2016/03/12

いいレシピってなんだ? なんだろう。

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「いいレシピってなんだ?」
で、執筆しました。

いいレシピって、なんだろう。
ね、なんでしょう。
シェフも主婦も料理男子も料理キッズも、
料理をする人はみんな、いいレシピを求めます。
思いは巡る、誰もが饒舌になれる、
台所好きには楽しいテーマです。
いいレシピ話をつまみに、お酒が飲めそうです。
大袈裟かもしれませんが、
いいレシピってなんだろう?は、料理の哲学を追及する
率直で非常にわかりやすい言葉なのかもしれません。

dancyuの誌面では、
料理家・山田英季さんがつくる手土産料理
「魚介の実山椒オイルコンフィ」を軸に、
私なりにいいレシピについて思うところを書きました。
書いていると、無意識だった意識がポコポコ出てくる。
自分なりに結構思っていることがあったんだと、
ちょっとした発見でした。

字数が限られる誌面では書ききれなかったので、
「いいレシピってなんだ?」について
もうすこしだけ書いてみようと思います。


いいレシピ、という響きは、
いい料理とはかなり違います。
料理だと、自分じゃない誰かがつくるかもしれないけれど、
レシピだと、自分がつくるもの。
いい店見つけたよと誰かに言われたら、
どこどこ、今度行こうよと答えて、
その時点ですこし先のお楽しみになります。
でも、
いいレシピ知ってるよと言われたら、
今すぐ知りたい。
なになにどんな料理、材料はとぐぐっと前傾姿勢になり、
聞いて覚えて(あるいは書き留めて)なんともおいしそうな完成を想像する。
自分でトライする直近のお楽しみになるのです。

いいレシピはぐっと自分事です。
一人で食べるなら、飾り立てる必要がない気安さもあります。
が、半面結構シビアでもある。
だって、自分の舌はごまかせない。
何回つくっても自分が素直に飽きない味じゃないと、長く愛しにくい。

それから、できれば材料が気楽だとより愛せる。
コツさえおさえれば、大雑把でもそれなりにおいしいという手順の気軽さも、
私には大事なポイント。

さらに欲を言えば、

家庭料理は時間の余裕がない状態や
仕事帰りでちょっと疲れているときにつくることも多い。
だから難しくないと有り難いし、
洗い物も少ない方がいいに決まってる。

と、いろいろ思うところはあるのですが、

じゃあ結局何がいいレシピなんだというと、
結局、初めてそのレシピでつくった人が素直においしいと感じられることが、
一番大事なんだと思います。
そしたらまたつくりたくなる。
そしてさらに、
いいレシピを手に入れたら、
自分で何度もつくって、
自分なりのさじ加減を見つけ出す。
自分なりの工夫をしてみる。
そうすれば、何度も何度も飽きずに食べたくなる、
自分にとってのいいレシピができるんだと思います。

私にとっての最近の「いいレシピ」は、

ポルトガルで食べたたこごはんのレシピ。
ポルトガル料理は和食に通じるなあと、いつも食べながら思うのです。
だから、飽きないのかな。

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