2012/05/07

DOCE ESPIGAのお菓子

卵のケーキ。オリジナルはカバッカ・ミニョータ
という北部ミーニョ地方のお菓子で、
卵の風味が抜群です。
カバッカは南部ではボーロ・デ・ジェマと呼び、
九州各地で見るボーロの原型とも言われています。
手作りの素朴で誠実な味が評判だった
ポルトガル菓子店「DOCE ESPIGA」。
http://ichigaya.keizai.biz/headline/884/


オーナーは高村みゆきさんという
ガッツと好奇心あふれる明るい女性です。


東京のポルトガル料理店で修業後、
自らポルトガルに行って料理修業し、
帰国後に「DOCE ESPIGA」を開店。


製造から販売まですべて一人で行い、
その味の評判を聞き付けて
飲食店関係者もリサーチに来るほどでした。


カボチャのケーキ。ポルトガルではカボチャを
ジャムやケーキによく使います。
これは、生地にカボチャを練り込み
シナモンをきかせたしっとりした口当たりの
高村さんオリジナルレシピのケーキ。
ファンが多かった人気のお菓子の一つです







平日は半蔵門や四ツ谷の街角で、
週末は国連大学前のファーマーズマーケットで
かわいい3輪自転車に菓子を乗せて販売。
約2年間好調に営業していましたが、
4月29日のファーマーズマーケットを最後に、
一度お店を閉めることに。


なんでも、お菓子工房として利用していた一軒家が、
老朽化で取り壊しになるのが決まったからだそうです。

お店で一番人気だった「パステル・デ・ナタ」。
手のひらサイズの卵クリーム入りのタルトで、
日本ではエッグ・タルトの名でよく知られています。
高村さんのナタは皮がパリッと軽く
リスボンのベレンの店のあのナタにかなり近い!






















最終日の29日は朝から高村さんのお菓子ファンが次々と店に足を運び、
高村さんに声を掛け、
午前中には大半のお菓子が売り切れに。
私はお昼前からそばで様子をうかがっていましたが、
高村さんのお菓子ファンの方々は
みなさん一様に、


セリカイア。ふくらみを抑えた、平べったいスフレの
ようなケーキ。しっとりした口当たりと控え目な甘さは
日本人好みの仕上がりに。ポルトガルでは
アメーシャという青梅の甘煮を添えますが、
こちらはプルーンを添えて上品に


「これからどうするの? いつお店を再開するの?」
と気にされていました。
高村さん、
今後しばらくはポルトガルの各地を回って、
新しい味に出合うための旅をするそう。
きっとその旅の中で、
次の展開の構想も練られるのではないかと思います。


高村さんと知り合ったのは、
私の書いた本がきっかけ。


2人を知る日葡協会の方に紹介していただき、
四ツ谷のカフェで初対面。
自己紹介もそこそこに、
ポルトガルの食の話だけで
延々数時間盛り上がりました。


もうすぐポルトガルへ旅立つ高村さん。
たくさんの良い出会いに恵まれますように。
Boa viagem!

2 件のコメント:

  1. 初めまして。その最終日に伺った1人です。
    私は高村さんの味に半蔵門で出会ったのですが、お菓子からもご本人からも元気を沢山頂けました。
    その後のことが気になりネットで探してたところ、こちらに辿り着いた次第です。
    まだまだ新しい味を探求する旅を続けられているのでしょうか。またどこかでお会い出来る事を楽しみにしています。

    馬田さんの「ようこそポルトガル食堂へ」探して読んでみますね。

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  2. takahashiさん。はじめまして!実は今回のポルトガル取材では、高村さんのお菓子修業も取材していたんですよ。今日帰国されたそうなので、落ち着いたらまたおいしいお菓子をみんなに提供してくれるかもしれませんね。私も、ポルトガルの味を紹介するイベントをどこかで開こうかと考えています。またこのブログでお知らせしますね。

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