える」
キャラクターを模したお弁当作りが流行る中、
内閣官房のツイッターが「女性応援」として
キャラ弁を作っている女性を

~「朝起きるのがつらい日もある。
それでも毎日早起きしてキャラ弁を作れる理由とは?」~

とツイートで紹介したのに対し、
政府に批判的なコメントが多く寄せられたのが
この記事の大もとだそう。

確かにこのツイート内容、
批判が欲しかったの?と思うぐらい、
思慮が浅くてがっかりです。
この担当者および関係者は全員、
毎朝家でお弁当と朝ごはんを作ってから出勤し、
女性応援の仕事をして下さい。
少なくとも向こう1カ月間、毎朝です。
やってみないとと分からないでしょうから。


このタイトルだとキャラ弁の善し悪しも気になりますが、
それは趣味嗜好や考え方の問題。
そんなことはこの問題のおまけのおまけ。

私が引っかかるのは、
この頓珍漢なツイートをした内閣官房が、
朝ごはんの用意もあるのに
働く女性がお弁当を作るとはどういう労働状態なのか、
そんなとき、パパは手伝わなくていいのかというところに
想像力が働かなかったことが問題だと感じるのです。

どうせ女性応援のツイートをするなら
「朝起きるのが大変だから、夫婦交代でお弁当を作ろう!」
とか、
「毎朝の朝ごはんとお弁当は夫婦で手分けして乗り切ろう!」
とか、
そういう視点で刺激すればいいのに。
どうしたら夫は妻を助けられるだろうか
という考え方が欲しかったですね。





私はお弁当が大好きです。
ときどきはおにぎりの弁当も。
でもやっぱり「明日は納豆巻きにして!」と言われます
作るのも、食べるのも。

小学生の高学年ぐらいから、
ちまちまおかずを作ってお弁当箱に入れ、
おにぎりを握り、
友達と近くの公園に出かけて
一緒に食べるのが大好きでした。

中学生になると
土日の部活のお弁当は自分で作りました。
基本は納豆巻きです。
だって納豆が大好きだから。
お弁当でも納豆が食べられるなんて最高です。
さらに学校に持っていった納豆巻きは、
友達のからあげやしゅうまいや、
時にはチョコパンなどと
物々交換することも多く、
それもとても楽しかった。

中学の頃に好きになった男の子にも、
体育祭や文化祭のときのお弁当を
作ってあげてみたり。
張り切って茶巾ずしを作ったこともあったなあ。

お弁当、元気な時はいいんです。
好きだし頑張れます。
でも、疲れているときのお弁当はきつい
やってみると毎日の大変さも身に染みます。  


お稲荷さん。甘い味付けが好きかと思ったら
「納豆が入ってるかと思った」と言われました。
どんだけ納豆好きなの
ところで、お弁当をラクに作るには
いくつかコツがあります。
その一つが買ってきたものの利用。
煮豆系やお漬物、練りものなど
市販品を必ずストックしておくと、
味のバリエーションも増えます。

からあげも、冷凍品を買わなくたって簡単。
鶏モモ1枚を買ったら6ピースに切り、
表面にごま油を塗ってラップでぴっちり包み、
冷凍しておきます。
それを朝、電子レンジでチンして
8割ぐらい解凍し、
表面に片栗粉をふり、
小さいフライパンに油を大さじ1入れ、
両面をこんがり揚げ焼きすればOKです。
塩、こしょうなどの味付けは好みでどうぞ。
冷凍するときに、
花椒の粒をつぶして散らしておくと
肉にいい香りがつきます。





政府の女性応援なんて期待してたら、
夏休みは終わっちゃいます。
ラクに楽しくできるように手間は省き
日々のお弁当作りを頑張りましょう。